風共Bパターンの3日目に観劇してきました。七海スカーレットが予想以上にリアルな等身大の女性だった。
役名 | Aパターン | Bパターン |
スカーレット | 朝夏まなと | 七海ひろき |
アシュレ | 悠未ひろ | 朝夏まなと |
ルネ | 七海ひろき | 悠未ひろ |
スカーレットII | 純矢ちとせ | 伶美うらら |
メイベル | 伶美うらら | 純矢ちとせ |
朝夏スカーレットは、誇り高く行動力もある極上美人。プロローグでアシュレ@悠未ひろに寄り添って、アシュレだから笑ってあげてもよろしくてよ、ツン!みたいな高飛車感を漂わせて微笑んでいて、ドンピシャの王道スカーレットだった。そして純矢ちとせのスカーレットⅡもあまりにも愛らしかったので、「やくがわりしなくてもいいじゃん」とかいっしゅんおもったのはわたしですごめんなさいごめんなさい。
七海スカーレットは、「かわいいは正義」だった。プロローグでは、アシュレ@朝夏まなとが寄り添うと素直に喜んでいる。フィナーレでは、レット・バトラー@凰稀 かなめをみつめて、超ご機嫌姫。かわいい。
アトランタ駅で列車が到着し、スカーレット@七海ひろきが、降り立つ。七海ひろきのスカーレットは、どこかに「普通」の感覚を宿している。たとえば地方都市から上京してきて、「ああ、やだやだ。騒がしい」と口では言いつつ、内心では「田舎者だと思われないようにしなくちゃ」と気合いを入れていそうな。そしてレット・バトラー@凰稀 かなめは陰からその表情を見て楽しんでいるわけですね、わかります。
レット・バトラーが帽子を持ってくる場面(第1幕第9場)では、スカーレット@七海は、完全にレット@凰稀に行動パターンを見透かされて、こう言うとこう行動するかな、と思われているフシがある。自分の言った通りに「お帰りになって」と出口を指し示すスカーレット@七海に、楽しそうなバトラー@凰稀。この時点では初心な小娘を、からかっているただのおや…いやいやいやいやくぁwせdrftgyふじこlp…保護者のようである。
1幕目までは七海スカーレットは凰稀レットに対して憎からずという態度なので、二人の間に緊迫感はあまりなく、その分を後半に向けて「ためて」いる。第2幕に入ると、凰稀レットと七海スカーレットが二人で話す場面はなく、新築披露パーティ(第2幕第7場)→ウィルクス商会でアシュレがスカーレットを抱擁(第2幕第9場)→バトラー邸で泥酔したレットとスカーレットが言い争いをする(第2幕第12場)、という流れで、突如としてクライマックスが来る。
第2幕第12場での泥酔したレットの激情ぶりがすごかった。泥酔して荒れるレット・バトラーに、怯えて攻撃的になるスカーレット。その態度にさらに激高して寝室にスカーレットを連れ込もうとするレット。あらがうスカーレットが階段から落ちる。凰稀 かなめの演技がAパターンより激しい気がした。これは演技の進化なのか?Bパターンだからの激しさなのか?(判断保留)。とりあえずフィナーレのNight and Dayを見て、Bパターンのレットとスカーレットは仲直りできそうだなという(勝手な)結論に達した。※
伶美 うららのスカーレットⅡは、七海ひろきのスカーレットと姉妹のようだった。純矢ちとせのスカーレットⅡは、「私の出来ないことを本体にやらせちゃお。うふふ」っていう一歩引いた感があるのだが、伶美 うららのスカーレットⅡは、スカーレットと共に歓び共に悲しむ分身として舞台を盛り上げていた。
朝夏まなとのアシュレは、強いアシュレだった。薪割りの場面でも、まだ戦前の凜々しさを残していて、七海スカーレットの誘いを拒むが、「私には何も無いんだわ」と嘆く彼女を慰めようとするあたりに南部の男性像が残っている。レット・バトラーの名前を出したときは、このアシュレはレット・バトラーに一目置いているのかも、という力強さがあった。朝夏アシュレを完全に打ち砕いたのは、戦争ではなくて最愛のメラニー@実咲 凜音の死。こういうアシュレもありだなぁ。そういえば新築披露パーティに、アシュレとメラニーが睦まじく寄り添って出席していたのを2階からオペラで見ていて気づきました。
悠未 ひろのルネと純矢ちとせのメイベルは、包容力カップルだね。ルネ@悠未が青年達に混じっていると、自然とルネに注目が集まる。メイベル@純矢が「皆さんが私たちを守ってくれたのよ」という柔らかな笑顔が明るくて可愛らしい。そして圧倒的歌唱力で場面を支配する悠未 ひろ。「故郷は緑なり」は名曲です。
役替わりがあり、レット・バトラー@凰稀 かなめも、スカーレットの乳母マミー役の汝鳥 伶も微妙に対応を変えているのだが、主軸の骨太な演技が安定しているので、全体の雰囲気が保たれていた。良かった。
※【ここは妄想】スカーレットを傷つけたことでレットにも引け目ができたので、アシュレとの噂を立てられたスカーレットとイーブンだねとか、あのまま寝室にたどり着いて一夜を明かしちゃったら二人の関係はどうなっていただろうかとか、スカーレットが商売を始めたことで、二人の関係が保護者と被保護者ではなくなったのが、レットをあんなに揺るがした理由なのかなぁとか、いろいろ想像してみたが、フィナーレで超ご機嫌姫を見て思考停止しました。