宙組『オーシャンズ11』東京公演千秋楽おめでとうございます。
主要キャストが多いオーシャンズ11は、真風さん始め今の宙組にぴったりでした。
「主要キャストが多い」は、宝塚歌劇の演目では重要ポイントです。登場人物の数という項目の優先順位は演目によって変わると判っていても、多くの組子が板の上に立っているのはいいものです。
愛ちゃん(愛月ひかる)の組替え時点で見えていたような気がしていますが、今公演で研17のせいこちゃん(純矢ちとせ)、研15のあっきー(澄輝さやと)、研13のもあちゃん(愛白もあ)、同じく研13のりくちゃん(蒼羽りく)という上級生達が卒業して、長く馴染んでいた宙組が次世代に移行していく。寂しさもありますが、次々と新しいスターが育っていくのが宝塚というところ。ベテラン上級生達が後輩に見せる最後の舞台を今日は中継で見守りたいと思います。
そしてまだ98期以下の若い宙組生達も卒業し、人生の第二章を開いていく。ぶっちゃけ若いほうが切り替えもしやすいし、何をするにもどう生きていくにも体が動きます。経験やお金は蓄積が乏しいかもしれないけれど、OG達の切り開いた道を信じて前向きに歩んでいってくださいませ。
純矢ちとせ様
純矢ちとせ様
愛白 もあ様
蒼羽りく
風輝駿様
はる香心様
雪乃かさり様
ご卒業おめでとうございます。
佳き日になりますよう。
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男役・真風涼帆のダニー・オーシャンはスタイリッシュで大人の機微に富んだ世界を愛しながら、自分よりずっと若い妻テス(星風まどか)に夢中。エコロジーを愛し、自らもエコボランティア活動する正義感あるテスはダニーが詐欺で罪を問われたことを怒り、ダニーに離婚届を突きつけ、自分の力で歌手になる夢を実現しようと邁進する。理想を描くテスにラスベガスのホテル王テリー・ベネディクト(桜木みなと)が目をつけ、ベネディクトの新しいホテルの象徴エコ・プリンセスに据えようとする。
刑務所から仮出所したダニーは相棒ラスティ・ライアン(芹香斗亜)とともに、テスを悪名高いベネディクトから取り戻そうとする。ラスティは表向きは軽いノリだが、ダニーの参謀役もつとめ、人付き合いの良さで顔が広い。2人は仲間を集めて、ホテルの金庫攻略に乗り出す。
テスは、ダニーが自分の歌手デビューの資金集めのために詐欺を働いたというのに怒っているのだが、テスには型無しで何かしてやりたくてたまらなかったダニーにはその怒りが通じない。真風のダニーは若い星風テスの真っ直ぐな気性を大事に愛する大人の余裕と包容力を見せながら、これまた大人の事情で網をくぐり抜ける裏道を選ぶ。相反するような生き様を包含する真風ダニーの大きさと計画を準備する芹香ラスティの抜け目なさのバディ感。『オーシャンズ11』というのはこのコンゲームの裏街道感があってのもの。芹香斗亜は何か吹っ切れたのか殻を破った感がある。
星風のテスはダニーを愛しているけれど、自分(テス)のために詐欺する必要はないと言い切り、エコロジーを歌い上げる。最後にはベネディクトよりもダニーを選んで、一緒に居ながらダニーを更生させられるかも考えていくのだろう。星風が切り開く新たな女性像である。(あの、わかめだか白菜だかの緑のドレスはどうしたんでしょうかね。どなたのご趣味ですか??)
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職人気質とスター成分のバランス
下につらつらと今回のキャストを書いていくと、宙組というのは職人気質の成分が多い組だと思う。
タカラジェンヌは芸を磨く舞台人なので職人気質というのは多かれ少なかれ持っているとは思うが、自己を見つめて己の芸を全うしようとする職人気質と自由奔放に望みを持ち、 他に負けじと駆けあがろうとするスター成分のバランスである。
宙組はどうもそのバランスが、職人気質に重く傾いているのではないかと思う時がある。職人気質成分が多いので、組子は粒ぞろいで安定している。良いことなのだが、スター成分が少なく感じる。謙虚さ、真面目さ、優しさ、という気質はタカラジェンヌ達に共通する美点であるが、その美点とスター成分というのは相反するものなのか。
他の組を見ても、私はそうは思わない。スター成分というのも育つものなのだと思う。ただし意識しないと育たない。そのために宝塚では新人公演というものが用意されている。
職人気質でも芸の道を積み重ねていくと時間はかかるがスター成分が増してくるというのが、イエンの秋音光と歌手3ジュエルズのルビーを演じる瀬戸花 まりである。
イエンとして登場したときの秋音の輝きとルビーの瀬戸花の押し出しの良さは大したものだった。秋音は、歌劇団の年度賞で奨励賞を取り続けているが、その積み重ねが秋音に自信を与えているのだろう。WSSのベイビージョンや黒い瞳でのトリオ(勇気)など別箱では大きい役がつくようになっているが、これからが楽しみな存在である。
また瀬戸花は、『神々の土地』のゴロヴィナ嬢とか『ハッスル・メイツ!』でムチを振り回す役とか毎回、大変な役を振られているなと思うのだが、ルビーの歌の通りの良さと押し出しの良さに引きつけられた。娘役で研11というのはベテランの域に入ってしまうけれど、純矢ちとせと愛白もあが退団する今、個性派としての活躍を期待したい。もあちゃんはもっと前に出てほしい娘役でした。
☆彡娘役推しの華妃まいあちゃんと天彩峰里ちゃんが揃っている3ジュエルズは今回の注目ポイントでした。スタイル抜群のまいあちゃんは自分を前に押し出す方法を研究してね。峰里ちゃんはくるくる変わる表情が豊かで可愛いです。☆
96期並びで、宙組での私の推しの和希そらを取り上げておくと、いい役者に育っているなぁと思う。『ハッスル・メイツ!』では良い男役なったと思ったけれど、WSSでのアニータ(私は未見)の評判を鑑みても、根の素直さで役に向き合って飛翔していくタイプなのかなと思う。親の評判の高さ(スリだけれどね!)を重く感じ、自分を見出そうとするライナスもハマっていた。
和希は新人公演主演を努めている。新公主演者は、組のスターとしてメインキャストを担っていく、義務と言っても過言ではない責務がある。和希もがんばってほしい。
そして今回、長らくその責務を果たしてきた、澄輝さやとと蒼羽りくが退団する。スターとして芸だけでなく自分の性格とも向き合ってきた彼女達には感謝とねぎらいの思いしかない。幸せと楽しさをありがとう。これからの人生に幸多きことをお祈りしています。
まとまっているようでまとまってない気がするけれど、いいや。これで選挙(7/21第25回参議院議員通常選挙)とライブビューイングに行く。
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ダニーとラスティが集めた仲間達
- カリスマ詐欺師:ソール・ブルーム(寿つかさ)
- ディーラー:フランク・カットン(澄輝さやと)
- 元カジノ・オーナー:ルーベン・ティシュコフ(凛城きら)
- マジシャン:バシャー・ター(蒼羽 りく)
- 詐欺師の息子:ライナス・コールドウェル(和希 そら)
- ジャグラー:イエン(秋音 光)
- ハッカー:リヴィングストン・デル(瑠風 輝)
- 映像加工の達人:バージル・モロイ(優希 しおん)
- 映像加工の達人:ターク・モロイ(鷹翔 千空)
それに対抗するのはテリー・ベネディクトとその部下たち
- 秘書:ベス(愛白 もあ)
- ホテル支配人:テーラー(美月 悠)
- 顧問弁護士:チャールズ(星月 梨旺)
- ボディガード:ブルーザー(若翔 りつ)
- ボディガード:ボブ(希峰 かなた)
- ボディガード:ディック(真名瀬 みら)
クイーン・ダイアナ(純矢ちとせ)とその仲間たち
- ハロルド(春瀬 央季)
- エディ(実羚 淳)
- マイク(留依 蒔世)
- ルビー(3ジュエルズ)(瀬戸花 まり)
- サファイア(3ジュエルズ)(華妃 まいあ)
- エメラルド(3ジュエルズ)(天彩 峰里)
ラスティが常連のクラブ、エル・チョクロ
- リカルド(松風 輝)
- テレサ(花音 舞)
- ジョー(七生 眞希)
- ポーラ(遥羽 らら)
エコロジー・プロジェクトのウッズ夫妻
- アン・ウッズ(美風 舞良)
- ハリー・ウッズ(星吹 彩翔)