[Zuka] 2015年宙組『New Wave! -宙-』感想

『TOP HAT』と『New Wave! -宙-』を観て充実した後に、サヨナラショーで『本当の俺じゃない』を歌った六代目のことを思い出した。凰稀かなめ様、初コンサートのご成功をお祈りしております。

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『New Wave! -宙-』を観劇後に、ソリオの蕾さんで食事したら、貼ってあった出演者全員のサイン入りポスター。ずんちゃん(桜木みなと)、バウ公演主演決定おめでとうございます。

『New Wave! -宙-』
『New Wave! -宙-』

『New Wave! -宙-』で一番、好きなのは、2幕の”Ⅱ-4 Song&Dance”,” Ⅱ-5 Unity~ひとつに”,”Ⅱ-6 New Wave! ~今だから~”の流れ。

2幕の”Ⅱ-4 Song&Dance”は、凛城 きら美風 舞良花里 まなの「ミ・マンケライ」から始まって、蒼羽 りくの「So Amazing」をコーラスで風馬 翔瑠風 輝、瀬戸花 まり、小春乃 さよが囲み、澄輝 さやと凛城 きら蒼羽 りくの「A New World」へ繋がる。

あっきー(澄輝)が登場して、りんきら(凛城)、りくちゃん(蒼羽)と並んで「A New World」を歌い出す流れが、とても滑らかでリズミカルでチームワークがばっちりで、私が観た回では「A New World」で手拍子が入ったのだが、先導してくれる会の人達がいないとどこで入れて良いかタイミングが判らなかったくらい、繋がりが美しい。

そして、桜木みなとが「セ・ファタル」を、ダンサー綾瀬 あきな、結乃 かなり、花咲 あいり、涼華 まや、瑞希 めい、影デュエット留依 蒔世、小春乃 さよと共に歌う。日を追うごとに上手くなる、ずんちゃん(桜木)。声量が十分で、情感があり、末恐ろしいね。魂を揺さぶるような歌い手になりそう。

” Ⅱ-5 Unity~ひとつに”では、New Wave!シリーズでは定番の「Amazing Grace」を花里まなをメインに、コーラス留依 蒔世、瑠風 輝、美風 舞良、瀬戸花 まりという歌うまメンバーで聴かせ、そして勢揃いして、澄輝 さやと美風 舞良メインの「If It’s Over」へ。

ここでは、あっきー(澄輝)が舞台前方センターで歌い、周囲を下級生が囲み、あおいさん(美風)が舞台後方の階段から登場して歌うのだが、この配置が抜群で!あっきーが前で頑張って歌っているのを、あおいさんの絶唱が後ろから支えていた。そしてコーラスの美しさよ。素晴らしかった。

宙組のチームワークの良さは、ファンとして誇らしい。

最後に、”Ⅱ-6 New Wave! ~今だから~”の流れで、客席降りして締めくくる。初見時は通路側だったので、まっぷー(松風輝)が目の前でイケイケで歌ってくれて、その隣にゆうりちゃん(怜美うらら)。New Wave!サイコー!!

あとは、1幕の”Ⅰ-4 エトランジュ”,”Ⅰ-5 ミュゼット…恋しくて”,”Ⅰ-6 1889ーPARIS”も好き。つまり、ほとんど全部だ(笑)。

ミュゼットは、子ども達(綾瀬 あきな、花咲 あいり)にアコーディオンを取られておろおろする老人の風馬翔が、すこぶる良い味出していて、さすが。そして老人の若い頃の姿として登場した凛城 きらの落ち着いた優しい歌声が響く。恋人役の桜木みなとは、飾り気のないショートカットが良く映える。シンプルな出で立ちが、凛城 きらの軍服と合わせて、戦時下あるいは戦火近しという状況だということを醸し出す。恋人を失い、自身も足を撃たれて、倒れる凛城 きら。過去を思い出す老人(風馬翔)。ストーリー性に溢れた良い場面でした。

1幕の”Ⅰ-6 1889ーPARIS”と2幕の”ガイズ&ドールズ・メドレー”で、澄輝さやと怜美うららがコンビを組んだが、この二人は意外と相性が良い感じだった。

澄輝さやとが、ファムファタールの怜美うららが指し示す、十字架に自ら磔になるラストは、見入った。個人的にはガイズ&ドールズのスカイとサラのほうが好みで、スラリとスーツを着こなす澄輝さやとは、ちゃんとお芝居が見てみたいと思った。”微笑み貴公子”と勝手に名付けてみたあっきーには明るい役柄が似合う。ここまで来たからには自分に挑戦し続けて、バリバリと輝いて欲しいと強く願っている。

次は「大劇場で歌いたい」と言っていた。
その機会は必ず来ると、勝手に信じている。

ポニーテールのキュートな怜美うららも、自分自身に挑戦していた。宝塚歌劇では娘役に必ずつきものの、ソプラノでの歌唱を彼女は苦手としていて、たぶん元々の声質が合わないのではないかと思っていた。だけど、まだちょっと自信なげだけれど、ちゃんと高いキーで歌えていた。苦手だけれど、発声や歌唱法という技術によって、克服することが出来ると、彼女は挑戦した。彼女に限らず、娘役の静かで控えめな努力にはいつも敬服する。そういう環境と機会を作ってくれた演出の三木 章雄氏の配慮にも怜美うららのファンとして感謝したい。

後は箇条書き

  • ダンサー娘役達を率いてバリバリ踊る蒼羽りくが、何と言ってもかっこいい。踊っている時の表情の魅せ方は、抜群だと思う。
  • 2幕Ⅱ-3で「月光」を、結乃かなり、涼華まなと踊った実羚 淳は、かなりのレベルのバレリーナだった。身体の軸がしっかりしていて、いくら踊っても崩れない。これはレオタードでバレエを踊らせたくなるのも判る。
  • まっぷー(松風輝)も良い笑顔で踊りまくっていた。かけるくん(風馬翔)も。
  • ダンサー揃いの娘役の群舞が少人数なのだけれど、すごい華やかだった。
  • バウホールでも生演奏なのは嬉しい。いつも贅沢な気分になる。
  • スタッフの皆様、お疲れ様でした。
  • 書き漏らしもありそうだが終わり

成長し続けるであろう宙組を次に観るのを楽しみにしています。楽しかったよ!ありがとう。