[Zuka] 2017年星組バウ『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』(1)

我がご贔屓様、七海ひろきさん、かいちゃんの単独初主演公演『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』【公式】が、12日から絶賛、公演中です。

16日はかいちゃんのお誕生日でした。おめでとうございます☆カーテンコールでも終演後も盛大に祝われたみたいで、良かったです。

『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』初日には既に一定のクォリティに仕上がっていて、桜華を経ての星組子の進化に、心が震えました。

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主演の竹中半兵衛 かいちゃん(七海ひろき)はもちろん、ヒロインいねのきーちゃん(真彩希帆)、織田信長のまおくん(麻央侑希)と濃姫のはるこちゃん(音波みのり)、黒田官兵衛のみっきぃ(天寿光希)、竹中半兵衛の幼馴染 橋村三郎太のぴーすけ(天華えま)、松寿のみねりちゃん(天彩 峰里)など、どの人の演技にも目を瞠った。

専科の悠真 倫さん(豊臣秀吉)、組長の万里 柚美さん(ねね)のお力添えも大きいとは思うのだけれど、座長七海ひろきの持てるポテンシャルに大感動。『the WILD Meets the WILD』-W.M.W.-や『風と共に去りぬ』の頃よりも格段に進化した七海ひろきの姿を、真剣に見つめているのだけれど(←場内啜り泣きの中、泣いてない人)、主演というのは演出家の演出に沿って芝居の方向性をひっぱる役目であり、座長というのはキャストをまとめる役目であり、その重責を背負ってバウホールという小さくて濃密な空間を七海ワールドで埋め尽くすことに成功した、男役・七海ひろき(研14)にまだまだの可能性を見出せた。

歌唱力も向上したよ!妻いね役の歌うま娘役、真彩希帆の支えもあり、吉田優子氏のオリジナル楽曲で音域も合って、堅調!良かった。

客に媚びない、客のレベルを低く見ない、自分の持てる力で出来るだけ頑張る。タカラジェンヌの尊さ、そして 「美しさ」や「格好良さ」というのは、その姿勢が根本にあると思う。七海ひろきは、「タカラジェンヌの男役」」という芸の道を邁進する表現者あり、役者なのだと知った。これ以上の幸せがあろうか。

有無を言わせず人を惹きつける圧倒的なスター。 それは番手や学年は関係のない世界。ほんの僅かな者しか到達し得ない高み。 そんな高みに、かいちゃんが近づいているかと思うと、ムネアツである。千秋楽までがんばってください。(楽は仕事で行けないんですけれどね)。

  • 『燃ゆる風』作品自体について

ストーリーは竹中半兵衛の36年間の短い人生を要領よく描くもので、竹中半兵衛の前半生の山場である稲葉山城乗っ取りが起き、織田信長が乗っ取りの首謀者である半兵衛の才に目を付け、木下藤吉郎秀吉(豊臣秀吉)を差し向けたところから本番となる。1幕の山場は姉川の撤退戦と秀吉と半兵衛、半兵衛と幼馴染み橋村三郎太らとの主従関係、2幕は妻いねとの夫婦愛、有岡城の戦いと黒田官兵衛との友情を中心に描く。

『戦国BASARA』以来の鈴木圭作品ですが、鈴木圭氏は、小劇場向きの作品を作るのに手慣れているなぁという印象。『逆転裁判』や『戦国BASARA』、本作もそうだが、セットや装置は必要最低限に抑え、シンプルに人間同士の心の機微やキャストの関係性で舞台を「見せる」というのが上手い。しかし、宝塚歌劇の座付き作家なので、そろそろ大劇場作品も見たいところ。『燃ゆる風』はストーリー的には大劇場向けに改変できる作品だと思うし、これを機に、大人数キャスト+頻繁な舞台転換+盆を使った演出などで、観衆を惹きつけなければならない、大劇場向けの作品にも挑戦して頂きたいなぁ。

バウ・戦国ロマン『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』
作・演出/鈴木 圭

群雄割拠して天下をうかがう戦国の世に、類い稀な智略を持つ軍師としてその名を轟かせた竹中重治(通称・半兵衛)。敵対する織田信長にその才を見込まれた半兵衛は、信長の命で勧誘に訪れた木下藤吉郎秀吉(後の豊臣秀吉)こそ天下人になる器と見抜き、その家臣となって数々の戦で秀吉を勝利に導いていく。寡黙で忠誠心にあつく、武功をあげても出世を望まぬ無欲恬淡な人物像に迫ると共に、幼き頃より彼に寄り添い支え続けた正室いね(得月院)との夫婦愛や、共に秀吉を支えた軍師・黒田官兵衛との絆を交えて描き出すオリジナル・戦国ミュージカル。