[Zuka] 星組『ESTRELLAS~星たち~』(1)

スーパー・レビュー
『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』 55分
作・演出/中村 暁

ESTRELLAS(エストレージャス)は、スペイン語で星々(STARS)を意味する。“誰もが星のように光を与えることができる”というテーマのショー。

星組は、2017年に宝塚の伝統的な名曲を集めたレビュー『Bouquet de TAKARAZUKA』→2018年にサイトー・ヒーロー・ショーの『Killer Rouge』と来て、今回のESTRELLASで、ショーの内容がバラエティに富んでいて、飽きないですね。楽しい。

ESTRELLAS幕

“[Zuka] 星組『ESTRELLAS~星たち~』(1)” の続きを読む

[Zuka] 星組『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS~星たち~』(1)

あけましておめでとうございます。初日と2日目マチソワしてきました。3日目もマチソワなんですが、ひとまず。

明日3日(木)は、NHKBSプレミアムで、午後4時00分~午後5時35分、新春・宝塚スペシャル「ESTRELLAS~星たち~」放送予定です。録画予約をお忘れなく。

2019年1月3日(木)
NHKBSプレミアム
午後4時00分~ 午後5時35分
新春・宝塚スペシャル「ESTRELLAS~星たち~」

105周年を迎える年頭に宝塚大劇場で行われる星組公演のスーパー・レビュー「ESTRELLAS~星たち~」を放送。元宝塚歌劇団トップスターの真飛聖をゲストに迎え、星組トップスター紅ゆずるによる公演のみどころインタビューも紹介。新春の宝塚大劇場での鏡開きや初日の舞台で専科の轟悠と花組、月組、宙組のトップコンビがそろって行われる「宝塚歌劇105周年 新春口上」などを交え新春の華やかなにぎわいをお届けする。

【出演】真飛聖,紅ゆずる,宝塚歌劇団星組,【ナレーション】渡邊佐和子

“[Zuka] 星組『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS~星たち~』(1)” の続きを読む

[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(4)終~朋有り遠方より来たる

第三回台湾公演ブルーレイTAKARAZUKA in TAIWAN 2018 Stage & Documentの特集ページが出来ています。凜雪鴉(紅ゆずる)、丹翡(綺咲愛里)、捲殘雲(礼真琴)、殤不患(七海ひろき)の4人と彼らが写ったパッケージの写真あり。

[Zuka] 星組台湾公演BDと写真集

__

デザインノート 最新号に小柳奈穂子氏のインタビューが掲載されていました。

デザインノートNo.82  (2018年11月26日発売)
特集: 漫画・アニメ・ゲームのデザイン

連載:佐藤可士和の視点とデザイン
「制約」と「個性」の折り合いから生まれる、自分だけの物語
小柳奈穂子(宝塚歌劇団 演出家)×佐藤可士和

クリエイティブディレクター、アートディレクターの佐藤可士和氏との対談です。宝塚歌劇の座付き作家としての現在の小柳流の方法論にたどり着いた経過が垣間見えて興味深いですが、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』に関連した箇所があったので引用します。

例えば、宝塚というのは男性を主役にした物語を書く必要がありますが、私自身は女性なので、女性の視点というものを大切にしています。(略)凜雪鴉という男性の主人公の視点に立って考えようとすると私にとっては難しい部分があるのですが、女性の視点に立ち、丹翡という女性をさまざな男性たちがサポートする冒険譚として捉えることで、自分らしい物語を書くことができるんです。(前掲書p.93)

産経新聞の記事【橋本奈実の芸能なで読み】
宝塚歌劇団星組トップ、紅ゆずると座付き演出家、小柳奈穂子氏に学ぶ“1行の要約” (

(略)立てた1ライン・プロットは、『主人公にお友達ができる話』だ。
ヒロインを守るクセのある仲間たちの1人で、主人公の凜雪鴉(りんせつあ)は謎の人物。「彼は何でもできる人であるがゆえに、人生に退屈していた。でも、ある人に興味を持つことで、生きる意味を見つけていく」と小柳さん。

『女性の視点に立つ』と『主人公にお友達ができる話』という2つのインタビューを合わせて考えるとまんま下の画像(紅ゆずるの凜雪鴉と綺咲愛里の丹翡)ですね。凜雪鴉のお友達というのは殤不患(七海ひろき)だと思いますが、丹翡と捲殘雲(礼真琴)は「年少のお友達」なのかな。

あーちゃんの丹翡ちゃんこそ、人形がそのまんま人間サイズになった感があった。立ち回りは経験があまりないはずですが、カッコよかった。健気で一途な丹翡ちゃんでした。

紅ゆずるの凜雪鴉と綺咲愛里の丹翡

“[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(4)終~朋有り遠方より来たる” の続きを読む

[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(3)旅は道連れ世は情け

10月1日(月)から『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀2』(サンファン2)が始まったと思ったら、12月24日で13回分が終わりますね。さびしい。

ねんどろいど 紅ゆずる」に続いて、「ねんどろいど 殤不患」が発売されるようです。商品ページはまだありません。「ねんどろいど 凜雪鴉」(2017年03月発売)、「ねんどろいど 蔑天骸」(2017年04月発売)はすでに売り切れ。ちび殤様も予約しなくては。

_

“[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(3)旅は道連れ世は情け” の続きを読む

[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(2)

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』のクリアポスター(発売日:2018年9月13日)が発売されるそうです。クリアポスターはパンフレットに掲載されている4人写りと同種のものですね。下段の布袋人形4人写りと上下になっているポスターでも良かったのですが、星組キャストのみの分です。

お衣装は、お衣装部さんの労作。素晴らしい再現度だけれど、ふもふした羽根や毛皮がついた重ね着で、暑いし重そう💦。やはり人間が着るには無理が💦。

紅さんの凜雪鴉のお衣装は振り袖のように長くて、両腕がだいたい90度になっているのを良く見る。かいちゃんの殤不患のお衣装は毛皮付きで背後はマントになっているので殺陣や所作でさばくのに相当の技量がいるね。琴ちゃんの捲殘雲のも。あーちゃんの丹翡のお衣装は帽子が大きくて、首まで埋まり、袖が大きいロングドレスでこれも殺陣が大変そう。麻央くんの殺無生は、背中の二本差しが自分では差し込めないという話だし、再現率の高さは演者の困難と裏表であることよ。

ル・サンクも出ます。ル・サンク特別編集「Thunderbolt Fantasy(サンダーボルト ファンタジー)東離劍遊紀(とうりけんゆうき)」「Killer Rouge/星秀☆煌紅」(アメイジングスター キラールージュ)発売日:2018年10月5日

円盤は詳細不明ですが、台湾公演分がBD・DVD化される模様。

“[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(2)” の続きを読む

[Zuka] 星組『ANOTHER WORLD』(2)存在が罪

落語の宝塚化を、RAKUGO MUSICALと銘打ちますが、『ANOTHER WORLD』は落語だけではなくて和物ショーに歌舞伎、人形浄瑠璃、吉本新喜劇エッセンス、初音ミク、歌劇、日本昔話まで入った何でもあり。何という難易度の高い世界。華やかさや楽しさで隠しきれない、どう見ても難しい演目なんだけれど、考えると負けだ!という気になるほど、何でもあり。

物語を作るのも運ぶのも、紅ゆずるの康次郎。徳三郎(礼 真琴)や喜六(七海ひろき)は一緒にいると心強い仲間だが、冥土道中の方向性を決めるのはあくまで康次郎。これはあくまでも星組トップスター紅ゆずるの道行きなのだった。

(パンフレットの康次郎は全然、紅さんの素じゃんと思って見ていたら、役柄や性格が判ってないうちに撮影した模様。これはお澄さんのあーちゃんも徳三郎の琴ちゃんも同様です)。

というわけで初っぱなから紅さんが立て板に水と饒舌に船場言葉で話しまくる。一人で何人分かの語りをする落語を複数名の芝居に仕立てると、ボケと突っ込みの掛け合いが分担された吉本新喜劇的な雰囲気を醸し出す。喜六のかいちゃん(七海ひろき)も合わせて怒濤の早口で、「コロッっと逝ってなはった」と歯切れ良く言ってはるけれど、テンション上げまくりやな、がんばりなはれ、と手に汗握るw

私はですね、喜六さんを偏愛していて、初見(4/28)では「なんだ、こやつは。ワケ判らん」とか思ったりしたのですが、情深い喜六はんが日々愛おしくなっていく。居方が難しい役で、愛すべき阿呆と言っても、人間、何も気にせずにただひたすら明るく笑顔で居続けるというのはあり得ない。康次郎はんや徳三郎はんは仲間扱いしてくれるけれど、大店の旦那方と手伝やさかい、本来の立ち位置は違うはずなんですよ。それに本当のアホは、貧乏神(華形ひかる)の貧ちゃんに「あんたは自分だけ良かったらええんか」って言えないと思うし、「人間は罪深い」という思考は出てこない気がする。

極楽行きか地獄行きかで、自分の罪を思い出そうとする一行。徳三郎が女は何人も殺したぜ的な発言をした後に、喜六ちゃんの背中をツンツン突いているんですが、これは「お前さんはどっちだ?」的なツンツンなんですかね。ツンツンされて言いたくない言えない的な素振りを見せる喜六ちゃん。可愛いっす。わては閻魔大王様怒られるようなことはしてまへん、とハッタリかまして、康次郎と徳三郎に「お前は存在が罪や」って言ってもらえるけれど、「存在が罪な」阿呆ってどんな人なんだろうか。喜六の過去はいかに、と思うけれど、浄土真宗的な悪人、自分自身では煩悩を断ずる事ができない「罪悪深重の凡夫」を自覚する者なのかもしれないとか深読みする自分でした。可愛いすぎる罪か。おもろいキャラですよ、喜六はん。超がんがれ。

喜六はんのことだけで1回分が終わってしまった。えろうすんまへん。

[Zuka] 星組『ANOTHER WORLD』(1)

他の記事も書いているのですが、ひとまず手短に。

万里 柚美組長から、104期生、40名初舞台生の口上の告知があり、3名ずつの口上。パンフレットにも顔写真と日程が掲載されています。タカラジェンヌ、忙しいので、大変だと思うけれど、憧れの舞台に立てる喜びを忘れないでがんばってください。

初舞台生の私服が、黒>>>>>>紺>>>>茶>>白(インナー)の色合いで、高身長のスタイルの良い集団が、黒一色で歩いているのは、目を引きます。初舞台が終わるとこの縛りは終わるらしいので、初舞台公演の風物詩ですね。

初舞台生口上日程大階段板付きの日本舞踊のチョンパで始まる。和物ショーと見まがうばかりの華やかな幕開き。総踊りに続き、男役衆の踊り、紅さんとあーちゃんの二人舞。一気に明るいお祝いムードになるのが、谷先生の初舞台生への心遣いかなと思ってみております。

“[Zuka] 星組『ANOTHER WORLD』(1)” の続きを読む