[Zuka] 宙組『シトラスの風-Sunrise-』

宙組公演 『天は赤い河のほとり』『シトラスの風-Sunrise-』、大劇場千秋楽(4/23)おめでとうございます。

真風 涼帆様、星風 まどか様、お披露目公演おめでとうございます。お疲れ様でした。宙組20周年を背負うコンビとしてご活躍を期待しています。マギーさんに宙組大好きって言われて万歳する真風さんがとっても可愛いかったです。

出演者の皆様、スタッフの皆様、お疲れ様でした。東京公演までしばしの休養を。

マギーさん(星条 海斗)
ゆいちゃん(結乃 かなり)
れんくん(朝央 れん)
りりこちゃん(潤奈 すばる)

ご卒業おめでとうございます。 幸せと楽しさをありがとう。これからの人生にも幸多きことを、お祈り申し上げます。

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さて、Special Version for 20th Anniversaryと銘打たれた『シトラスの風-Sunrise-』。うーん、なんていうか、かんていうか…。けれど、これは、この20年間のタカラヅカのスター概念の変化やショー(レビュー)の構成・演出が、20年前から進化していることに依拠するのだろうと。ひと言でいうと、宝の持ち腐れ感があるショーでした。

『シトラスの風』と『明日へのエナジー』は2大名場面。この2つがあれば、なんとかなるというのも判るけれど、『シトラスの風Ⅱ』(2014年)、『シトラスの風Ⅲ』(2015年)と再演を重ねて、20周年記念でつぎはぎの『シトラスの風-Sunrise-』上演なら、初演をまんま再演しても良かったのでは。偉大なるマンネリズムなら、初演の形のままでも良いんじゃないか。新たにしちゃうと、じゃああれもこれも変えれたのにと思ってしまう。

本作はトップクラスのスターに丸投げ感が強く、真風さん(真風涼帆)、まどかちゃん(星風まどか)コンビはでずっぱり。あとは2番手のキキちゃん(芹香斗亜)と専科特出のマギーさん(星条海斗)が支える形のショー。

『シトラスの風』プロローグはやはり素晴らしい。幕が開くと黃色、黄緑、水色の鮮やかな色の三層が目に飛び込んでくる。今回オール新調だそうですが、色づかいの美的センスがいい。一言で黄色と言っても、ものすごく微妙な色合いがあり、その中から選びだされた鮮やかな色どり。色彩の三層が左右に分かれ、舞台奥から真風涼帆がピンクのお衣装で登場。ピンクのドレスを着た星風まどかが現れて寄り添い、二人を中心に、赤紫のお衣装の星条海斗、青紫のお衣装の芹香斗亜、薄い紫のお衣装の愛月ひかるが銀橋を渡る。その色は見事なものです。

今更ながら、真風さんはこぶしを効かせて歌う人だったんだなということに気づく。ひびく低音と優しい顔立ち、立派な体格は真ん中がよく似合う。真風さんは、FNS歌謡祭で見せたカッコよさと切れをもっと発揮して頂きたい。男役を後ろに従え、カメラ目線でウインクを飛ばして、テレビの前のファンを騒然とさせた真風涼帆殿。棒立ちで歌うんじゃなくて、颯爽とキザにカッコつける場面を欲する。

真風さんから歌い継いだ、まどかちゃんは主題歌『シトラスの風』のソプラノがちょっと厳しいのだけれど段々出せるようになって来ていた。『ステートフェア』『ノスタルジア』もソプラノで歌い上げるし、エトワールまで担当しているので、喉のケアを怠りなく。『ノスタルジア』の白いドレスがあんなに似合って大人っぽくなると思いませんでした。これからも楽しみ。

下手からキキちゃんが登場して、歌い継ぐとホッとする。キキちゃんはまた歌唱力が向上し、安定感がある。星花宙ミックスで良いところをものにしていって頂きたいです。

『夢、アモール』は真風涼帆、芹香斗亜、愛月ひかる、星条海斗の4人で。背が高く、体格が良い4人が並ぶと壮観ですね。ずんちゃん(桜木みなと)はちょっと細身だから入らなかったのかな。まだ熟してない青いってことですか?(ピンクが熟した状態らしいです)。まぁ若いのは若いよね。

『ロマンス!!(Romance)』(星組、2016年)でも思ったんですけれど、岡田先生にとって「スター」というのは、トップスター、トップ娘役、2番手くらいまでなんでしょう。『ロマンス!!(Romance)』はみちこさん(北翔海莉)と風ちゃん(妃海風)の退団公演だったので、次期トップの紅さん(紅ゆずる)と次期2番手の琴ちゃん(礼真琴)、それにかいちゃん(七海ひろき)が出ずっぱりで、他の扱いがイマイチだったのですが、今回もそう。

昔はスターというのはトップさんだけだったというような事を聞いた事がありますが、それは昔の話で、今は番手付き路線スターだけが「スター」ではないと思っているのです。場面を引っ張れる人達をもっと使って欲しいし、そうやって前に出させることで育っていく。ここのところの各組のショーはそういう傾向でした。なので20年を経てタカラヅカのスター概念が変化しているんだろうなと思って観るようにしました。

歌劇誌2018年3月号座談会にりくちゃん(蒼羽りく)とそら(和希そら)が呼ばれているのは、ダンサー扱いなんだと思いますが、あっきー(澄輝さやと)も宙組のスターの一人ですよ? それからパレードで肩にもふもふショールをまとって階段を降りた愛ちゃん(愛月ひかる)とずんちゃん(桜木みなと)くらいは、銀橋でもっと歌わせてあげてもいいんじゃないでしょうか(もふもふは、おめでたい。おめでとう!!)。

キキちゃんとマギーさんの銀橋渡りソロは、幕のみ背景で、たった一人で銀橋を渡りながら2500人の観客を惹きつけるという高度な銀橋渡りで、2人の男役スター力で成り立っている場面です。この場面のネオ・ダンディズム・キキちゃんの『PARADISO』は客席総落としにかかっているとしか思えないヤバさがありましたが、わざわざキキちゃん一人に星組の『ネオ・ダンディズム』をさせなくてもとか、でもキキちゃんのキザりは『Santé!!』臭があるので花組仕込みなんじゃないか、とか邪念が忙しかった。2番手お披露目おめでとうございます。

スーツ姿のマギーさんの『DRIFTER IN THE CITY』は、大人の色香と落ち着きでさすがとしか言えないので、見応えのある銀橋渡りソロでした。宙組を好きになってくれて、ありがとうございます(立ち位置謎)。宙組大劇場千秋楽は月組が東京公演の真っ最中だったのですが、宙組が東京公演に行ったら、月組子は見に行ってあげれるのかな。退団公演でウルヒの美しさとシトラスの風が見ることができて嬉しかったです。

私はどちらかというと組替えはあっても良い派で、真風さんやキキちゃんが組替えで来てくれたのは宙組を支えるためなので、良かったと思っています。けれど宙組20周年記念なのだったら、宙組生え抜きをもっと使ったショーで盛り上げて欲しかった。それだけで組ファンは安心するし、それが組にとっても大事なんです。落下傘3年かそこらで組のトップになり、2番手も組替え組で20周年記念という重責を負ったのが真風涼帆ですよ。これは、まぁ様も、かなめさんも、ゆうひさんもそうだったけれど、結局、負荷の多くはトップスターが背負う。

真風さんは、まどかちゃんを守る騎士でいてください。今公演のまどかちゃんの頑張りぶりは、本当にイシュタルのようでした。組廻りの『白夜の誓い』(2014年、宙組)でグスタフの少年時代を演じて鮮烈にデビューした時から、トップ娘役候補であることは明確で、宙組に配属になってすぐ爆上げが始まり、下級生気分を味わう余裕も乏しかったであろう、まどかちゃん。宙組の生え抜きのプリンセス。真風さんが側で見てあげるだけで安定していくと思います。まず何よりそれが大事。

話が大幅にずれまくりましたが、思い出すと邪念が浮いてくるというのは私が汚れちまったってことなんだろうなと思いました。新場面の第3章『Soul Spirits 』の場面もMr.Bojangles(寿つかさ)のダンス、哀愁と滋味に充ちた演技に引き込まれるのですが…路線組長は死なないで(死んでません)。真風さんが歌い、Mr.Bojanglesを囲んで、8人の選抜メンバー(愛月、蒼羽、風馬、桜木、和希、留依、瑠風、優希)がその魂を引き継いで踊る。音楽(玉麻尚一氏)も踊り(謝珠栄氏)も素敵で、趣があり、踊りだけで想いを表現するという場面ですが、このメンバーはオーディションですか(あき様がいませんね)とか、いやいやすっしーさんが死んじゃうと困るから(死んでません)とか程度に感情移入してみました(間違った見方です)。

中詰めのアマポーラは水色基調のお衣装の色彩が美しく、舞台がその色で染まったのはきれいでしたが、印象としてはコーラスの美しさと、ずんちゃんの誇らかなソロと娘役に囲まれた愛ちゃんの華やかさ。揺れている組子。もっと踊っても良いのよ?的な気持ちでした(ショーには緩急があるんだよ、わかってないなと言われるのも承知)。

救いは『明日へのエナジー』ですね、やはり。まどかちゃんの希望で、トップ娘役がメンバーに入ったのも良かったです。トップ娘役不在で組の象徴というのもおかしなものです(初演、Ⅱ、Ⅲはそうだったか)。踊りまくるすっしーさんと歌いまくるあおいさん(美風舞良)はもはや名物。

あと大階段群舞の真風さんはカッコよかった。真風さんは律儀で几帳面な常識人なだし、大舞台に何度も立っている割には羞恥心とか逡巡とかが出る人だから、ほんとにいっそのこと、トトロになれば良いと思います(トトロと言ったのはウエダクミコ先生)。トトロになってメイを抱えて飛ぶくらいの勢いでいてくださいな。宙組の8代目なんだから。

ショーでこんなに邪念が浮かぶって珍しいので感想書くにも時間がかかりまくりで疲れました(苦笑)。おわり。