[book] ふがいない僕は空を見た

同名映画の原作を読了した。【→映画の感想

鑑賞後、すぐに読み始めたので、つい映画と比較してしまうが、小説は映画よりエピソードが多く、心理描写や行動描写が詳細である。連作長編の形式が効果的で、わかりやすい。映画のように説明をギリギリまで削り、観客の想像に任せるという見せ方は、鑑賞後に感想を語りまくりたい衝動に駆られる。一方、原作のほうの著者が伝えたいテーマがはっきり伝わってくるすっきりした書きぶりも好みだ。どちらも、パワーがある。本作は映画と小説がそれぞれの長所を活かして、絶妙の効果を上げていると思う。

ただ映画では、場面転換でモノローグが挟まるのだが、モノローグの内容が抽象的で、誰が言っているのか、また何が言いたいのかさっぱり判らない。原作では、前後の関係が書かれているので、内容が判明した。すっきり。

“[book] ふがいない僕は空を見た” の続きを読む