[Zuka] 柚希礼音と夢咲ねねー愛と栄光の涯にー

昨日は、星組のトップコンビ柚希礼音と夢咲ねねの退団公演『黒豹の如く/Dear DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-』の千秋楽で、宝塚バウホールでライブ・ビューイングによる中継を見ました。

星組の皆様、スタッフの皆様
お疲れさまでした。素晴らしい舞台を本当に本当にありがとう。

柚希礼音さま、夢咲ねねさま
ころちゃん(音花ゆり)、どいちゃん(鶴美舞夕)、ぺっちゃん(海 隼人)、あかりちゃん(逢月あかり)、ご卒業おめでとうございます。幸せと楽しさと、明るい笑顔をありがとう。これからの人生にも幸多きことを、お祈り申し上げます。

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柚希礼音と夢咲ねね。ゴールデンコンビと呼ばれた、このコンビの後期にちょろっと観劇していたくらいで、こんな事を書くのはおこがましいのだが、素直な感想として書き留めておきたい。

私が観劇し始めた時には、柚希礼音と夢咲ねねコンビは4年目に突入しており、柚希礼音の人気は現役のタカラジェンヌの中では随一という評判(主にWeb情報)で、星組の公演はチケットが取り難いという噂も聞いた。

宝塚歌劇99周年の2013年は、台湾公演千秋楽をライブ・ビューイングで観劇し、本公演『ロミオとジュリエット』は役替り分をなんとか観劇した。個人名がタイトルになり、それが2回目なんてすごいわ、さすがだわ、と思いつつ、博多座公演『REON!!II』はパスした。

2014年は、大劇場の『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯に-』が観劇はじめだった。100周年を迎えて、柚希礼音を取り巻く熱狂はますますボルテージを上げ、柚希礼音は、増大していく一方の柚希礼音個人のファンに加え、トップコンビのファン、そして組ファンや宝塚歌劇ファンの多くから愛と夢と期待を一身に受けていた。柚希礼音は、そんなファンの愛情に感謝し、持てる力を振り絞って、舞台を務めていた。

そして宝塚歌劇団は、柚希礼音の貢献に応えるため、有形無形の勲章を与え、飾り立てることに努めた。それが宝塚歌劇団から、柚希礼音への愛の形であり、組織的には、それ以外には現しようがないところではあっただろう。

だが、愛は時に重い。

宝塚歌劇団のトップスターというだけで重責なのに、それ以上の重みに柚希礼音は、淡々とよく耐えているなぁと、私は外野で思っていた。尊敬が限度を超えると崇拝になり、神格化と偶像化に繋がっていく。(一方、すごい素晴らしいと褒め称える裏で「愛」のインフレが起き、愛とは何なのか、何がすごいのか、見えにくくなっていた部分もある気がする)。

柚希礼音に寄り添う相手役の夢咲ねねも必死だったろう。トップスター個人への愛とトップコンビへの愛はどちらも愛ではあるが、質が異なる。相手役として夢咲ねねの力量も試される。『眠らない男・ナポレオン』の凋落の場面で、銀橋で1人戦ってる柚希礼音を見て、夢咲ねねは、「こうやってちえさんは1人で戦ってきていたんだな」と涙した(タカラヅカニュース)が、彼女自身も決死の覚悟で戦っていたはずだ。

もちろん、そんなトップコンビを十輝いりすや紅ゆずる、真風涼帆ら星組子は死に物狂いで支え、柚希礼音は、組子を「家族、1人1人が宝物」と言い、夢咲ねねは「運命共同体」と呼んだ。

そして昨日の千秋楽、柚希礼音は、深い深い感慨をこめて「全ては夢の記憶だろうか。青春の血をたぎらせた日々」「全て幻か、愛の面影を探して目覚める」(『眠らない男・ナポレオン』より「翼なき荒鷲」)と、さよならショーで歌った。

「愛と栄光の涯に」、彼女が突き詰めて突き詰めて見つけたエネルギーの源泉は、「ちえちゃん」と彼女を呼び、娘の安全と無事を祈りつづけた両親の愛情だったような気がする。家族の愛情は、彼女の内に柔らかで豊かな感受性を育み、芸事に邁進する彼女をダイアモンドのように輝かせている。そう思えてならない。

私は柚希礼音の熱心なファンではなかったけれども、彼女の創る舞台にはとても惹かれる。『眠らない男・ナポレオン』も良かったけれど、文化の庇護者であり、創造者であった『太陽王』がとても好きだ。ラストで、解放された顔で踊る柚希礼音のルイ14世が忘れられない。どうか、これからも素晴らしい舞台を創り続けてください。

夢咲ねねも、柚希礼音とは別の舞台に立つことになるのだろう。新たな舞台では、もう相手役としてではなく、ひょっとしたら恋愛物でもないかもしれない。何でも良い、人生の第二章の嬉しい報が届くのを待っています。

素晴らしい舞台を、豊かな愛をありがとう。