全体感想として、1幕がかなりてんこ盛りで、めまぐるしいです。1幕の上演時間は1時間20分で、ナポレオンの士官学校から皇帝即位まで一気にいくので、あと10分くらい全体の上演時間を延長できれば余裕ができたかもしれない。2幕は1時間10分で、戴冠式から凋落までを描いています。完全新作オリジナル作品なので、上演してみて判ったという所も出てきていると思います。この調子でいくと、中日にはすごい進化を遂げていそうです。必ずリカバリーしてくるでしょう。走り書きですが、とりあえず気になるところだけ上げておきました。
最初の上級生vs.下級生(ナポレオン側)でやった雪合戦の場面は、何をやっているのか判らなかった。上級生から睨まれているナポレオンが、下級生側のリーダーになって勝利したのは判るが、作戦の内容がさっぱりわからず、どうやって人数的に不利なナポレオン達が勝利したのか、ナポレオンの凄さがいまいち伝わってこない。この場面はナポレオン@柚希 礼音とマルモン@紅 ゆずる、ブリエンヌ@壱城 あずさが士官学校の先輩・後輩だったことを出すために挿入されているのだろうか。この場面は必要性があるので挿入されていると思うのだが、しっくりこなかった。舞台の両脇にある雪だるまは可愛い。←上級生を押しつぶすのに使われていたように見えた(笑)。
- プロローグ
- ナポレオン士官学校(雪合戦)
- フランス革命
- テルミドールの反動(ロベスピエールら失脚)
- ヴァンデミエールの反乱(コルシカの大砲男の誕生)
- ジョゼフィーヌとの恋と結婚
- イタリア遠征(対オーストリア軍)←ジョゼフィーヌ浮気
- エジプト遠征(対イギリス)←離婚の危機
- 第一執政時代
- アルプス越え(対オーストリア軍)
- 内政
- 皇帝即位決定
2幕の戴冠式は、お衣装や大道具・小道具、セットも全て絵画にそっくりで、スタッフさんの意気込み伝わってくる。遠目でも場面を構成する全てがしっかりとした作りで、お衣装の生地の厚みや質感が素晴らしく、再現率が高く、感嘆の一言である。ナポレオンは皇帝即位で人生の絶頂期を迎え、同時に凋落が始まる。戴冠式が豪華絢爛であればあるほど、その後に来る、ジョゼフィーヌの嘆きとナポレオンの敗北感がしみじみと感じられる。
エピソードが多い分、込められたテーマが錯綜しており、物語の流れの中で強調すべき箇所と抑えるべき箇所がまだ見えていない。この舞台の創造者が一番伝えたいことはなにか。もうちょいかな。もうちょい。
- 戴冠式
- ナポレオン王朝と後継者問題
- ジョゼフィーヌと離婚
- マリー・ルイーズと再婚
- ナポレオン2世の誕生
- ロシア遠征(対ロシア軍)
- 首都パリ陥落←兄ジョゼフの決断とマルモンの裏切り
- ジョゼフィーヌの死
- エルバ島追放
- フィナーレ
続く。