[Zuka] 麗しのイレーネ~伶美うらら退団に寄せて

自己流解釈を書き連ねたブログ記事

『神々の土地』『クラシカル・ビジュー』についてはまだ書きたいこともあるんですが、ちょっとだけ、伶美うらら嬢について。歌劇11月号に上田久美子氏による「伶美うららを送る言葉」が掲載されていて、話題を呼んでいます。まぁ様こと朝夏まなとさん、ありさ(瀬音)、しーちゃん(彩花)、まやちゃん(涼華)も11月19日付けで退団されました。皆様、ご卒業おめでとうございます。

“[Zuka] 麗しのイレーネ~伶美うらら退団に寄せて” の続きを読む

[Zuka] 宙組『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』

東宝千秋楽(11/19)が明日に迫りました。東京遠征もしましたが、宙組トップスター朝夏まなと様退団公演の『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』『クラシカル ビジュー』。12月1日発売の宝塚イズム36に原稿を書いたら、満足しちゃってました。

ロシア帝政末期に起きた怪僧ラスプーチン暗殺事件を題材に、暗殺の実行者であるドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフを主人公にし、ロマノフ家の終焉とロシア帝国の滅亡の史実に創作と改変を交えて書き下ろした上田久美子氏のオリジナル大劇場作品第三弾。

美しい物語だった。救われるものはおらず、悲劇性の高い物語だけれども、歴史の歯車とはこういうものかと思わせてくれた。そこに描かれていたのは、自分の生きる道を考え、自分に出来ることを成そうとした数多の人々の姿であり、大地に刻み込まれた人々の愛の姿であった。

上田せんせい。公演中もセリフや小道具など細部の改善を続け、美の追究に余念がなかったらしいですが、作品の緻密な構成と登場人物像の丁寧な造形が冴え渡り、まぁ様を中心に宙組が一丸となって取り組んでいる姿に観劇の度に感動していました。

“[Zuka] 宙組『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』” の続きを読む

[Zuka] 花組『邪馬台国の風』『Santé!!』大千秋楽@東宝

8月27日(日)花組『邪馬台国の風』『Santé!!』東京宝塚劇場が大千秋楽を迎えました。明日海りおと仙名彩世の花組新トップコンビのお披露目公演でした。花組の皆様、スタッフの皆様、おめでとうございました。お疲れ様でした。

夕霧らい様、梅咲衣舞様、お二人ともご卒業おめでとうございます!!らいらいもイブ氏も花組公演を観劇すると探してしまう人でありました。おひげをつけたジャスパー・トリング卿を演じているときでさえ、ひそかに色気を隠し持つらいらいと、ちゃきちゃきと動き回る働き者のイブ氏。『Santé!!』で二人が豪奢なお衣装を着て銀橋を渡る場面は大いなる喜びでした。千秋楽にはお揃いの赤い花のコサージュをつけ、最後の銀橋に向かうらいらいとイブ氏の幸せそうな笑顔をライブビューイングで見ながら、内心で藤井大介先生にお礼を言いました。

幸せと楽しさをありがとう。これからの人生にも幸多きことを、お祈り申し上げます。

“[Zuka] 花組『邪馬台国の風』『Santé!!』大千秋楽@東宝” の続きを読む

[Zuka] 月組『All for One』千秋楽@大劇場

月組『All for One』~ダルタニアンと太陽王~大劇場公演、千秋楽おめでとうございます。月組の皆様、スタッフの皆様、おめでとうございました。お疲れ様でした。とっても楽しい公演でした。東京公演までしばしの休養を。

輝城 みつる様、蒼矢 朋季様、紫乃 小雪様、ご卒業おめでとうございました。幸せと楽しさをありがとう。これからの人生にも幸多きことを、お祈り申し上げます。

制作記者会見で、小川理事長から「明日から宝塚で稽古を開始するのですが、作品の中身は小池先生の頭の中でございます」とのコメントがあり、稽古場キャストボイスが公開されると、進行が懸念されていた小池修一郎氏の新作でしたが、蓋を開けてみたら、大団円。いやー良かった良かった。→公式/制作発表会レポート

本作品の何が良かったって、まずテーマソング「All for One」。「互いに助け支え 戦う友よ」ってそれはまんまタカラジェンヌ。もう一つ「明日を信じて」も大好きで、テーマソングに作品の思想が込められているのを感じます。「All for One」は小池修一郎氏のタカラジェンヌ賛歌、宝塚愛の結集でした。そして珠城・愛希コンビの月組へのリスペクト。珠城さんの月組は総力戦が似合う。チーム珠城。

カーテンコールで、 珠城さんが、「宝塚に栄光あれ!」とコールした後に、観客は指2本を剣に見立ててかざし、「All for One, One for All ! 」と唱和。 そしたら、珠城さんが「これで宝塚は1つになりました」って言ってくれて、珠城さん良いトップさん好きってなりました。

憧花 ゆりの組長の終演後の挨拶では、コマちゃん(沙央 くらま)が出演する雪組公演『ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』『SUPER VOYAGER!』-希望の海へ-の告知があり、それから月組ミュージック・パフォーマンス『MOON SKIP』 、美弥 るりか ディナーショー『Razzle』、月組全国ツアー公演『鳳凰伝』『CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』、一樹 千尋と月組子が出演する専科バウ轟悠主演『神家の七人』、暁 千星主演『Arkadia -アルカディア-』のお知らせがありました。月組は毎回分割度合いがすごい。

すーさん(憧花)曰く、「私も、見るのが大変です。ここはヅカオタク、宝塚ファンとして全てご覧になっていただき一緒にヅカ話をいたしましょう!」…組長にまで言われました。月組ほんと観るのが大変そう。(^^;)

[Zuka] 星組公演『オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-』

1月に国際フォーラムで上演され、7月22日(土)~8月7日(月)まで梅田芸術劇場メインホールで再演の『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』(略称おシャンティもしくはOSO)。チケットの売れ行きが芳しくなかったようですが、国際フォーラム上演時に梅芸上演も公表しておけば、観る側のスケジュールが組みやすかったのにな、と思いました。ちなみに花組の花組公演 『Ernest in Love』も梅芸2階で観劇したときは空席がかなりあったので、やはり約2週間の公演期間中、1905席を埋めるのは難しいのだろうと推測します。

いきなり告知されたイベント「マサラ・ナイト」はものすごく楽しかったし、千秋楽は当日券完売の大盛り上がりで、終わりよければ全て良しでしたけれどね!(経営的にどうかは知らないですw)。

1月はバウ『燃ゆる風』との振り分けだったのが、7月は梅芸DC/青年館『阿弖流為』との振り分けで、半分以上のキャストが変わりました。ただ主演コンビが同じであるため、DVD及びスチール・舞台写真は販売されないということです(TCAピクチャーズからの回答)。CS(スカイステージ)の撮影は行われているので、1年後くらいに放送があると思われる。(参考:宙組博多座公演『王家に捧ぐ歌』が2016年5月上演、2017年5月CSファーストラン)。

“[Zuka] 星組公演『オーム・シャンティ・オーム-恋する輪廻-』” の続きを読む

[Zuka] [book]『宝塚イズム35』のお知らせ

お知らせ
6月1日発売の『宝塚イズム35』(青弓社 薮下 哲司(編著) / 鶴岡 英理子(編著))に公演評:花組『雪華抄』『金色の砂漠』と『宝塚に見る戦国武将』の2本が掲載されています。

薮下哲司さんによるご紹介:充実の『宝塚イズム35』青弓社 『宝塚イズム』マンスリーニュース

宝塚イズム35: 特集 さよなら早霧せいな&咲妃みゆ
宝塚イズム35: 特集 さよなら早霧せいな&咲妃みゆ 薮下 哲司 鶴岡 英理子

青弓社 2017-06-01

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『宝塚に見る戦国武将』は、バウ・戦国ロマン『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』の公演評を書きたかったのですが、『宝塚イズム』では紙幅の関係で別箱公演評は掲載していないというので、論考とい企画物の形で入れて頂きました。

宝塚歌劇で戦国時代(安土桃山時代)を舞台にした2010年以降の作品5本を取り上げ、宝塚歌劇は戦国武将達の生き様を描くことによって、どんな「夢」や「愛」を観客に見せようとしているか、というのを論考してみました。割と真面目に書いたよ。

  • 「美しき生涯-石田三成 永遠(とわ)の愛と義-」(2011年、宙組)
  • 「戦国BASARA」-真田幸村編-(2013年、花組)
  • 「一夢庵風流記 前田慶次」(2014年、雪組)
  • 「NOBUNAGA<信長>-下天の夢-」(2016年、月組)
  • 「燃ゆる風-軍師・竹中半兵衛-」(2017年、星組)

(参考文献『タカラヅカ流日本史』(中本千晶、東京堂出版 2014.11))。

阪急宝塚駅のブックファースト宝塚店ソリオ宝塚のブックランドサンクスには積んであります。文字ばっかりなのでね、特殊ではありますよ。よろしくお願いいたします。

“[Zuka] [book]『宝塚イズム35』のお知らせ” の続きを読む

[Zuka] 2017年雪組『幕末太陽傳』(1)

4月21日(金)から、雪組トップコンビ 早霧せいな・咲妃みゆの退団公演が始まってあっという間に1か月が経過。103期生の初舞台公演でもあり、初舞台生の口上は初々しく、若者の未来に幸多きことを。

原作の映画『幕末太陽傳』(1957年,川島雄三監督)は、Amazonプライム・ビデオで、幕末太陽傳 デジタル修復版をレンタルしました。『幕末太陽傳』は、品川宿の高級妓楼(遊郭)『土蔵相模』を舞台に、古典落語『居残り佐平次』の佐平次を主人公にしたて、『三枚記請』、『品川心中』、『星野屋』、『文七元結』、『付き馬』、『お見立て』を入れ込んで1本に仕上げた作品。

『土蔵相模』は、幕末の志士たちが密議をした大妓楼として史実にその名を残していて、史実や現存する場所がベースになっているのかと思うと(単純だけれども)作品を見る目が違ってきて、キャスト達の演じる江戸時代末期の相模屋の人々がより立体的になり、現実味を帯びてくる。

(タカラヅカ・スカイ・ステージ「プレ・ステージ!!~歴史のトビラをたたく~#2 雪組公演『幕末太陽傳』」では、ひとこちゃん(永久輝 せあ)が品川宿跡を回っていました)。

“[Zuka] 2017年雪組『幕末太陽傳』(1)” の続きを読む