[Zuka] 2013年月組『THE MERRY WIDOW』(2)

月組『THE MERRY WIDOW』は、主演の専科・北翔 海莉を星条 海斗と凪七 瑠海が支えるというピラミッドがしっかりしていて、娘役もみんなそれぞれに個性を発揮していて、下級生達も伸び伸びしていた。

2013年月組『THE MERRY WIDOW』(1)

ダニロ@北翔 海莉は、ポンテヴェドロ王国からパリに赴任し、いきつけであるパリのキャバレー・マキシムに向かう。♪さあ♪ 行こう♪ マキシム♪ 夢の世界 ♫ロロ ドド ジュジュ ♫フルフル クロクロ マルゴー!

Maxim’sの歌には、踊り子達の名前が、リズミカルに入っていている。最初はフランス語?と思ったのだが、パンフレットを見てパリ娘達の名前だと気付いた。【→カタカナで歌うオペラ・アリア】 マキシムでは、ボーイと踊り子達のカンカンが賑やかに華やかに繰り広げられている。カンカンのBGMは、誰でも一度は聞いたことがあるであろうジャック・オッフェンバックの「天国と地獄のギャロップ」【→Youtube】。跳んだり跳ねたり、側転前転、リフトに足あげ。躍動感が溢れていて楽しい!! 踊り子たちの衣装は胸元に黄色のリボン飾りを施した白い上衣に、青いスカート。たっぷりのふりふりペチコート。めっちゃ愛らしかった。※

マキシムメンバー
ボーイ達:マヌー(貴千 碧)・ジロー(隼海 惺)・チボー(朝美 絢)・トニー(夢奈 瑠音)・ルノー(蓮 つかさ)
踊り子達: ロロ(玲実 くれあ)・クロクロ(風凛 水花)・ドド(楓 ゆき)・マルゴ(叶羽 時)・ジュジュ(桜奈 あい)・フルフル(海乃 美月)

ダニロは、マキシムで失恋で傷心の吟遊詩カミーユに再会する。カミーユ@凪七 瑠海の恋人だったヴァランシエンヌ@琴音 和葉は、ツェータ男爵@星条 海斗と結婚してしまったのだ!

登場時のカミーユは、シリアスモードで、「セーヌ川よ!セーヌ川の流れは涸れるか、いいや!!セーヌ川に涙は流れる。僕の命にも毒がまわる」とかなんとか大声でハートブレイク・ポエムを詠んで、浸っているので、マキシムメンバーは引き気味だった。が、客席からは笑い声が起こっていた。いやそのなんだか、バラ一輪を口に咥えていてもおかしくないナルシストくんに見えたんだよ、すまん(笑)。

凪七 瑠海の演じたカミーユは、貴族に召し抱えられている吟遊詩人という立場でありながら、男爵夫人となったヴァランシエンヌ@琴音にモーションかける役なので下手すると悪役なのだが、もっぱら歌担当で、受動的で静的な役に徹していたのが、返って印象を良くしていた。凪七の歌と感情表現力はアップしていて、深みのある歌声に聞き惚れた。

ヴァランシエンヌ@琴音と結婚したツェータ男爵の星条 海斗はナイスな演技だった。ヴァランシエンヌに「あなた」と呼ばれて、「あ・な・た!この世に生を受けて58年。初めて言われた」、「聞ぃいたかー、」と身もだえするツェータ男爵は58歳で20代前半(多分)のヴァランシエンヌと結婚できて有頂天‹‹\(´ω` )/›› ‹‹\\(  ´)/›› ‹‹\\( ´ω`)/››~♪ な感じが良く出ていた。

星条 海斗は、凪七のカミーユとは対照的に動的でコミカルな役柄に徹していたが、押したり引いたりの切り替えが発揮されていて秀逸な演じっぷり。(余計ですが、「あ・な・た」は流行語大賞を受賞したアレのパロディかな)。

ダニロの昔の恋人であるハンナ・グラヴァリ@咲妃みゆは、借金のカタに嫁いだ先で夫が急逝し、平民から一躍、大金持ちの当主になってしまった。パリに到着したハンナ@咲妃は、デコラティブな赤い帽子と豪奢な真紅のドレスを身につけ、「パリの暮らしにまだ馴れていない私なの」、「そんなに親切にしてくれるのは、私にお金があるから?」といたずらっぽく歌いながら登場する。そしてあっという間に男性たちに取り囲まれてしまうのだが、軽くいなし、ダニロ@北翔とも丁々発止を交わす。咲妃みゆは、娘役独特の品の良さをベースにした聡明で気っぷの良いハンナを演じ、周囲を圧倒するオーラを発揮していた。

続くのですが、明日から東京公演なのでどうしても感想を書いておきたいこのメンバー。

  • ツェータ男爵の新妻で、カミーユの思い人であるヴァランシエンヌに琴音 和葉。かわいいかわいい愛らしい。ツェータ男爵とカミーユがめろめろなのも、よくわかる。
  • ベルギー大使のラウール・ド・サン=ブリオッシュ@紫門 ゆりやとスペイン大使のカスカーダ子爵@煌月 爽矢は、ハモりまくりの似たもの同士になっていて、めっちゃ良い味出していた。GJ!