[Zuka] 星組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』(1)

8月31日(金)から梅田芸術劇場メインホールで、星組公演 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』『Killer Rouge/星秀☆煌紅』が始まり、9月6日(木)が千秋楽。7日間11公演しかないので、あっという間な気がします。

お芝居の原作は、台湾の人形劇「布袋劇」の制作会社“霹靂國際多媒體股份有限公司(略称:霹靂社)”とニトロプラス虚淵玄氏のコラボによる武侠ファンタジー人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」(原作公式サイトシーズン1(13話)。予習して挑んだ初日。小柳奈保子先生らしく工夫と改変が施されて1時間30分 にまとめられ、宝塚歌劇らしくビジュアル再現率がやたらめったら高い。ただキャストが緊張していた。難読用語に難しい小道具使い。色々あったね初日!2日目以降はぐんぐん進化しています。

Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 梅芸展示

私は、かいちゃん、七海ひろきが表舞台に立っているのを見ているのが嬉しい、単純な人ですが、前回公演『ANOTHER WORLD』『Killer Rouge』に引き続き、お芝居では紅さんの凜雪鴉(リンセツア)とW主演と言われている殤不患(ショウフカン)、ショーではMask of Rougeさんにソロ『罪な薔薇』と出番をたくさん頂いていて幸せでございます。かいちゃんの力の入れっぷりがさすがです。感謝。

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ひとまず、ヅカ版 『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』あらすじ

昔々、魔神の軍勢が人間を滅ぼそうとやってきた。

かつて起こった窮暮之戰キュウボノセン
人間は神仙に教えを乞い、魔神を倒すために数々の武器、神誨魔械シンカイマカイを創り上げた。神誨魔械を使って人間は魔神を追い払い、地上には平和が訪れた。

戦場となった国は、呪われた鬼歿之地キボツノチに隔てられ、西幽セイユウ東離トウリという二つの国になった。

この物語の舞台は東離トウリである。

昔話はヅカ版オリジナル出演のオレンジの上下を着込んだ傀儡師の一座が語り聞かせてくれる。座長の如月蓮と傀儡師達(白妙 なつ、瀬稀ゆりと、紫月音寧、ひろ香祐、紫 りら、音咲 いつき、彩葉玲央)が、等身大のパペットを動かしたり、自分達で演じたり、その他に仕切り版を運んできて、舞台転換したりと、働く人形使いさんたち。

旅の始まり

槍(鉾)使いの捲殘雲ケンサンウン礼真琴)は、東離において弓の名手として知られる狩雲霄シュウンショウ輝咲玲央)の元に弟子入りするために、父母(父:拓斗れい、母:万里柚美)の止めるのも聞かずに出立する。金髪(トウモロコシ色)の捲殘雲は英雄になりたいと歌い上げ、礼真琴の声が高らかに武勇譚の始まりを告げる。

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Thunderbolt Fantasyは、「東離”劍”遊紀」とあるように「剣」がテーマの物語。東離には剣に憧れ、剣に生き、剣を求める者達が集う。

神誨魔械の中でもひときわ危険な剣とされる天刑劍テンギョウケンは、「ツカ」と「ツバ」が取り外され、聖域「鍛劍祠タンケンシ」に祀られ、護印師の一族に守護されてきた。

その天刑劍の力を狙う森羅枯骨シンラココツ,蔑天骸 ベツテンガイ天寿光希)は、手下の殘凶ザンキョウ大輝真琴)が率いる玄鬼宗に護印師の丹衡タンコウ桃堂 純)と丹翡タンヒ綺咲愛里)を襲わせる。
土砂降りの雨の中、丹衡は妹の丹翡を逃がすため、殘凶と激しく切り結ぶが破れ、守護していた天刑劍の柄を奪われる。丹衡と殘凶の激しい斬り合いの迫力と刺された時の丹衡の表情は迫真すごい。

倒れ伏す丹衡を見つめる影があった。”光と影の狭間に舞う、白い鴉”と歌う高い声、手には長いキセル、舞い落ちる白い羽根。鬼鳥こと 通り名・掠風竊塵リョウフウセツジン凜雪鴉リンセツア紅ゆずる)である。凜雪鴉(鬼鳥)は丹衡の剣を拾い上げ、何事かを考えるのだった。

雨傘の義理

雨に難儀する一人の男が、地蔵仏にかざしてあった傘を手に取った。それを見とがめたのは、白く長い髪、青地の長衣をまとった凜雪鴉(鬼鳥)である。御仏から傘を奪う者は、この先に最初に出会った者に慈悲をかけるようにと。そう命じられた男は見知らぬ男への疑義を隠せない。石仏よりも生きている人間が大事であろう。

そこに通りかかったのは、玄鬼宗から逃げている丹翡だった。よろめく足どりに、つい男は内傷を負っているのかと声を掛ける。その丹翡を殘凶が襲いかかった。男は見過ごすことができず、殘凶と玄鬼宗を打ち倒す。

男は、殤不患ショウフカン七海ひろき)と名乗った。通りすがりのくせにやたらと強そう。

凜雪鴉は丹翡に偽名の鬼鳥と名乗る。鬼鳥と殤不患は、護印師である丹翡から悪逆非道を極めるという大悪党・蔑天骸が天刑劍を狙っているという話を聞く。戦いの最中は姿をくらまし、終わると戻ってきた鬼鳥が丹翡に我々も力を貸しますと告げるのに、殤不患は不機嫌を隠せず、二人を置いて去って行ってしまう。

最初から凜雪鴉(鬼鳥)は殤不患のことを気づいていた気がする。巻き添えにするために淡々と策を巡らして。

7人同舟

宿場町で、殤不患は玄鬼宗に似顔絵付きで手配されていることを知る。玄鬼宗に囲まれた殤不患の前に、意気揚々と飛び出してきたのは、槍を振り回す「人呼んで寒赫」こと捲殘雲ケンサンウン礼真琴)!! 名乗りを上げるとなぜか拍手が湧く捲殘雲。そうしたくなるものがある。

鬼鳥の計略で、殤不患は、蔑天骸から天刑劍の柄を取り戻すため、丹翡、弓の名手として知られる鋭眼穿楊エイガンセンヨウ狩雲霄シュウンショウ輝咲玲央)とその舎弟の捲殘雲ケンサンウンと魔脊山にある蔑天骸の居城・七罪塔を目指すことになる。狩雲霄の弓矢がすごい。飛来してバンバン玄鬼宗にあたる。手品みたい。

七罪塔に辿り着くためには、巨大な機械人形のいる傀儡の谷や亡者の谷、異次元に繋がっている闇の迷宮を越えていかねばならない。そのため死霊を操れる者が必要という鬼鳥に先導され、一行は夜魔の森の女妖魔である泣宵キュウショウ刑亥ケイガイ夢妃杏瑠)を仲間に加える。それから凜雪鴉(鬼鳥)の師匠である廉耆(美稀千種)を殺して、正しい道を示す魔法の笛、迴靈笛カイレイテキを奪ってきた殺し屋の殺無生セツムショウ麻央侑希)も。

殺無生。通り名を鳴鳳決殺メイホウケッサツ

剣の達人であり、かつて剣聖を夢見たこともあったが、その時に凜雪鴉から手ひどい屈辱を受け、その因縁を晴らすために凜雪鴉を付け狙い、関わりのあるものを片っ端から手に掛けてきた。凜雪鴉を斬るために生きている殺し屋。

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時間切れ。