自己流解釈を書き連ねたブログ記事
- [Zuka] 宙組『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』 2017/11/18
『神々の土地』『クラシカル・ビジュー』についてはまだ書きたいこともあるんですが、ちょっとだけ、伶美うらら嬢について。歌劇11月号に上田久美子氏による「伶美うららを送る言葉」が掲載されていて、話題を呼んでいます。まぁ様こと朝夏まなとさん、ありさ(瀬音)、しーちゃん(彩花)、まやちゃん(涼華)も11月19日付けで退団されました。皆様、ご卒業おめでとうございます。
伶美うらら・ゆうり嬢については次の舞台『越路吹雪に捧ぐ~トリビュートコンサート』(2018/1/10(水)@梅芸)が早速、公表されたので、今後も芸能活動を続けて貰えるのかなと期待しています。退団後初の登場がコンサートであるのも、音楽プロデューサー高橋まさひとさんが目を付けていそうだなとTwitterで呟きを拝読していたので、納得できました。ゆうり嬢はですね、低音では歌えるんですが、ドスが利いちゃうのでその辺りは要改善かなと思います。マダム・ヴォルフはそのドスが最高に好きでしたが。
上田久美子氏によると、『王家に捧ぐ歌』の後に伶美うらら退団の噂が流れたということ。それと宙組第7代目トップスター朝夏まなとが相手役不在のまま退団したということもあり、最後の公演だけでも伶美うららがトップ娘役に就任していれば、と惜しむ声が多いようです。
個人的には、そういう話(1作だけでもトップ娘役)は歌劇団内にもあったのかもしれない、と思います。池田泉州銀行のイメージガールを務め、新人公演ヒロイン、バウヒロイン、DC・東上付き公演ヒロイン、大劇場2番手娘役ポジと現トップ娘役と同レベルの経験を積んでいる娘役なので、表向きの障害が多いとは思えない(歌唱力云々くらい)。だから、最後には伶美うららが何らかの決断を下したのかな、と。そう思うようにしています。
私が『王家に捧ぐ歌』以後に懸念していたのは、伶美うららをどういう形で見送ってあげられるだろう、ということでした。個人的にはもう一作だけヒロインが見たかった。退団後も舞台に登場すればヒロインは可能だろうけれど、タカラジェンヌの娘役としてのヒロインはタカラヅカの舞台にしか存在しえない。
トップに就任したまぁ様の相手役はみりおん(実咲凜音)。二人は花組の下級生時代から一緒で、そのコンビっぷりはツーカーで、二人のお芝居も大好きでした。ゆうり嬢は真風涼帆と組んでも、愛月ひかると組んでも抜群の娘役ぶりを発揮したので、相手役は誰でもよかった。劇団が星風まどか嬢を上げていく方針なのは明確だったし、それに異論はないけれど、伶美うららも大事にして欲しかったのです。
伶美うららは美しい。私を刺激してくれたのは、『王家に捧ぐ歌』での彼女の気迫の美しさでした。喉が裂けても頂いた役は全うする。そのくらいの気迫を持って、魂魄を込めて彼女は『王家に捧ぐ歌』の舞台にアムネリスとして立っていた。
『メランコリック・ジゴロ』のパンチの効いたルシルや『ヴァンパイア・サクセション』でのピンクと赤のド派手な衣装を着こなす女死神カーミラも、『エリザベート』でのドスの効いたマダム・ヴォルフも、彼女はその役を全うしようと戦っていた。ショーでの美の化身ぶりは、『VIVA! FESTA!』でのロケットセンターや『クラシカル・ビジュー』のRubyが鮮明に残る。
そういう意味で『神々の土地』『クラシカル・ビジュー』の2本立て公演は、個人的に最大の贈り物でした。まぁ様の相手役!ヒロイン!『A Motion』で”Yeah! めっちゃホリディ”をちょびっと調子ぱずれに歌うゆうり嬢の後ろでオタ芸を踊ってくれた、まぁ様の!
歌劇団は組織として、宙組第7代目トップスターが相手役不在のまま退団したことに弁明はしないだろうし、伶美うららがトップ娘役に就任しなかった事についての説明もしないだろう。それはそれで良い。いつも幸せな舞台をありがとうございます。可能な限りで構わないのです、タカラジェンヌを大事にして頂けるとファンは幸せになります。
2017年11月19日(宙組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団
朝夏 まなと
瀬音 リサ
彩花 まり
涼華 まや
伶美 うらら
2017年7月6日付で退団
奏音 雅