[Zuka] 実在の人物特集

スカイステージで、花組公演に合わせた実在の人物特集というのをやっていて、『ソルフェリーノの夜明け -アンリー・デュナンの生涯-』(’10年雪組・東京・千秋楽)、『THE LAST PARTY~S.Fitzgerald’s last day~フィッツジェラルド最後の一日』 (’04年月組・バウ)、『黎明の風-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-』(’08年宙組・宝塚)を視聴しました。

自分用メモとして、走り書きで感想を書いておきます。

  • 『ソルフェリーノの夜明け -アンリー・デュナンの生涯-』:赤十字を創設した、スイス人実業家アンリー・デュナンの姿を通し、命の尊さ、そして国籍、人種宗教などにかかわらず、人類が平和に暮らしていくことの大切さを描く。作・演出は植田紳爾。’10年雪組・東京宝塚劇場・千秋楽。水夏希、愛原実花、彩吹真央 他。

サルデーニャ王国(現在のイタリア)のソルフェリーノで、オーストリア軍とフランス・サルデーニャ連合軍との戦いに行き逢わせたアンリー・デュナンが、負傷者や屍の累々とした戦地の状況に衝撃を受け、野戦病院と化した教会でボランティア活動をし、「敵味方無く人道援助を」と赤十字の構想を思いつくまでを描いたもの。場面の切り替えが少なく、ストレートプレイのようなセリフが多い。舞台を盛り上げて行くには、キャストの演技力が必要ですな。水夏希が熱くアンリー・デュナンを演じている。植田紳爾氏の作品は伝えたいことが直球で判りやすい。

  • 『THE LAST PARTY~S.Fitzgerald’s last day~フィッツジェラルド最後の一日 』:アメリカ文学を代表する作家、スコット・フィッツジェラルドの物語。宙組、月組で連続上演されたものの月組版。’04年月組・宝塚バウホール。作・演出は植田景子。大空祐飛、紫城るい 他。

祐飛さんの出世作。若きフィッツジェラルドが、流行作家になり、零落するまでを描いている。おまけに語り手として、祐飛さんが出だしから、フィッツジェラルドの死を物語るので、最初から舞台に寂しい感じが漂っている。本当に哀愁漂う人物が似合う。植田景子氏の演出は凝っていて、楽しい。

  • 『黎明の風-侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦-』:吉田茂の懐刀として自らの信念を貫き、戦後日本の復興・独立に「舞台裏」から尽力した白洲次郎の生き様を、夫婦愛、敵対する者との友情、そして、平和へのメッセージを込めて、壮大にミュージカル化した作品。作・演出は石田昌也。’08年宙組・宝塚大劇場。轟悠(専科)、大和悠河、蘭寿とむ、汝鳥伶 他。

この夏見た、映画『終戦のエンペラー』【→感想】を彷彿とさせるストーリーだったが、2008年の作品というあたりで宝塚歌劇の偉大さを知る。マッカーサーが当時の宙組トップの大和悠河なので、やたら格好良いのが違和感あれど、大和悠河の表情の変化や演技は見応えあった。そして、白洲次郎役の轟理事がすごい。天皇陛下からのプレゼントをマッカーサーにぞんざいに扱われ怒る場面とか、マッカーサーが日本を去るときに、昭和天皇と会談したエピソード(昭和天皇が、責任は自分にあると話した)を聞いて涙ぐむ場面とか、真情が籠もっていた。吉田茂役の汝鳥伶も舞台に重みを持たせて、存在感が際立っていた。私めのお気に入り舞台リストに入りました。