[Zuka] 雪組梅芸公演『炎のボレロ』『Music Revolution』(1)

彩風咲奈様、次期トップスター決定おめでとうございます。次期トップ娘役には朝月希和ちゃん!おめでとうございます。2人のコンビはショーの印象が強いですね。『Gato Bonito!!』の歌う猫(彩風)とピアノを引くピンク猫(朝月)がかわいかった。上級生コンビ応援しています。
(2020/09/04)雪組 次期トップスター、トップ娘役について

雪組公演@梅芸を観劇(9/1)。かばんにツイリーと七海ひろきグッズをセット

雪組公演 『炎のボレロ』『Music Revolution! -New Spirit-』は新型コロナウイルス感染拡大防止のため当初の全国ツアーから、梅田芸術劇場メインホールのみでの公演、さらに17日初日から8月29日初日への振替公演となりました。宝塚歌劇団、梅田芸術劇場、出演者、スタッフ関係者の多大な尽力の賜物と思います。中止だけはなんとしても回避して頂きたかったので、振替公演の幕が上がったことに感謝の念が堪えません。9月6日の千秋楽を大過なく迎えられますよう。

花組も再開(9月3日)おめでとうございます。3日11時公演の感想は後日。それぞれ柚香光の必死感、華優希の自立心、瀬戸かずやの責任感、朝月希和の克己心という印象でした。明日の千秋楽までひとがんばりですね!


ミュージカル・ロマン『炎のボレロ』【公式】
作/柴田 侑宏,演出/中村 暁

1988年、宝塚大劇場において星組トップスター・日向薫のお披露目公演として初演。32年ぶりの再演だそうです。

お披露目公演というのもあるのか、変革の中核になり、恋も成就という主人公らしい主人公。主演男役とヒロイン、2番手が明確に存在し、メキシコにおけるフランス干渉戦争という世界観の中で、シンプルな人間関係の恋物語を紡いでいます。今回の再演ではお衣装が刷新され、メイクや髪型、演技、振付や音楽も現代的に調整されて、見やすかったです。


[あらすじ]

1963年、メキシコにはフランスのナポレオン3世の意向を受けた、マクシミリアン1世を皇帝に抱くメキシコ帝政が敷かれた。

大農園主カザルス家の次男アルベルト・カザルス(彩風 咲奈)は、炎のように情熱的で自分の心の正義に従って行動する青年貴族。メキシコので諸国遊学に出ている間に家族をフランス本国からメキシコに乗り込んできたブラッスール公爵(久城あす)によって殺される。

復讐のために帰国したアルベルトは、朗らかで美しく自由奔放な貴族令嬢カテリーナ・ドロレス(潤花)と出会い、恋に落ちる。カテリーナはフランス側に協力したメキシコ貴族ドロレス伯爵(奏乃 はると)の娘で、ブラッスール公爵の息子ローラン(叶ゆうり)に求婚されていた。

敵対勢力フランス軍の情報部大尉ジェラール・クレマン(朝美絢)はカザルス家の次男アルベルトを危険分子として追っており、2人は街の酒場で顔を合わせる。


情熱のラテン・ファンタジー

クラシカルで由緒正しい、物語の導入部となるプロローグのラテン・ファンタジー。振付は全場面をANJU(安寿 ミラ)氏担当しており、キレよく現代的になっていて、プロローグのアルベルト、カテリーナ、ジェラール、モニカの見せ場がかっこよかった。

幕があき、真っ白な衣装を着てハットを構えたアルベルト(彩風咲奈)がひとり歌い踊りだす。彩風咲奈がソロで踊るのを見るたびに、この人は踊りで語る人だなと思う。役柄にもよるが、彩風は何か思いをうちに秘めた演技が目を引く。けれど踊りだすと雄弁になる。『CAPTAIN NEMO』のときもそうだった。

今作でも長い休演の日々を吹っ切るかのように、マグマのように熱くたぎる情熱を放出しながら、踊っている。宝塚には他にも優れたダンサーはいるが、スケール大きく訴えかける力を彩風の踊りに感じる。次期トップスターが決まり、その力は更に高まっていくのだろう。

彩風のアルベルトが踊る舞台に、階段上から現れる潤花のカテリーナ。こちらも真っ白なドレスである。彩風とは『ハリウッド・ゴシップ』に続き、二度目のコンビだが、9月7日付で宙組へ組替えが決まっている。潤花は『ハリウッド・ゴシップ』から更に演技力が向上した。カテリーナの感情をメリハリをつけて積極的に演じている。プレッシャーから解き放たれたのかな。物怖じせず見知らぬ男性に積極的に話しかけていくカテリーナだが、宮廷に呼び出されると、眉根を寄せ眉間にシワを作り、扇で顔を隠す。オーバーアクションで仮病のわざとらしさを出す姿がキュートだった。宙組でも頑張ってほしい。

プロローグでは、2人のデュエットのあとに、燃え上がるような炎のように赤いドレスの娘役達が現れて、ベサメ・ムーチョに乗せて、全身白のアルベルトを取り囲んで踊る。白いドレスの潤花の踊りがキレよく、やはり目を引く。そして青い軍服を着たジェラール(朝美絢)が現れ、アルベルトと交差する。赤いドレスのモニカ(彩みちる)もジェラールと踊る。

朝美ジェラールはフランス軍の任務を全うしようとする軍人でありながらも宮廷政治にはニヒルな目を向けるあたりが小気味いい設定です。ジェラールのモニカへのツンデレぶりとキスやボディタッチの女たらし手練手管の小技が絶好調。彩のモニカはジェラールの身を心配し、世話を焼く。いじらしい。ジェラールはモニカを突き放すが、尽くす女を見捨てられない、という。主役コンビの真っ直ぐな恋とこの2人の情熱的な恋。両タイプ用意するあたり、柴田作品さすが心得てるなと思わされました。そしてキャスティングよし。


『Music Revolution』は別記事にします。楽しかった。席が半分空いていて、後ろの席に人がいないのをいい事にノリノリで手拍子してました。