[Zuka] 宙組『WEST SIDE STORY』~彼らの居る場所

『天河』の続きを書いていないのですが、宙組『WEST SIDE STORY』@梅芸の感想です。

様々な形で上演されている『WEST SIDE STORY』を宝塚歌劇で上演する意味…、それはやはり、美しいからだと思います。

初日から10日ぶりに2階から観劇して、こんなにも厳しい世界を描いているのに、こんなにも美しく仕上げられるのは宝塚歌劇ならでは、と思いました。底辺の社会の厳しさを、生々しくリアルに描くことと、フェアリー達が演じる夢の世界とは相反するように思えるけれど、フェアリー達が懸命に演じるからこそ、作り手達が『WEST SIDE STORY』を通して伝えたい想いが純化されていたように思います。

ただ、WSS初演の際は激しいダンスに怪我人が何人も出たという逸話があるそうですが、シャークスのフェンス越え(体操選手の演技のように美しく決まっていたけれど)など、女性と男性では筋肉量が違うので、彼女たちにここまで演じさせることが必要なのかとも思ったのも事実です。

けれども千秋楽は、オリジナルを踏襲した激しいダンス(男役向けに改変話されているそうですが)による抗争の表現や闘争心をかき立てられ、冷静になれと一致団結するジェッツの群舞”Cool”など、表現芸術の高みを目指す、宙組子の奮闘ぶりにやや泣きそうになって観ていました。怪我や故障がなければいいのですが。

宝塚歌劇では4度目の再演で、宙組では1月の国際フォーラム以来の2度目の公演ですが、国際フォーラム版は観ていないので、梅芸版を観れたのは幸せでした。

大千秋楽(8/9)おめでとうございます。

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[Zuka] 月組~誰の為に踊らされているのか?~

月組 次期トップ娘役について

2018/07/26

この度、月組次期トップ娘役に、美園さくらが決定しましたのでお知らせいたします。

なお、新トップ娘役としてのお披露目公演は、2019年1月6日に初日を迎える月組東京国際フォーラム公演『ON THE TOWN(オン・ザ・タウン)』となります。

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[Zuka] 七海ひろきDS『Dearest』と『New Wave! 星』

星組千秋楽おめでとうございます。記事は別に書きますけれど、東京宝塚劇場で千秋楽を観劇して、零時過ぎに帰宅しまして、書く暇が無く遠征に出てしまったので、記載しておかねばとブログを書き始めました。

7月20日(金)に公式から衝撃的なお知らせがありました。

構成・演出:三木 章雄先生で、
七海ひろきディナーショー『Dearest』開催

かいちゃんがディナーショーを?それも三木先生ががががが?

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[Zuka] 星組『ANOTHER WORLD』(4)ありがたや、なんまいだ

『ANOTHER WORLD』で使われている約30曲の作曲を担当された吉崎先生の記事が徳島新聞に出ています。『ANOTHER WORLD』の曲はどれも好きで、BDの発売(7/20)が楽しみです。

落語題材の宝塚ミュージカル 𠮷﨑さん(徳島市出身)全30曲を作曲 22日まで都内で公演|徳島新聞

宝塚歌劇団の𠮷﨑憲治さん(84)=徳島市出身=が作曲を手掛けたミュージカル「アナザーワールド」が東京宝塚劇場(東京・有楽町)で開かれている。(中略)。𠮷﨑さんは、主題歌「アナザーワールド」や挿入歌、約30曲の作曲を1人で手掛けた。ラテン、マーチなど曲調はさまざま。初めて挑戦した演歌風の曲もある。フィナーレなどで歌われる「ありがたや、なんまいだ」は阿波踊りをイメージしたという。

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[Zuka] 雪組『凱旋門』(2)~自由を信じて

雪組大劇場公演、千秋楽(7/9)おめでとうございます。 地震、大雨とアクシデントに見舞われた公演でしたが、怪我や病気での休演者がなく、無事に千秋楽を迎えられたこと、お祝い申し上げます。

お疲れ様でした。東京公演までしばしの休養を。

叶海 世奈様、桜良 花嵐様、ご卒業おめでとうございます。東京宝塚劇場公演千秋楽(2018年9月2日)まで舞台で輝き続けてください。

大河 そあ様(2018年4月20日付で退団)、ご卒業おめでとうございます。第二の人生が楽しいものでありますように。

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[Zuka] 月組『愛聖女-Sainte♡d’Amour-』

キューティーステージ

『愛聖女(サントダムール)-Sainte♡d’Amour-』
作・演出/齋藤 吉正
『愛聖女-Sainte♡d’Amour-』幕

チケット難で、バウホール公演なのにライブ中継が千秋楽の明日(7/7)予定されている、月組トップ娘役・愛希れいかの主演公演。観れることになってめちゃめちゃ楽しみにしていたのでしたが、良い作品でした。ハチャメチャっぷり、とんでもぶりが、まさしくサイトーの犯行でしたが、ちゃぴ様の愛されっぷりも感じて、感謝感激です。

こんなにオンナノコへのエールを感じた作品は珍しいかも。演じるちゃぴ様と月組子は今までにない体験だったかもしれませんが、出演できた娘役は逞しくなったと思うし、男役はみんな騎士道精神を任じられてより頼もしく!

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[Zuka] 雪組『凱旋門』~2人のラヴィック

雪組『凱旋門-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-』、本公演と6/26(火)に行われてた新人公演と合わせての感想です。

【本公演】

脚本/柴田 侑宏
演出・振付/謝 珠栄
【新人公演】

演出/上田久美子

舞台は1928年のパリ。ヨーロッパでは、ドイツやイタリアにおけるファシズムの台頭により、パリには多くの亡命者が逃げ込んできていた。ドイツからパリに亡命してきている外科医ラヴィック(轟 悠)は、イタリアからの移民で、身寄りの無い、ジョアン・マヅー(真彩 希帆)と出会う。ラヴィックと女優志望で歌手のジョアンは愛し合うようになるが、亡命者であるラヴィックはパスポートや身分証明書を持たず、亡命者向けのホテルに隠れるように住み、モグリの医者として生きるしかなく、ジョアンが部屋を借りて一緒に住みたいと望んでも叶えることが出来なかった。

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