[Zuka] 花組『はいからさんが通る』大劇場千秋楽

9月3日大劇場

9月5日、花組大劇場公演『はいからさんが通る』千秋楽おめでとうございました。柚香光様&華優希様、トップコンビ大劇お披露目おめでとうございます。花組の皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。東京公演まで1ヶ月ほどありますが、少し緊張をほぐして、リラックスできますように。体調管理はおこたりなく。

東京公演も演奏は録音ですね。オーケストラ表が空白なのが寂しかったです。生演奏が復活する日が早く来ることを願っています。


紅緒(華優希)の気合の入った第一声

再開初日の9月3日11時公演はたまたま一般で確保しておいたB席でした。7月31日に観劇して以来の宝塚大劇場。再開おめでとう。千秋楽は配信で見ました。

サーモグラフィーで検温し、36.5度。手指に噴霧したアルコール消毒液を手のひらと甲になじませる。係員はマスクにフェースガード着用。お疲れ様です。友の会の会員証で入場するので発券はせずに劇場入り口に向かう。

座席に着席して開演を待つ。柚香光による開演アナウンスに涙ぐみそうになる。

場内が暗くなり、紅緒(華優希)の声が劇場内に響き渡る。

「えーっい、めぇえん、いっぽん!」

その声が、緊張がみなぎっている観客席の2階までクリアに届いた。

でかした、華優希

8月2日から丸1ヶ月の休演。延びに延びた花組トップコンビ大劇場お披露目公演である。落ち込んでないか、花組子の士気が心配だった。それがヒロイン花村紅緒(華優希)の第一声で吹き飛んだ。いざという時に発揮される華優希の度胸のよさ。私が軸になって支えなきゃ!という自立心が紅緒と重なった。

ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』公式
原作/大和 和紀「はいからさんが通る」(講談社KCDXデザート),(c)大和 和紀/講談社
脚本・演出/小柳 奈穂子


はいからさんの大正浪漫恋歌

紅緒が竹刀を振り上げて藤枝蘭丸(聖乃あすか)に詰め寄る。蘭丸が逃げ回る。紅緒の父、政次郎(冴月 瑠那)とばあや(真鳳 つぐみ)が止めに入る。

子どもたちが遊ぶわきを袴姿で自転車に乗った紅緒が出かけていく。

そして高屋敷要(永久輝せあ)が、伊集院忍少尉と彼の愛したはいからさんの物語が始まることを告げる。

登場人物たちが勢揃いし、大正浪漫恋歌を大合唱するプロローグに突入。「大正浪漫恋歌」は名曲だと思う。宝塚のキャスト勢揃い、怒涛のプロローグが好きだ。人数は減っているけれど、それでも楽しい。

小石川の大正7年4月の風の強い日、大日本帝国陸軍の軍服を着て、黄色いバラの花束を持った伊集院忍少尉(柚香光)は、自転車に乗って盛大にころんだ紅緒に出会う。

良かった、始まったね。9月3日の11時公演から千秋楽まで、残る大劇場公演は5回。花組が全力で演じる「はいからさんが通る」の世界が始まった。

正直なところ、7月31日の観劇時よりもこの日のほうが組子の熱を感じた。1ヶ月間の休演の間に溜め込んだエネルギーを舞台で生きることにつぎ込んでいる。特にトップスター柚香光は必死だったように思う。伊集院忍少尉は、涼やかで優しい笑い顔を自転車のサドルだけ持った紅緒に向けていたが、その熱い心は2幕に入ってどんどんヒートアップしていった。

親同士の決めた許嫁である忍と紅緒だったが、紅緒は「時代遅れ」「ラブ抜きの結婚」と反発する。紅緒は帝国軍人の一人娘で女学院に通う、進歩的な「はいからさん」なのだ。

👉明治42年に演歌師・神長瞭月が発表した「ハイカラソング」を聞くと、「黒髪にさしたるリボン」「紫袴がサーラサーラ」という歌詞があって、これが「はいからさん」の元ネタっぽいですね。【ハイカラ節(神長瞭月)Youtube】【解解説:ハイカラソング

ドイツ人の母と日本人の父の間に生まれた忍は、金茶の髪色に堀の深い目鼻立ちで整った顔立ちの長身の美男子で社交界でも人気がある。紅緒の女学院の同級生である環(音くり寿)や芸者の花乃屋 吉次(朝月希和)も忍に好意を寄せており、紅緒はなんとか結婚を免れようとするが、忍は取り合わずに紅緒に笑顔を向ける。

花嫁修業中に粗相を繰り返しながらも伊集院家に馴染んでいく紅緒。ところが忍が上司の印念中佐(優波慧)の恨みを買い、小倉に転属になってしまう。

印念中佐を直接怒らせたのは紅緒だったが、その紅緒をかばった忍を印念中佐は以前から快く思っていなかったのだ。

うろたえる紅緒に、忍は「あなたの受けた運命を、僕も一緒に生きていく」と告げる。紅緒は忍がなぜ自分にそこまで熱心に求愛するのかが理解できずに、小倉への転属命令を受けた忍に素直になれないまま別離の時を迎える。

続く。