[Zuka] 2013年宙組『the WILD Meets the WILD』-W.M.W.-(1)
各キャストの感想です。割と本気で、書いてみた。
- ジェレミー・ノースブルック(蓮水 ゆうや)
WMWって、ジェレミー(蓮水)を皆で取り合う話だよね(割と本気で、そう思った)。
浅からぬ縁のベンジャミン(七海 ひろき)だって、コーエン神父(夏美よう)やコーエン市長(蒼羽りく)だって、トゥーム・ストーンでジェレミー(蓮水)の帰還を待っていた。そして、トゥーム・ストーンで初めて会ったのに、なぜかジェレミー(蓮水)につきまとう新聞記者のネッド・バントライン(澄輝 さやと)から、「理想の人は、killer bee」という賞金稼ぎのエマ・トゥワイニング(花乃 まりあ)まで、ジェレミー(蓮水)に敵対する人は一人としていない。
ベンジャミン(七海 ひろき)だけが、兄弟同然に育った従兄弟として、ジェレミー(蓮水)の前に立ちふさがるが、少年マンガのお約束よろしく、「殴り愛で爽やかに仲直り!」とことんやってくれます生田大明神。エマで良かったね、ジェレミー。エマいい子だよ。
割と本気で、私は蓮水ゆうやの演技が好きである。今回、ますますそう思った。この場面で何が起きているのか、なぜそういう表情をするのか、演技に定型を持っているので、観る側にも判りやすい。予想外の主演だし、春風弥里のみーちゃんは退団だし、蓮水にとって今が、試練の時(割と本気でそう思う)。ここで、explosion!! と思って固唾をのんで見守っている。Be alive!
- ベンジャミン・ノースブルック(七海ひろき)
『モンテ・クリスト伯』に引き続き、手下がいる役だが、今回は「親分」ではなくて、兄貴分である。親分と手下(モンクリ)、兄貴分と弟分(WMW)って、相手との距離感が違う。前者は乗り越えられない上限関係が存在するが、後者はポジション的には対等で役割の違いがある。その兄貴分と弟分=仲間同士の距離感・連帯感がうまく出ている。仲間の3人(星吹 彩翔、春瀬 央季、桜木 みなと)も芝居心のあるメンバーなのが良かったのだろう。
”育ち盛りは食べ盛り”。すくすく成長しております男役・七海ひろき。感性が素直で研究熱心とくれば、当然かもしれない。次なる試練は、スカーレットか。かなめ様の胸をお借りすると、勉強になるだろうなぁ。楽しみ。マジです。
- エマ・トゥワイニング(花乃 まりあ)
女優をやりながら、バウンティーハンター(賞金稼ぎ)として各地を回るエマ・トゥワイニング(花乃 まりあ)。ジェシカ・サリンジャー(瀬音リサ)と共に体当たり演技が素晴らしい。酔っ払って踊り狂い、「理想の男性をみつけたわ!覆面カウボーイkiller bee(キラー・ビー)!」と高らかに宣言する姿に惚れた。このときのジェレミー(蓮水)のアタフタぶりもおもろいwww。
- 夏美ようの存在感はさすがで、コーエン神父は登場時点で黒幕オーラを出しまくっていた。狂気に近い妄執の理由がいまいち納得できなかったのだが、夏美ようの演技からは、素直に愛情を表現できない悲しみが醸し出されていて、悪役というより、ふとしたことで人生を狂わせてしまった悲嘆を感じた。
- 新聞記者のネッド・バントライン(澄輝 さやと)は、劇中でもっとも状況を、(なぜか)把握している人。ジェレミー(蓮水)に謎の手紙を届けたかと思うと、ジェレミー用の銃を作ってあげたり、市長達の悪事を暴露したりと、大活躍。ジェレミーは、この人を取り調べるべきではあるまいか(笑)。澄輝 さやとがめっちゃめちゃ楽しそうに演じている。
- ギルバート・コーエン市長(蒼羽りく)は、パンフレットに掲載されていた写真が、蒼羽りくの端正さが功を奏し、「エリート市長」そのものの作り込みになっていた。蒼羽りくは、今度はもう少し喜怒哀楽のある激しい役で見てみたい。
- 本公演は、ヒロイン以外の娘役の出番が多かったのも嬉しい。ベンジャミンの恋人マティルダ・ヒューイット(愛花ちさき)、ベンジャミンの母ヒラリー・ノースブルック(美風舞良)、ベンジャミンの妹アンジェラ・ノースブルック(遥羽 らら)、ジェレミーの母モニカ・ノースブルック(彩花 まり)、劇場主ノーマ・オーウェン(花音舞)、など、それぞれ印象に残っている。
- 風羽 玲亜は、黒塗りが似合う。ガンマンのダミアン・ウェッジウッドは、ジェレミーの後をついて行くだけなのに、妙に目立っていた。
- よっぱらい親父デイヴィッド・ノースブルックの凛城 きら。ごろつき臭がうまく出ていた。
- 天風 いぶきのマッシュは、アフロのボディガードでした。なんだろう、動きが面白い。
- バーテンのマック(留依 蒔世)もなかなか気が利いていた。ラストで大出世だし(笑)。
- フィナーレの群舞で、星吹 彩翔が目についた。切れがあって、手足の先まで神経が行き届いたダンスがすごい。歌も聴けたし(短いけど)、満足である。
- 保安官助手エルトン(七生眞希)は小心だけど忠義者という役柄が良かった。
- ヘイワード(美月悠)も今後の活躍が期待できそうな印象。