[diary] COVID-19パンデミック雑記(34)新型コロナワクチンの副反応報告(1)

Cumulative COVID-19 vaccination doses administered per 100 people

【グラフの引用元】Coronavirus (COVID-19) Vaccinations
https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン接種が最も進んでいる国はイスラエル、ついでイギリスです。そのイスラエルとイギリスで、新型コロナワクチンの安全性について報告が出ています。

ワクチン接種が先行して進んでいる国々から安全性について報告があるというのはありがたいことだと思います。日本も2月中旬頃から医療従事者の接種を開始するそうです。関係各位のご尽力に頭が下がります。緊急事態宣言が延長されましたが、ここが踏ん張りどころですね。可能な限り感染予防に努めて、ワクチン接種に備えるようにしたいものです。

感染予防のために

マスク着用、こまめな手洗い/手指消毒、ソーシャル・ディスタンス、ノーマスクでの会話(会食等)による飛沫の回避、三密の回避を行いつつ、積極的にワクチンを受けることです。


イスラエルでの新型コロナワクチン副反応報告

イスラエルは、アメリカの大手製薬企業ファイザーがドイツの医薬品企業ビオンテックと共同開発したmRNAワクチンを中心に使っています。当該mRNAワクチンは、2回の接種が必要です。

イスラエルは、2回の接種が必要な米製薬大手ファイザー社のワクチン接種を昨年12月20日に開始した。
ワクチン接種「最速の国」イスラエル その秘密は「世界の実験室」2021年1月30日 – 毎日新聞 

 

イスラエル政府による先月27日までに接種した人の副反応のまとめです。

1回目を接種した276万8200人のうち、副反応があったのは6575人で、割合にして0.24%だったということです。

2回目では137万7827人のうち、報告は3592人と、割合にして0.26%だったとしています。

 

副反応として挙げられているのは、痛みや腫れなどの一時的なものが多かったとのことですが、入院が必要なケースもわずかながらあったようです。また若い人や女性で副反応が出やすい傾向にあったと指摘されています。

入院が必要になったのは100万人に対し、1回目で17人、2回目でおよそ3人だったということです。

ワクチンの副反応割合は0.24% 国民約3割接種のイスラエル 2021年2月3日 | NHKニュース


イギリスでの新型コロナワクチン副反応報告

英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が、1月24日までに行われた新型コロナワクチンの安全性について定期報告を行っています。

イギリスでは、米ファイザー・独ビオンテック製と、英アストラゼネカ・英オックスフォード大製の2種類の新型コロナワクチンが使われています。両方とも2回接種が必要です。

約740万回の接種で副反応が疑われた症状は2万2820件あり、1千回におよそ3件。アナフィラキシーなど深刻なアレルギー反応は114件で、10万回に1~2件の割合だったと明らかにした。

報告された主な副反応は注射した場所の痛みや頭痛、悪寒、疲労感、吐き気などで、治験でも確認されたものだったという。

ワクチン副反応、英国で0.3%報告 接種740万回で:2021年2月6日 朝日新聞デジタル

 

主な副反応は接種部位の痛みや頭痛、悪寒、疲労感、吐き気など。重篤な副反応は少ないです。

MHRAは、「ワクチンの安全性は高く、メリットはリスクを上回る」と結論づけたとのこと。


アナフィラキシーとは

新型コロナワクチンの深刻な副反応とされているのはアナフィラキシー。

アナフィラキシーとは、日本アレルギー学会の定義(アナフィラキシーガイドラインPDF)によると、

アナフィラキシーとは、「アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応」をいう。

「アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合」をアナフィラキシーショックという。

アナフィラキシーとは、アレルゲン等の侵入によって、急速(数分~数時間以内)に、発疹(じんましん)や口唇の腫脹などの皮膚・粘膜症状、呼吸困難などの呼吸器症状や血圧低下などの循環器症状を引き起こすもの。

アナフィラキシーのうち、血圧が下がってショック状態に陥った状態をアナフィラキシーショックというそうです。


アナフィラキシーへの対応

私は花粉症持ちで、数年に1回じんま疹を体験してます。ストレスや疲労が重なると出るんですね。新型コロナワクチンを接種できるでしょうか。

厚生労働省の「新型コロナワクチンについてのQ&A」(2021年2月4日更新)を見てみました。現時点での知見を簡潔にまとめてあり、わかりやすいです。

Q4-3 海外では、アレルギーのある人は接種を受けていますか。アレルギーのある人は副反応が起きやすいのですか。

米国の疾病予防管理局(CDC)は、他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのある方も、新型コロナワクチンの接種が可能としています。 一方、過去に新型コロナワクチンに対して、アナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こした方や、同ワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG)やポリソルベート(※)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨していません。

(※)ポリエチレングリコールは、一般に、大腸検査の下剤や薬剤などを溶かす際に用いられます。また、ポリソルベートは、乳化剤として、様々な食品に用いられています。

米国では
・重いアレルギー反応を起こしたことがある人や、ワクチンや注射で何らかの即時型アレルギー反応を起こしたことがある人は、ワクチン接種後少なくとも30分間
・それ以外の人は、ワクチン接種後少なくとも15分間
アナフィラキシーなどの有無を観察することが推奨されています。

(後略)


新型コロナワクチン接種時にアレルギー反応を起こすのは、ワクチンに含まれる添加剤ポリエチレングリコール(PEG)やポリソルベートだと考えられているようです。

  • ポリエチレングリコール(PEG)は安定化剤や結着剤などの用途で医薬品用添加剤として使用されている。
  • ポリソルベートは乳化剤や可溶化剤など用途で食品添加物や化粧品などに医薬部外品として幅広く用いられている。

かかりつけ医やワクチン接種の問診時に確認を

私はインフルエンザワクチンや各種の予防接種でアレルギー反応を起こしたことはないので、新型コロナワクチンの接種も可能だと思いますけど、問診票に花粉症は書きます。

日常的にアレルギー持ちの方は、事前にかかりつけ医やワクチン接種の問診の際に確認をしたほうがいいでしょうね。日本でもワクチン接種後は一定時間(15分~30分間)、医師や看護師のいる会場で様子を見て、アナフィラキシーを起こした場合は適切な対応ができるように体制を整えるそうです。

とりあえず「ワクチンの副反応について簡単に調べてみました」。以上