[diary] COVID-19パンデミック雑記(57)国内を守るための総力戦を求む

仏花(菊、デンファレ、ケイトウ)


現時点で最も危機的なのはどの局面なのか

8月23日、厚生労働省と東京都が改正感染症法に基づき都内の全ての医療機関に対し、新型コロナウイルス患者向けの病床確保と最大限の患者受け入れを要請したそうです。

「国が要請に名前を連ねたのは、『この局面は総力戦だ』というメッセージもある」と厚労省幹部が話したそうなのですが、総力戦ですか?

危機的な状況やハイリスクな局面に集中して総力を挙げるのを総力戦と呼ぶのでは?

東京都だけではなく、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は全国に拡大中です。現時点で最も危機的なのはどの局面なのか?


要請では「不急の入院・手術の延期」など、一般医療の制限をした上での協力を求めた。新型コロナ患者を受け入れている入院重点医療機関などには「最大限の入院患者の受け入れや更なる病床確保」を依頼。それ以外の病院には「医療機関や宿泊療養施設の運営、人材派遣」のうち少なくとも一つ、診療所には「人材派遣、コロナ患者の在宅医療、ワクチン接種」のうち少なくとも一つの協力を求めた。また大学医学部、看護学校など養成機関にも、人材派遣やワクチン接種への協力を要請した。

病床確保へ「総力戦」 国と東京都が医療機関に協力要請 | 毎日新聞| 2021/8/23


医療ひっ迫なら中止を

新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員で、東京五輪・パラリンピック組織委員会に新型コロナウイルス対策を助言する岡部信彦先生(川崎市健康安全研究所長)は、専門家有志で政府と組織委に提言を出された6月18日頃から、東京2020オリンピックについては何度も「医療ひっ迫なら中止を」と発言されています。

ところがパラリンピックについては、8月20日に「今日時点では大会が医療を逼迫させていない」と話されたそうです。

しかし現時点で、東京都の医療提供体制はすでにひっ迫しているのではないですか。都内では、自宅療養中などに症状が悪化して救急搬送を要請した1,983人のうち、1,160人が医療機関に搬送されず、自宅療養を継続することになったそうです。

都内の自宅療養者は25,000人を越え、軽症・中等症レベルの患者を受け入れる酸素ステーションなどの災害対応としての臨時施設が開設されています。これらは東京都内の医療が、ひっ迫している証拠ではないですか。

だからこそ、他の病床を削ってでも新型コロナ用病床を増床しろという要請を出しているという理解なのですが、岡部先生に翻意を促す圧力か何ががあったのでしょうか(陰謀論)。

こういう対症療法的措置も重要な機能を果たすでしょう。加えて重要なのは、全国的な感染爆発を抑えることです。これからの新規感染者を減少させ、ワクチン接種を急ぎ、国内を守るための総力戦を求む!


(略)その究極が無観客であり、さらには競技そのものの中止であると思います。でもそのような判断をすべき状況は、オリンピックの開催に関係なく人の動きの全体を抑えなくてはいけない状況で、強い制限内容を盛り込んだ緊急事態宣言のときだと思います。(略)

さらに増えて、開催中に東京の医療機関の状態が大阪のようになり始める「予兆」が見られたら、オリンピックどころではなくなります。その時には中止も検討されるべきと思います。

「開催中も医療逼迫なら中止を」 東京五輪の感染対策をアドバイスしてきた専門家が譲れないこと  BuzzFeed News Japan / 2021年6月25日

_

内閣官房参与で東京五輪の大会組織委員会の専門家会議の座長も務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所所長が三十日の市議会健康福祉委員会に出席し、コロナ禍の五輪開催について「大きな大会の真っ最中に世界を揺るがすような感染症が出てきた場合、途中でも中止するという判断を、考慮の中に入れておくべきだ」との考えを明らかにした。<新型コロナ>「五輪 途中でも中止」考慮を 組織委の専門家会議座長・岡部さん、感染急増で:東京新聞 TOKYO Web  2021年7月31日

_

東京五輪・パラリンピック組織委員会に新型コロナウイルス対策を助言する岡部信彦・川崎市健康安全研究所長が20日、記者会見し、24日開幕のパラリンピックについて「場合によっては中止も含めて常に俎上に載せておくべきだ」と話した。一方で「今日時点では大会が医療を逼迫させていない」とし、開催には理解を示した。

「医療逼迫ならパラリンピック中止検討を」 組織委の専門家会議座長・岡部信彦氏が懸念:東京新聞 TOKYO Web 2021年8月20日