雪組大劇場公演、千秋楽(7/9)おめでとうございます。 地震、大雨とアクシデントに見舞われた公演でしたが、怪我や病気での休演者がなく、無事に千秋楽を迎えられたこと、お祝い申し上げます。
お疲れ様でした。東京公演までしばしの休養を。
叶海 世奈様、桜良 花嵐様、ご卒業おめでとうございます。東京宝塚劇場公演千秋楽(2018年9月2日)まで舞台で輝き続けてください。
大河 そあ様(2018年4月20日付で退団)、ご卒業おめでとうございます。第二の人生が楽しいものでありますように。
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『凱旋門』感想の続きです。
ここのところ、お芝居の最後に死者がせり舞台に乗って、せりあがってくるという演出を続けて見ました。
- 宙組『天は赤い河のほとり』
- ザナンザ(桜木みなと)、シュバス(瑠風 輝)、ゾラ(優希 しおん)、シュッピルリウマ1世(寿 つかさ)。
- 裏切者と彼らに殺された人という組み合わせでみんな笑顔でせりあがる。シュバスとゾラは暗示はとけたんでしょうか。
- 星組『ANOTHER WORLD』
- 徳三郎(礼 真琴)、艶冶(音波 みのり)、阿漕(夢妃 杏瑠)、染次(紫 りら)、蔦吉(白鳥 ゆりや)、初音(有沙 瞳)、菊奴(小桜 ほのか)。
- 徳さんが女性陣に囲まれて歌っているのだけれど、喜六はん(七海ひろき)も一八(ひろ香 祐)も乗ってないし、徳さんモテモテ図と見るたびに思う。
- 雪組『凱旋門』新人公演 ←NEW!!
- ジョアン(潤花)とローゼンフェルト(陽向春輝)ら、収容所に行った人たち
- 本公演とは異なる演出でした。ちょっと真似てみたいというチャレンジ精神なのかな。
- 収容所に行った亡命者達の行く末は本公演では明かされていないのですけれど、新人公演では察しろよということでしょうか。
- その前にラヴィックが「戦争が終わったら、また会おう」とボリスに言い、ボリスは「密かな望み 自由を信じて 人は生きる」と歌っている。私は本公演のその流れを愛していたので、新人公演のラストには情感を絶ちきられた気分になりましたが、あいかわらずうえだくみこですねともおもいましたまったくもう。
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新人公演後の本公演を観劇したところ、アンリ(彩風咲奈)が危なくなくなっていて、変えてきたなと思いました。新人公演前は手に入らないものは我慢が出来ない、プライドの高さゆえに切れやすいみたいな危ない人に見えていたのが、新人公演以後は、ジョアンへの憧れと慈しみ、喪う衝撃と落胆ゆえの衝動と感情の流れを変えてきたように見えた。そういう所、咲ちゃんは本当にうまい。
ラヴィックの友人で医師のヴェーベル役の彩凪翔は、芝居が深くなっていました。ケート・ヘグシュトレーム(沙月 愛奈)を見送った後のラヴィックへの気遣いやヨーロッパに広がるファシズムへの憂慮など知的さを感じさせ、秘密警察のアべール(桜路 薫)の手術依頼をしてくる病院長デュラン(透真 かずき)との価格交渉をラヴィックに勧めたりする気の利かせ方とデュランへの憤りなど端々に人柄を感じさせる。
新人公演でのアンリ役眞ノ宮るい(100期)の演技は売れっ子俳優の自信とジョアンへの独占欲みたいなものが見えたような気がしますが、やや曖昧。新公でのヴェーベル役の星加 梨杏(100期)はビジュアルは良かったのですが、銀縁メガネは時として冷たさも感じさせるので、芝居で暖かみを強調したいところ。新公での野々花 ひまりのケート役は本役の沙月 愛奈ほどのゴージャスさや別れの哀愁は感じられないものの、すっきりとした上品な立ち姿で上流階級のレディであることが一目で分かりました。
97期が新公を卒業したためか、大役経験のあるメインキャスト以外は割と曖昧な作りで、もうちょい深めたい。新公ではやり過ぎくらいでも良いのかも(バランスを崩すこともあるんですが)。
それは新公でオテル・アンテルナショナールに宿泊する亡命者達全員に感じました。亡命者達は『凱旋門』を象徴する存在で、代表者がラヴィックだと思うのです。本公演で亡命者を演じるキャスト達↓の存在感の強さを新公で出せるとは思わないですが、亡命者達は『凱旋門』の看板を背負っていると思った方が良いです。
本公演で亡命者を演じるのって、新公主演経験者と雪組職人を集めているのでスゴツヨなんだよ。
- ボリス:望海風斗
- ゴールドベルク夫妻:真那春人+朝月 希和
- ビンダー夫妻と息子オットー:久城あす+早花 まこ+潤 花
- マルクス・マイヤー:煌羽レオ
- ハイメ・アルヴァレス+ユリア:朝美 絢、彩 みちる
- ローゼンフェルト:永久輝 せあ
- ヴィーゼンホーフ:縣千
この中でいうと、ユリア(彩みちる)はもっと存在感を発揮しても良い気がしてます。『ひかりふる路』のハッチさん(夏美よう)のお茶会でみちるちゃんが2番手娘役だと思っているというお話だったので、そういう目で見てしまうのですが、抑え気味?ハイメの存在感が強いので一緒にいるユリアは視線が集まる役だと思います。
ひらめちゃん(朝月 希和)のゴールドベルク夫人の華やかさはさすがだと思います。新公でのりさちゃん(星南のぞみ)は歌の情感がいまいち。
病院長デュラン(新公:汐聖 風美)とか、秘密警察のアべール(新公:麻斗 海伶)も、本役は有能な雪組職人なので出番が少なくても印象が強烈なのですが、新公で曖昧だと記憶から流出が早いんです。
多分、続く。