首都圏の医療提供体制は危機的状況
7月26日に「医療ひっ迫は目の前です」と書いたら、7月27日に東京の新型コロナ・ウイルスの新規感染者は2,848人を記録し、7月28日に3,177人と3000人を越えました。新規感染者数が増え続けると、重症者数は2週間ほど遅れて増加し始めます。8月9日現在、首都圏の医療提供体制は危機的状況にあります。
至急、新型コロナウイルス感染症対策分科会やコロナ専門家有志の会などによるリスク評価を踏まえた提言を乞う。
都内は医療崩壊に近い
NHKの病床使用率 全都道府県グラフによれば、東京都における新型コロナ・ウイルス感染症(COVID-19)重症者対応のベッドは、1207床中827床(8月4日:69%使用)が埋まっています。東京都発表の重症者数は今年の1月頃と同程度に達しています。
都内の医療提供体制は余力が殆どないと言っていい状態です。COVID-19による新規の入院は受け入れ困難となり、救急やCOVID-19以外の治療にも影響が出ています。
都内の最新感染動向によると、現時点で宿泊療養1,908人、自宅療養17,812人、入院・療養調整中13,244人にのぼり、8月5日には都内で自宅療養中に亡くなった方が増えていると報道されています。
まだ死者数は少ないですが、これは感染者のボリュームゾーンが、高齢者から50代以下に移っているためです。徐々に死者は増えていきます。都内で自宅療養中に亡くなったと報道されている方たちはすべて50代以下です。
都内は医療崩壊と呼んでいい状態とみられます。
都内で、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中に死亡したとみられるのは、8月に入って、少なくとも8人にのぼるという。
8人は全員男性で、30代が1人、40代が1人、50代が6人で、いずれも感染が確認され、自宅で療養していたとみられている。
【独自】東京 自宅療養中の死者急増 30~50代 8月に8人 | FNNプライムオンライン
- チャートで見る日本の感染状況 新型コロナウイルス/ 日経ビジュアルデータ
COVID-19に対する警戒は継続
新型コロナ・ウイルスの変異ウイルスは、従来株と病状や病原性も異なっているとされ、デルタ株による病態は去年までと別物のようだと言われています。
BuzzFeed Japan Medicalは、聖路加国際病院、QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣さんに聞いた。
(略)感染者が増えて困るのは病院ではなく、受け入れてもらう病院がない人たちです。
搬送先を探すのに時間がかかる人が、コロナに限らず、熱中症、交通事故、脳卒中、心筋梗塞など緊急性が高いあらゆる病気で増え始めています。水ぼうそうと同じ感染力? 感染爆発を招いているデルタ株にどこまで警戒を強めたらいいのか (公開 2021年8月3日)
Long COVIDと呼ばれる新型コロナウイルス感染症の後遺症も症状が多彩で、非特異的であることがわかっています。変異ウイルスごとの後遺症など、全容がまだわかっていません。
ワクチンや治療薬が登場しても、COVID-19への警戒を解くことはまだ出来ないのです。ワクチン(2回接種 fully vaccinated against COVID-19 )を人口の60~70%以上普及させるまでは厳戒態勢を続ける必要があります。WHOは世界人口の70%以上と提示しています。
- 【m3.com】待ったなしの後遺症対応、そもそもの定義と症状【時流◆Long COVID】 @m3com_editorsより
新規感染者を減少させる強力な措置が必要
厚生労働省の第44回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年7月21日)において、京都大学の西浦博教授による「東京都では8月中旬すぎには1日当たりの新規感染者数が1万人前後」という予測が出されていたので、7月29日に3,865人の数値が出たときは、「やはりオリンピックを中止にするくらいのことをしないと減少に転じないだろう」と思案しました。今も変わってません。
新規感染者を減少させる強力な措置を全国的に実施すること。今後、危機に瀕するのは、都心部以外の地域です。医療提供体制は乏しく、ワクチン接種も進んでいない。
至急、新型コロナウイルス感染症対策分科会やコロナ専門家有志の会などによるリスク評価を踏まえた提言を乞う。
東京オリンピックが閉会し、お盆ウィーク直前の今、至急、実施したほうがいい感染拡大防止策(案)を挙げておきます。
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水際対策の強化と一時的な鎖国
・海外からの流入を防ぐ措置
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パラリンピックの中止
・海外からの流入を防ぐ措置
・お祭りムードの沈静化を図る
・野次馬の集合を回避する
オリンピックが全日程を終えて閉幕したのに、パラリンピックの中止を挙げるのはとても心苦しいですが、国内の安全と人々の健康のためだと信じています。
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緊急事態宣言の全国化
・テレワークの推進(企業内感染の予防)
・国内移動の制限(帰省や出張、遠征などの抑制)
・時短営業要請(夜間の人流抑制)
・飲食・飲酒を伴う長時間会合の規制(バーベキュー、パーティ、飲み会など)
・カラオケや合唱、歌稽古などでのマスク着用のススメ
・酒類の提供制限
・夜間のネオンサイン消灯要請
・人流を減少させる措置(イベント・集会上限設定、延期や無観客化)
- この夏の音楽フェスティバルは、延期か無観客化の検討を。
- 全国高校野球選手権大会※やすべてのエンターテイメント系公演、観覧イベントは、客数上限を厳しくするか、延期や無観客化などの検討を。事前の迅速抗原検査の導入なども一案です。
※全国高校野球選手権大会は一般の観客向けのチケット販売を取りやめ、一、三塁内野席への入場を2千人をめどに可能となっているようです。夏の甲子園、入場者限定の理由や感染対策をご説明します:朝日新聞デジタル
ひどいよね、全くひどい。私のチケット。。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) じっと手を見る。
日常生活での感染予防対策をしっかり!!
オリンピックは開会式も閉会式も見ましたよ。体操・新体操競技やアーティスティック・スイミングは好きなんですよ。東京オリンピック2020に関わる全ての皆様(視聴者含む)、お疲れ様でした。国内では感染拡大しましたが、競技に挑む選手の姿に画面越しに声援を送れました。
ところで閉会式にいた緑の袴姿のノーマスク軍団はなんですか?秋篠宮さまもバッハ会長もマスクしてましたよ。
┃_ ̄) ジィー・・・
選手も競技中はマスク外してるから、タカラジェンヌも舞台で歌ってる姿と同じと思って見てますけどね。ワクチン2回接種済んだよね?
ワクチン接種後も日常生活でのマスクは必要です。
ワクチンによる予防も完璧ではありません。国内にワクチンが普及するまでは、マスクの着用(不織布マスク推奨)、手洗い・手指消毒、換気を奨励し、ノーマスクによる会話での飛まつを避け、密閉も密集も密接も避けるという感染予防策をがんばるのみです。Social Distancing!!
都内のDr.から緊急のお知らせ
都内ではすでに入院が厳しくなっています。入院していた人も酸素が不要となれば10日待たずに退院しなければならない。
保健所は積極的疫学調査(濃厚接触者調査)が追いつかず機能停止しており、濃厚接触者への早期検査が出来ていない、、など。
新規感染者を減少させる強力な措置が必要です。
【緊急のお知らせ】
現在首都圏では病床が非常に逼迫し、40床のコロナ病床を持つ当院も、院内で診断した新規患者さんを院内に収容することは全く不可能になりました。全例がご自宅に一旦戻っていただく形になります。
また、保健所も濃厚接触者の追跡が追いつかず事実上機能停止に陥っています。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
すでに、家庭内感染の感染拡大の防止は諦めざるを得なくなった非常事態と言ってもいいと思います。
つまり中等症II〜重症に相当する危険な状態にある患者さんが急激に市中に増加しており、まずはその人たちの病院収容を全力で急がねばならない状態となっているとご理解いただければと思います。
— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021
個人的には、去年までのCOVID-19と、このδ変異株は、まるで別物だという印象です。
排泄しているウイルス量も平均で1280倍多いと言うデータが先日出ましたが、若年者や基礎疾患のない人でも重症化するし、肺炎の進行も急激です。— Dr.丼のCOVID問題集 (@sguardo_bot) August 7, 2021