[Zuka_FC] そこをなんとか~フェアリーのための砦

私の大好きな弁護士漫画『そこをなんとか』(麻生みこと, 白泉社)が完結しちゃいました。全15巻。新司法試験の初年度の合格者である主人公の改世楽子が弁護士として落ちこぼれのように見えながらも解決を目指して着実にポジティブに歩んでいく姿がよくて深刻な問題も扱いながらウジウジしていないところが好きでした。

ああ、ここは『そこをなんとか』の記事じゃないです。

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19日に報道されてかまびすしかったこの件です。いろいろ記事を見たけれど、NHKの記事がまとまっている感じですね。

宝塚元トップスターの母親 私設ファンクラブ収入の所得隠しか | NHKニュース

宝塚歌劇団の星組でトップスターを務めた北翔海莉さんの私設ファンクラブを運営する母親が、会費収入など1億2000万円余りの所得を隠していたとして脱税の疑いで東京国税局から告発されました。

東京国税局は、平成28年の1年間に、1億2100万円の所得を隠し、およそ4900万円を脱税したとして、所得税法違反の疑いで千葉地方検察庁に告発しました。

もしもし?北翔海莉さん?みっさま??朝からびっくりさせないでくれる。(-_-;)

ワイドショーは全然見ていないのですが、各所の情報を整理すると、以下のような流れかな。

  1. みっさまの私設FCが2016年(平成28年)の1年間の所得を一切、税務申告していなかった。
  2. 税務署にめっかった。
  3. 2017年(平成29年)11月に強制調査(査察)を受けた。
  4. その後に期限後申告をした。
  5. 同時に無申告加算税として追加課税も支払った。

という理解でいいんでしょうか。期限後申告というのは確定申告を忘れて期限が過ぎてしまった時に行うものです。

国税庁:No.2024 確定申告を忘れたとき [平成30年4月1日現在法令等]

つまり当事者的には、期限後申告をして追加課税も払って終わっている問題かと思います。額が大きいのでびっくりしますが、2016年は退団の年だから退団特需だったんだろうなぁ。その前も調べられているはずですが、引っかかったのは2016年だけってことですか。2016年(平成28年)に税制改正が行われて、追徴課税についても厳しくなったらしい(特に申告漏れ関係が厳しくなってる模様)のでチェックが厳しかったかな。報道は社会問題の観点、倫理問題の観点から行われたのでしょうか。

元宝塚トップ北翔海莉さんの母、4900万円脱税容疑:朝日新聞デジタルによると、私設FC元代表のコメントとしては以下。

「ファンクラブとしてプールしている資金を申告しなければならないという認識がなかった。税務に無知だった」
「(吉野代表は北翔さんに)資金に関する事実関係を知らせず、一切タッチさせていなかった」

みちこさん(北翔)のお母様の姿は私も桜華の千秋楽に劇場でお見かけしましたが、お着物の上品そうな方でした。背が高くてあの母にしてこの娘ありみたいな気がしました。ファンの間では有名な話ですが、みちこさんちは、お父様は元・海上自衛官で、お兄様も現役自衛官で、みちこさんも自衛官に憧れて芸名をつけた人です。FC収入の脱税みたいなことをするご家族じゃないんですよね。外部からはわかんないでしょうし、こんな問題に家族関係を持ち込むのも野暮な話ではあるのですが。

【橋本奈実の芸能なで読み】北翔海莉、雨模様のサヨナラ公演千秋楽も“晴れ女”の威力発揮-最後まで“おかげさま”の精神で – 2016.10.4 産経WEST @SankeiNews_WESTさんから

NHKの記事には組織ガバナンスの専門家のコメントもありますが、至極まっとうです。

動いているお金が一定の金額以上になれば、非公認の組織であってもしっかりと監査をするなど、チェック機能を働かせる仕組みが必要だ。(慶應義塾大学の中島隆信教授)

私も自分自身が私設FC絡みのトラブルの渦中なのでいろいろ情報収集はしましたが、私設FCというのはタカラジェンヌ個人のためのファンクラブで、宝塚歌劇団の公式ファンクラブは宝塚友の会だけです。

私設FCは、秘密の多い花園の周辺で咲く花ですが、「非公認」ではありません、「非公式」なだけです。宝塚歌劇団はタカラジェンヌ個人のためのファンクラブを認めています。私設FCはフェアリーを外部にさらさないための砦ともなりますが、ただタカラジェンヌ個人のものという性格が大きく、運営能力や会員への対応・会員特権の詳細はFCによってバラバラという話をよく聞きます。トップスターの私設FCと下級生の私設FCでは違うことは多いでしょう。

ここでは任意団体への課税の大枠について記載しておきます。

タカラジェンヌの私設FCは、法人格のない任意団体と思います。サークルみたいなものです(NPOとか法人格を取っているところをご存知であればお知らせください)。

任意団体で代表者または管理者を決めている場合は、人格のない社団等に該当するとされます。正式な代表を決めて置く宝塚の私設ファンクラブは「人格のない社団等」という位置づけです。

そこで重要なのは「人格のない社団等は、収益事業を営む場合に限り法人税が課税されます」という点です。でね収益事業というのも「継続して事業場を設けて行われるもの」という要件が付きます。

収入が会費・寄付のみの場合などは、収益事業を営んでいないので法人税はかかりません。サークルなどの小さな任意団体の場合は、会費・寄付のみが収入の場合が多いので、基本、法人税はかからないようになっています。

任意団体であっても、物品販売業や製造業など34業種の収益事業を行っている場合は、そこで得た所得に対して法人税が課されます。

任意団体であっても、収益事業をおこなっている場合は、普通の法人と同じように消費税を納付する必要があります。

FCの収益事業というのは、お茶会の参加費、写真集やDVDなどのグッズ販売、食事会になるんでしょうか。チケットの取次って販売なの?お花代と呼ばれる支援費は寄付扱いなんだと思います。

(※お花代という名称なのは、2008年まで楽屋差し入れの花代がカンパの名目だったかららしいです。2009年から生花の差し入れは全面辞退となっています)。

ただカンパも額が大きくなると収益と判断されて告発されたケース(ファンクラブ会社に入った税務調査:2009/05/12)が報告されています。

さて宝塚の私設FCの中で、収支が黒字というFCがどのくらいあるのか。収支マイナスの持ち出し・手弁当で運営しているFCより、収入が多く利益が出ているところが問題になります。

私設FC間では情報交換もしているはずですし、FCでプールしている資金を税務申告しないというのが、ありがちなことならば、私設FCの教育・指導・監査体制等の仕組みが必要だと思います。収支が大きい私設FCは、税理士や公認会計士等に会計監査を委託する等の対応をとらないと、今後もこのような事態が起こるでしょう。

下記は参考になりそう。

日本EMDR学会 TOP >人格のない社団等の税について

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北翔海莉は芸に厳しい人で、自分に厳しい、プロフェッショナルのエンターテイナーです。どんな時も質を追い求めていました。もがきながらも。

在団中はファンにはとても優しい人でしたが、退団後はファンにも厳しい面を見せるようになれたんでしょうか。今後のご活躍も期待しています。旦那様とフウヒナミを大事にしてね。

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私は贔屓が好きなので私設FCに入り、公演や入出、お茶会で贔屓に会うのが好きでした。一般会員というのはそういうものです。今は会には入っていないので観劇とお手紙と差し入れのみです(笑)。