2014/08/28
星組トップ娘役・夢咲ねね 退団記者会見
8月28日(木)、星組トップ娘役・夢咲ねねが、ミュージカル・プレイ『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』、ダイナミック・ドリーム『Dear DIAMOND!!』-101カラットの永遠の輝き-(宝塚大劇場:2015年2月6日~3月9日、東京宝塚劇場:2015年3月27日~5月10日)をもって退団する事を発表し、記者会見を行いました。
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柚希について
「本当に偉大な方だと思いますし、とてもストイックで、星組の父のような存在だと思います。今日こうして私がここ(会見)にいられることは、柚希さんがいらっしゃらなかったら、なかったことだと思います。いつも幸せな気持ちで舞台に立たせていただいて本当に感謝していますし、柚希さんと一緒に退団させていただくことが、自然な流れというか、自分の中では一番いいタイミングだなと思います。柚希さんに、ご一緒に退団させていただきたいことをお伝えしましたら、“最後まで一緒に頑張ろうね”と言っていただけましたので、最後の日まで精進したいと思います。」
今年のお正月にスカイステージで放送されたトップ娘役達の鼎談で、夢咲ねねは、5人の娘役の長として会話を上手にリードし、とりまとめていた。タカラジェンヌは夢の世界のフェアリーで、その中でもトップ娘役はフェアリー中のフェアリーであるはずだが、番組では大人の女性の顔をしていて、「(歴から考えれば)そりゃそうだよね」と思ったのだった。
夢咲ねねは、『めぐり会いは再び 2nd』のシルヴィアや『ロミオとジュリエット』のジュリエットのような10代の少女も巧みだったが、昨年10月のバウ公演『第二章』のジェニファー・マローン役がとても印象に残っている。
30代のジェニファーと轟理事演じる40代のジョージ・シュナイダー。ジョージの弟のレオ・シュナイダー(英真 なおき)とジェニファーの友人フェイ・メドウィック(早乙女 わかば)。出演者は4人だけの小粋な会話を楽しむ大人のラブ・コメディだった(ニール・サイモン原作・石田 昌也氏脚本・演出)。
轟悠は、相手役の力を引き出すのがとても上手い(それは技能を磨き、いろいろな相手役との経験を積んでいる証だと思う)。この時もそうだった。夢咲は、タカラヅカの娘役としては珍しいチャキチャキした現代的なワーキング・ウーマンを演じて、輝いていた。
そして、お正月公演の『眠らない男・ナポレオン ―愛と栄光の涯(はて)に― 』 で夢咲の演じたジョゼフィーヌは、誇り高く、驕慢、かつ愛情豊かで情熱に溢れていた。
今思うと、柚希礼音の相手役で在り続けるために、『第二章』という演目は、あの時の夢咲ねねには必要だったのかもしれない。常にコンビを組んでいる柚希礼音に、タカラヅカの娘役である自分の舞台を見て貰うというのは、滅多にないチャンスだったはず。夢咲の思いは、十分に演技に出ていたと思う。
奇跡のゴールデンコンビの卒業への道のりを見守りたい。
バウ・コメディ『第二章』-CHAPTER TWO by Neil Simon-
■出演者・・・(専科)轟 悠、英真 なおき
(星組)夢咲 ねね、早乙女 わかば
原作/ニール・サイモン
脚色・演出/石田 昌也
翻訳/福田 陽一郎、青井 陽治
参考文献 『第二章』(早川書房刊「ニール・サイモン戯曲集II」所収)
[解 説]
ブロードウェイの喜劇王ニール・サイモンの傑作戯曲「第二章」は、サイモンの自伝劇ではないかとも言われる秀逸なコメディの戯曲です。最愛の妻に先立たれたショックから立ち直ろうとするジョージが、バツイチの女優ジェニファーと、ひょんなことで出会い、恋に落ちて結婚。新しい未来が待ち受けているかと思いきや、新婚旅行先でふいに先妻のことを思い出し、また落ち込んでしまう。果たして二人は、人生の第二章を無事スタートできるのか。
ユーモアとウィットに富んだ会話に、それぞれに人間味のある4人の登場人物が絡み、サイモンならではの温かいコメディを堪能できる作品です。
2011年、2012年と上演し好評を博した「おかしな二人」に続く、専科公演コメディシリーズの第二弾として、主演に轟悠、ヒロインに星組トップ娘役夢咲ねねを配し、上質の舞台をお届けいたします。