[Zuka] 星組『霧深きエルベのほとり』(4)美しく典雅な女

星組お正月公演が始まって、10日経ちました。本公演のレベルが高いので新人公演の目標値も高くなるんでしょうけれど、本公演と性格付けが全然違ったものでも構わないというか、むしろそういうのも見てみたい。

Now on stageで紅さんが「カールは幸せに憧れているという設定でやっている」という話をしていたけれど、各自で設定した役作りでの芝居をみたいなぁ。フロリアンが嫌味なやつでもいいし、トビアスがベティに一目惚れしてもいい。印象がどう変わるんだろう、その相互作用はどう出るか、というのが興味津々です。それが本公演にも影響を与えると思うと面白いでしょう、面白いよね。

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[Zuka] 星組『霧深きエルベのほとり』(3)海に生きるエネルギー

ビール祭りが賑やかに開催されているハンブルクに到着したフランクフルト号の乗組員達が、街一番の安酒場プローストに立ち寄る。

船乗りのカール・シュナイダー(紅ゆずる)はそこで金髪の若い娘マルギット・シュラック(綺咲愛里)に出会う。

開演。銀橋に板付きで、つば付きの白いマリンキャップと船員バッグを抱えたカール・シュナイダーが、深い吐息と共に『鴎の歌(霧深きエルベのほとり)』を歌い出す。マルギットに別れを告げ、水夫仲間にも話せない思いを鴎に託してハンブルクの港から出港する。

初日に低く重い声で憂いを帯びた瞳の紅ゆずるが歌いだした途端にカールだと思った。歌声に乗せた繊細な心のうちが胸を打つのだ。星組による『霧深きエルベのほとり』の再演の成功を確信した瞬間だった。

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