[Zuka] 星組『GOD OF STARS-食聖-』(2)ひとつの夢の完結

紅 ゆずる・綺咲愛里の星組トップコンビの退団公演となる星組大劇場公演千秋楽おめでとうございます。

紅さん、あーちゃん(綺咲)、れんれん(如月蓮)、まおくん(麻央 侑希)、りらんちゃん(蓮月 りらん)、ご卒業おめでとうございます。

5月28日付け退団の音佳 りまちゃんもご卒業おめでとうございます。

星組の皆様、スタッフの皆様、千秋楽おめでとうございます。素敵な公演をありがとうございました。ほんとに幸せで、泣き笑いの公演でした。ありがとう。

東京公演まで、わずかな休養期間ですが、体と心のメンテナンスができますように。紅さんのディナーショー、あーちゃんのミュージックサロン出演者の皆様は、がんばってくださいませ。

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[Zuka] 星組『GOD OF STARS-食聖-』(1)完全なる当て書き 

続き。

魔界の王子・紅孩児(紅ゆずる)が、「残念ながら、俺様はスターだ!日が隠れようが、月が隠れようが俺様の輝きは増すばかりだっ!」と叫び、日光菩薩(漣 レイラ)と月光菩薩(ひろ香祐)と軍勢を吹き飛ばしてしまう。

出だしから、私は胸がすっとした。あー発散!!

吹き飛ばされるかなえさん(←役名で言え)とひーろー(←役名で言え)と兵たちには申し訳ないが、紅さん(←たぶん役名)の無双の強さがここで明らかにされて、ほんっと開放感があった!!

なぜなら凜雪鴉は剣を取らなかったし、カールは辛抱役で泣きぬれているし、いやさ、なんだかね。いいね、楽しいね。

紅孩児のホン・シンシンは表情豊かで大口開けているときもあるけれど、口を閉じてシリアスでいる時は超端正で美しい。ホン・シンシンが傲慢で威張りん坊に見えても、奥底に秘めている端正が顔に出るから、最後には観世音菩に許されるわけですね。

小柳先生、ありがとう!!素晴らしい当て書き!!

そしてEclair Brillant。

ボレロと、黒燕尾。すそが白く広がる桜色のドレスを翻す娘役たちに囲まれて、飾り気のないシンプルな黒燕尾で踊る紅ゆずるを見て、とても浄化されたのだけれど、礼真琴が率いる男役たちが大階段を下りてきて、紅さんが合流したとき、ああ、良かったと、宝塚歌劇における一つの夢の完結が間近に迫っていることを喜ばしく思えたのだった。

ひとつの、大きな大きな夢が成就するのを見届けられるというのは、なんと幸福なことか。

「いつかお前以上に幸せになってやるからな!」と叫んだリー・ロンロン(礼真琴)に星を譲り、愛するアイリーン(綺咲愛里)と大勢の子どもたちに囲まれて、これからも己の道を行く、ホン・シンシンこと紅ゆずる。

大劇場公演でのご卒業おめでとうございます。

そしてアイリーンこと綺咲愛里

「可愛いは正義」がよく似合う星組トップ娘役の最後の役は、料理が下手なカンフー女。

ピンク色の長髪、ピンクの上下のジャージにキラキラにデコったピンクの健康サンダルで登場する。上着の丈が短くて、お腹が見えるのがチャーミング。小柳先生‥わかり杉。

登場してホン・シンシンに啖呵を切り、真剣白刃取りに回し蹴りを繰り出

この回し蹴りが最高にカッコいい。

暴れて、ニコラス(瀬央ゆりあ)に止められて、親友のタン・ヤン(有沙瞳)にみぞおちに一発食らって失神する(最強はタン・ヤン?っていうオチです)。

アイリーンは、小柳 奈穂子が創り出した、宝塚の現代的なヒロインの理想像の一つ。

料理は下手でもいい。

回し蹴りで「女らしさ」を蹴飛ばしてもいい。

アイリーンは、仁義に厚くて家族思いで、人を愛することを知り、支え合って懸命に生きていく事を知っている。ホン・シンシンに怒ったりムキになったり、膨れたりしながらも、アイリーンは付いていく道を選んだ。

アイリーンと親友タン・ヤンとの女の友情や母エレノア(音波みのり)との母娘の関係、父ミッキーパパ(天寿光希)に抱く尊敬の念も、ひとつの答えなわけですね。

不器用なんだけれど、健気でひたむきで一所懸命なアイリーンは料理上手な綺咲愛里とはちょっと違うんだけれど、ま、だからあーちゃんに当て書き出来るんですね。立ち回りや回し蹴りのときの身体の動かし方に抜群の安定度を見て、身体能力に感心しました。

アイリーンが料理をしている最中に、老虎(美稀 千種)の後ろにレン(如月蓮)とマオ(麻央 侑希)が並んで隠れようとして隠れきれていない姿が好きですね。

大劇場公演、ご卒業おめでとうございます。りらんちゃんもおめでとう!

作品の本筋にちょっと触れて(2)が終わる。