『天河』の続きを書いていないのですが、宙組『WEST SIDE STORY』@梅芸の感想です。
様々な形で上演されている『WEST SIDE STORY』を宝塚歌劇で上演する意味…、それはやはり、美しいからだと思います。
初日から10日ぶりに2階から観劇して、こんなにも厳しい世界を描いているのに、こんなにも美しく仕上げられるのは宝塚歌劇ならでは、と思いました。底辺の社会の厳しさを、生々しくリアルに描くことと、フェアリー達が演じる夢の世界とは相反するように思えるけれど、フェアリー達が懸命に演じるからこそ、作り手達が『WEST SIDE STORY』を通して伝えたい想いが純化されていたように思います。
ただ、WSS初演の際は激しいダンスに怪我人が何人も出たという逸話があるそうですが、シャークスのフェンス越え(体操選手の演技のように美しく決まっていたけれど)など、女性と男性では筋肉量が違うので、彼女たちにここまで演じさせることが必要なのかとも思ったのも事実です。
けれども千秋楽は、オリジナルを踏襲した激しいダンス(男役向けに改変話されているそうですが)による抗争の表現や闘争心をかき立てられ、冷静になれと一致団結するジェッツの群舞”Cool”など、表現芸術の高みを目指す、宙組子の奮闘ぶりにやや泣きそうになって観ていました。怪我や故障がなければいいのですが。
宝塚歌劇では4度目の再演で、宙組では1月の国際フォーラム以来の2度目の公演ですが、国際フォーラム版は観ていないので、梅芸版を観れたのは幸せでした。
大千秋楽(8/9)おめでとうございます。