[Zuka] 星組トップコンビ退団会見とおまけ

5日に紅ゆずる・綺咲愛里コンビの退団が発表されて、6日に記者会見がありました。第三回台湾公演を成功させた立役者、105周年の幕開けを飾るお正月公演主演後の退団ですね。

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退団時期が同時(いわゆる添い遂げ)か、別々かというのはそれぞれで事情があるから、その時々で変わるのはある程度は仕方ないのだろうと思う。私は添い遂げにはそんなに拘っていないのですが、紅さんがあーちゃん(綺咲)をすごく可愛がっていて、あーちゃんは紅さんを頼りにして慕っているんだろうというのが、舞台から伝わってくる。

今のトップコンビで花組のみりおさん(明日海りお)とゆきちゃん(仙名彩世)だけは学年が近いけれど、学年が離れていると仲良くなるにも、それなりの工夫と努力が必要になると思うので、紅さんから近づいたんだろうなと。組み始めはジャン・ルイ・ファージョンくらいからなのかな。よく判ってない。

>【紅】宝塚で、結婚は綺咲愛里としましたので(朝日新聞デジタル)

OSOでは、あーちゃんのシャンティを妻にする七海ひろきのムケーシュですが、さゆみさんは舞台で一時的に貸してやるだけだぞくらいの余裕だったのでしょうか。それはムケ様が負けるわけだわ。

紅ゆずると綺咲愛里のコンビ結成から2年、とっても良いコンビになったというのが宝塚イズム38に書いた星組評でした。そのコンビもほぼ3年の5作で退団ですね。4月には紅ゆずるは研18、綺咲愛里は研10です。そう考えると長い間お疲れ様でした。ありがとうございますと思うけれど、さびしいです。

残るのは2番手の礼真琴。今公演で一気に自覚が進んだなと思っていましたが、更に加速するのでしょうか。琴ちゃんを見ていると、みりおさんやひろきさんからゆるほわ成分を分けてもらえばと思う時があるんですけれど、研10クラスの男役の皆様は、東京公演で研17と研16の男役をしっかり見て学んでおいて欲しいです。

紅ゆずる 退団記者会見

星組トップスター・紅ゆずる 退団記者会見 |  宝塚歌劇公式ホームページ

白の王子様仕様のさゆみさん。記者会見内容も紅ゆずるらしい、タカラヅカ愛と涙と笑いに満ちていたみたいですね。『霧深きエルベのほとり』のほとりでカール・シュナイダーを熱演するさゆみさんを見ていると、私が今ままでみた紅ゆずるの様々な役を思い出して仕方なかったので下記エントリを書きました。

[Zuka] 星組『霧深きエルベのほとり』(5)終~温故創作~

トップ就任2年目の昨年あたりから、さゆみさんがそれまで経験してきた多種多様な出来事を養分にして、トップスター紅ゆずる像を確立してきたように思えているのです。今作では超えてきた者の大きさと深みを感じました。退団が近いだろうとは思っていましたが、あんまり意識していませんでした。

退団公演の大劇場次回作は私の待望の小柳オリジナル作品ですが、『GOD OF STARS-食聖-』って、そりゃGODだけど、『食神』とか『少林サッカー』っぽいわけでしょ?超コメディじゃん、いいのそれ!?っていう。藤井先生のジェミニもそうだけれど、先生方、紅ゆずるを愛しすぎ。型を知って型を破る型破りジェンヌのものすごい唯一無二感。今日から東京公演千秋楽10月13日まで、星組トップスター紅ゆずるは、試行錯誤しながら進化を続けていくのでしょう。

千秋楽映像で「星組最高!さゆみさん、最高!」と叫んだひろきさんを見て、さゆみさんには感謝しかないです。ありがとうございます(立ち位置)。

あーちゃんを離さないで連れて行くんですね。止められないけれど、一気に退団で寂しい。あーさま。。

綺咲愛里 退団記者会見

星組トップ娘役・綺咲愛里 退団記者会見 | 宝塚歌劇公式ホームページ

あーちゃんの舞台は2012年の『宝塚ジャポニズム~序破急~』『めぐり会いは再び 2nd~Star Bride~』あたりから見ていて、2013年『南太平洋』でお人形のように可愛い娘役が黒塗りで登場して、それが真風涼帆のジョゼフ・ブーケの恋人リアットの綺咲愛里で、それが印象に残った初めです。

マリー・ルイーズ(眠らない男)やマリー(太陽王)、ブランシュ姫(アルカサル)などの、可愛さの中に強さを秘めた美しい姫役が似合う娘役さんと思っていました。その頃は、芝居がうまいというより、美貌と立ち姿の美しさが目についていた。

ひろきさんが星組に組替えして初めて出演した『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のヒロインであるブレンダ・ストロングは、等身大の役でハマっていて、私はとても好きだった。紅ゆずるのフランク・アバグネイル Jr.に恋し、結婚まで決意するブレンダが、フランクの正体を知って歌う「Fly, Fly, Away」が私を捉えた。キャッチ・ミーのNow ON Stageで、「こんな長い曲を一人で歌うのは初めてで」と不安そうなあーちゃんだったけれど、「Fly, Fly, Away」を歌うとブレンダの心情が反映され、声の震えやかすれさえもブレンダの切なさを伝えた。こんなお芝居をする人だったのね、というのがキャッチ・ミーでの収穫でした。桜華での竹下ヒサは土着に生きる女性のつらさを演じた綺咲愛里の新境地だったし、トップ娘役に就いてからの快進撃は論を待たず。10月13日まで応援したい星組の輝くトップ娘役です。

おまけ

ちなみに、よほど歌うのが好きな人は別だけれど、一般的には舞台でソロを歌わないと歌唱技術まで手が回らないのかなぁと思ったのも、あーちゃんが「こんな長い曲を一人で歌うのは初めて」と話した時で、私はそれから「歌わないと」「持ち歌」と七海ひろき向けに書いてきたのだった。

千秋楽の映像で、黒紋付きと緑の袴で大階段を下りて、カラーの花束を、紅・明日海のダブルさゆみから受け取り、挨拶する七海ひろきを見ながら、私はこの人のどこに恋したんだっけと思いました(ヲイ)。

私も宝塚を初めて観たとき恋に落ちて、七海ひろきが意中の人で、今も想い人なのですが、その人は日々更新して脱皮していくので、可愛さ成分とカッコいい成分の比率は7:3から3:7くらいに変化していて、それでも七海ひろきは七海ひろきなので構わないのですが、この先はどうなるんだろう。東京公演千秋楽は。

「こうもり」のお茶会のときだったか、ひろきさんがレオ・レオニ作の絵本『スイミー』を取り上げて、小さな黒い魚のスイミーのように「みんなの目になりたい」と話していて、かわいいなぁと思いましたが、星組の中でも上級生のタカラジェンヌがファンと同じサイズの魚じゃ困るんだよ!それでファンを守れるか!と内心で思ったのも事実で(可愛くないよごめんね)、大きくなれ大きくなれとつぶやき、お手紙にも書いたっけ。

千秋楽の出待ちで楽屋口から登場した七海ひろきは、みにくいアヒルの子が育ってみたらあらびっくりの白鳥でした。あ、星サギか白いサギ。黒紋付きに緑の袴で、白装束で泣くぴよぴよ達の前に立ち、笑顔で挨拶して自分の大きさに気づいたんじゃないでしょうか。『スイミー』は寓話としては良いお話で、ビジュアルもいいですね。

本拠地でのお正月公演、おつかれさまでした!!