[Zuka] 2015年花組『カリスタの海に抱かれて』

先週、明日海担の友人に誘われて、明日海りお茶に行って参りました。シアター形式ですごい人数でした。1000人を超えてるのかな。壇上のクマのぬいぐるみに、毎回の公演で明日海りお氏が着ている衣装を着せてあるそうで、このクマを撮るための行列も長かったです。

花組が大劇場で公演中の『カリスタの海に抱かれて』『宝塚幻想曲』は、初日明けてすぐに観劇したのですが、感想を書きそびれています。そして千秋楽まであと10日と迫っているこの週末に観るので、今日は簡単な感想。

明日海りお茶
明日海りお茶

明日海りお様、花乃まりあ様、トップコンビ、大劇場お披露目おめでとうございます。←遅い

『カリスタの海に抱かれて』

脚本は、外部から招かれた大石静氏、演出は石田 昌也氏。

あらためて宝塚歌劇のお約束を守って、90分枠に収めるのは難しいことだと思った。トップコンビの恋愛要素が必須で、主要キャストにも見せ場を用意した波瀾万丈な物語。どうしても物語の背景や人物の心理描写が乏しくなって、動いている事態だけを見せることになりがちなのだろうけれど、『カリスタの海に抱かれて』は巧く収まっている方だと思う。そこでひと言あれば、という箇所はあるが、致命的なものではない。

最後にどんでん返しを用意しているので、演出上、セリフが絞られていて、キャストの心理変化が判りづらいと言うのはある。だが、大きな劇場ではどうしても細やかな表情や仕草による心理描写が全ての観客には届きにくいので、セリフのウェイトが高くなる。そこはテレビや映画などの映像作品とは異なる。座付き作家でも難しいんだもんね、外部の方はより大変だろうな。

物語は、「フランス革命期の植民地独立運動を背景にしたシンデレラストーリー」だった(主観)。このシンデレラストーリーを描くに当たっての大石静氏の思いが『歌劇』の座談会で吐露されていて、かなり面白い。舞台を素直に観るのとは別に、作品を読み解くのが面白くて、別の意味で楽しんでしまう。

石田 昌也氏の演出が巧みで、クライマックスに向かって、時計の音を使って焦燥感を煽ったり、炎の演出でドラマティックさを出したり、初見時にはドキドキして観ることが出来たので、かなり満足だった。

また書く、と思う。これからNW宙と花組公演を観に行くのだ。

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公式サイトより

ミュージカル

『カリスタの海に抱かれて』
作/大石 静 演出/石田 昌也

人気脚本家・大石静氏が花組のために書き下ろしたオリジナルミュージカル。
舞台は地中海で最も美しいとされるカリスタ島。この島に生まれながら、数奇な運命に翻弄され、フランスで育ったシャルルは、カリスタ島を統治するフランス軍将校として、再び故郷に降り立つ。時はフランス革命前夜。シャルルには本国フランスの動乱に乗じて、故郷カリスタ島を独立させたいという密かな野望があった。島のレジスタンスの若者達と信頼をはぐくみ、野望は成就するかに見えたが、島の女アリシアの情熱的な愛がシャルルに向かったことで、歯車は狂い始める。
男が英雄になれなかったのは、一人の女を愛してしまったから…。愛と友情、そして故郷への想いの狭間で揺れ動く青年の葛藤をリリカルに描いたラブロマン。
なお、本公演は花組新トップコンビ明日海りお、花乃まりあの宝塚大劇場お披露目公演となります。

レヴューロマン『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』

作・演出/稲葉 太地

優美で繊細。情熱的で大胆。様々な魅力を持つ明日海りお率いる新生花組が織りなす幻想曲(ファンタジア)。宝塚歌劇百年の歴史が紡ぎだした伝統に日本古来の美をちりばめて、時にクラシカルに、時に現代的なビートで繰り広げるレヴューロマン。
なお、本公演は新たな演出を加え、台湾バージョンとして第二回宝塚歌劇団 台湾公演(2015年8月)でも上演いたします。