[diary] COVID-19パンデミック雑記(53)災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態

8月14日 新たに確認された感染者数(NHKまとめ)

終戦から76年の8月15日

新規感染者1日2万人越え

新型コロナ・ウイルスの新規感染者1日2万人越えが2日続きました。全国的に増加傾向で、ピークが見えないんですよね。どの数値を見ても改善(減少)の気配が見えない。西浦先生のシミュレーション。このまま対策不十分だと1日3万人コースですかね。


Daily new confirmed COVID-19 cases per million people Shown is the rolling 7-day average.

COVID-19 すぐには入院できないよ

全国の対策病床数に対する現在患者数は173%。全国の 現在患者数134,470人に対して、対策病床数77,349床です。15都道府県は100%を越えています(黒塗り)。

COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボード

都立墨東病院はICU稼働率100%に

医療機関は、新型コロナ・ウイルス感染症患者用のベッドが空いてないと「今は空きベッドありません」と言うしかありません。チケットだって売り切れ御免です。(だいぶ違うけど個人的には⬇⬇(-_-;))。

保険医療機関には、診療報酬算定のための施設基準や医師や看護師等の人員配置基準というものがあり、それらの基準を満たし稼働して初めて、「医療提供体制確保」と言えるのです。

基準や加算に関する膨大な事務連絡を見よ!⇒ 新型コロナウイルス感染症に関する診療報酬関係の事務連絡等(まとめ・8月6日現在)/ 京都府保険医協会

感染管理ができる施設と専門職は、専門性が高く、数が少ないのを無理矢理やり繰りしてるのが実情です。看護師不足は長年の深刻な課題です。厚生労働省は2008年に「コメディカル不足に関して~看護師の人数と教育~」という報告を出していますが、パンデミックに際してより深刻になっています。

医療従事者は感染ハイリスク状況が1年以上続き、ようやくワクチンの優先接種が行われました。今後も医療キャパシティは強化していく必要はありますが、これまでも波のたびに、保健所の体制、検査体制、医療提供体制や対応などは強化されています。SNSで見かけるような、患者が増えているのに医療側が病床を増やさないのが悪い的な言説は許容できるものではありません。

重症者や死者数が少ないのは、診療に携わっている臨床の方たちが、改善効果がある薬や手法を検討し、治療や看護を工夫しているからでもあります。

中等症の場合、「レムデシビル」(抗ウイルス薬)や「デキサメタゾン」(ステロイド剤)を使うことでかなり重症化を防ぐことができます。また、軽症患者にも使える薬が登場しました。菅義偉首相が会見で「(軽症者や中等症者の)重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬」と紹介した、「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2種類の中和抗体を組み合わせた「抗体カクテル療法」で、先月19日に特例承認されました。

新型コロナの感染急加速、拡大どこまで? 医療体制への懸念点は?「コロナとワクチン」特別編 西浦博・京大教授に聞く(上)新型コロナ感染爆発と医療逼迫 / 2021.08.04

入院できれば手厚い治療や看護が受けられますが、新型コロナウイルス対策ダッシュボードで真っ黒の都道府県ではすぐに入院できません。そのため自宅療養者が激増しており、自宅療養中に死亡した事例も出ています。

政府からは、自宅療養中の患者の向けに「酸素投与を可能にする酸素ステーションの態勢」や「中和抗体薬を投与する態勢を整備」という方針が出されていますが、私は罹りたくない。とにかく新型コロナ・ウイルス感染症に罹らないことを目指す!!新規感染者を減少させる措置を!!

新型コロナワクチンは医療従事者や関係各位のご尽力により急激に接種回数を延ばしていますが、今のこのデルタ株の第5波には間に合いません。医療従事者と高齢者の優先接種だけでも、デルタ株の流行の前にほぼ(8割程度)終わっていて本当に良かったです。


提言「期間限定の緊急自体措置の更なる強化」

2021年8月12日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長の会見があり、期間限定の緊急自体措置の更なる強化に向けて「東京の人流を5割削減」という分科会による対策強化策が提言されました。

【救える命が救えなくなる危機的状況回避のため】
医療提供体制・検査体制等の強化・効率化
感染に歯止めをかけるため、短期間での人と人との接触機会の低減
目標:2週間で、東京都の人流を7月前半の約5割に

「やらないよりは間違いなく減る」

尾身先生の会見で指摘されていたデパ地下やショッピングモール等売り場での伝播の件ですが、百貨店では人流の制限(入場人数制限)が始まっています。資料や記事を見るとデパ地下の食料品売場の販売員が多いようです。これも尾身先生の会見でもありましたが、バックヤードの休憩室や更衣室、喫煙所でのマスクを外した会話、うがいや歯磨きの飛まつなども注意する必要があります。

国のリーダーシップ、医療の強化というようなことを前提にして、皆さんが今の危機感を共有していただければ、人流が一定程度下がると必ず接触の機会が減って、新規の感染者は必ず減りますから。どれだけ減るかというのはまたありますけど、やらないよりは間違いなく減りますから。

尾身会長が会見 「東京の人流を5割削減」分科会が対策強化を提言(2021年8月12日) https://youtu.be/4JUCXaKYb2w

  • 会見の書き起こし全文は以下を参照のこと
コロナ分科会の尾身会長が会見 (Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)
(全文1)東京の人流を宣言前の半分に減らしたい

 

イベントや集会はどこまで可能か

「人が密集しない」「観客が声を出さない」という条件で利用可能とされたイベント・集会ですが、クラシックコンサートや劇場、美術館や博物館、映画館など、人数規制の上で、「客側が(不織布)マスク着用して声を出さない(飛まつを飛ばさない)」ように制限をすれば、活動可能だとは思います。ただ感染拡大がこれ以上進むと出演者やスタッフの安全の確保、人流抑制という意味での中止・延期・無観客はありだと思います。

出演者や参加者が全国から集って泊まり込みの高校野球や音楽フェスはちょっとかなりハイリスクです。書いときます。


第5波は災害レベルの非常事態

8月12日は、東京都の東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議もあり、「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と総括されています。

感染状況についてのモニタリング会議の総括コメント

かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており、制御不能な状況である。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態である。この危機感を現実のものとして皆で共有する必要がある

(第58回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和3年8月12日)


  • 私見⇒パラリンピックの中止

オリンピックが全日程を終えて閉幕したのに、パラリンピックの中止を挙げるのはとても心苦しいですが、国内の安全と人々の健康のためだと信じています。