[Zuka]2011年星組オーシャンズ11

花組「オーシャンズ11」のチケットを確保したので、予習で、2011年星組「オーシャンズ11」を視聴する。2011年11月から2012年2月までの公演。

もとは、1960年公開のアメリカ映画『オーシャンと十一人の仲間』のリメイク2001年版映画「オーシャンズ11」。それを小池修一郎が、タカラヅカ版に作りなおしたものが、星組オーシャンズ11。トップコンビニ加えて星組の豊富なスターたちが、小池修一郎のしっかりした脚本と演出によって存分に活躍し、充実して安定した舞台になっている。

トップコンビの柚希礼音と夢咲ねねは素晴らしい。柚希の華やかでワイルドな逞しさと夢咲の繊細でチャーミングな美しさが相互に調和し、観ていて楽しい。柚希は、哀愁や翳りも渋い成熟した男役。夢咲は理知的で自分を持っている娘役。いいねえ。

ベネディクト@紅ゆずるとライナス@真風涼帆は、若干ぎこちないところがあるけれど、ソール@未沙のえる、リカルド@英真 なおき、ラスティー@涼 紫央、クイーン・ダイアナ@白華 れみの演技が素晴らしくて、若手の未熟さを補って余りある威力。柚希ダニーと英真リカルドを中心として歌うNEVER GIVE UP、涼ラスティーのJUMP!など星組メンバーが歌うナンバーもわくわくする魅力がある(この後、この4人が全員退団or組替えで抜けたのが残念)。

星組は、ショーやダンサブルな演目だとダンサー柚希の独壇場なんだけど、お芝居だと個々の個性が発揮されて見応えあるなぁ。

観ていて、ほんの小さな難といえば、一幕目で夢咲テスが、柚希ダニーと遭遇するたびに怒り狂って離婚を迫るので、観る側には、テスの真意が全然わからないこと。だって、ダ ニーはテスを取り戻すのが、(カジノ強盗より)主眼のはずなのだけど、あそこまでテスが怒っていると、それは無理なんじゃね、とタカラヅカ的な期待感が盛り下がって一幕目が終わる。まぁ、でもそこはタカラヅカ。最後には上手くいくんだろうなと思っているので、大きな瑕疵ではないんだけど。

ちなみにベネディクトは、本気でテスを好きなんだと思った。美しいお人形、純真なアイドルとして。独裁者ベネディクトは、金か暴力で物事を解決してきたので、対等な人間関係築くのに慣れてないんじゃないかな~と思わせるベニー(紅ゆずる)の演技でした。Good Job!

(変装とか小細工とか、「ルパン三世」ちっくでおかしかった。ダニー・ルパン、ラスティー・次元、ライナス・五右衛門っw)

【あらすじ】刑務所での4年間の服役を終えて、仮釈放されることになった詐欺師ダニー・オーシャン(柚希 礼音)は、妻のテス(夢咲ねね)が、ラスベガスのホテル王テリー・ベネディクト(紅ゆずる)のフィアンセと噂されていることを知る。テスは服役中のダニーに11回も離婚届を送りつけ、離婚を迫っていた。

ダニーは、ムショ仲間から、ベネディクトが金儲けのためなら手段を選ばない冷酷非情な男であることを聞いており、テスを取り戻し、ベネディクトに一泡吹かせるために、いかさまトランプ師のラスティー(涼 紫央)にカジノ強盗の計画を持ちかける。ベネディクトが経営する3つのホテルにはカジノが設置され、莫大な収益を上げているのだ。ラスティーは、恋人のポーラ(音波みのり)の祖父リカルド(英真 なおき)が経営するクラブの土地をベネディクトが狙っていることを知り、計画に賛同する。

一方、ベネディクトは、エコロジーをテーマにした新しいホテルを造り、環境保護運動に関わっていたテスをそのホテルの看板スターとしてデビューさせることを考えていた。テスは、ベネディクトが環境保護団体エバー・グリーンに資金提供を申し出たことに喜び、ベネディクトの求愛を受け入れる。

警備が厳重なホテルに潜り込むため、ダニーとラスティーが集めた仲間は、ベネディクトに自分のカジノを潰されたルーベンや、昔仲間の詐欺師ソール、天才スリ師のオヤジに比べられるのがコンプレックスになっているスリのライナス、ディーラーのフランク、マジシャンのバシャー、ハッカーのリビングストン、大道芸師イエン、映像加工が得意なバージル・モロイとターク・モロイ兄弟の9人。オーシャンズ11の誕生である。

というのが一幕目まで。二幕目は、ホテルに潜入したオーシャンズ11がまんまとカジノの収益を強奪し、テスの奪取に向かうダニーを一気に描く。両幕ともふんだんに見所があり、目がはせません。

■主演・・・柚希 礼音、夢咲 ねね
NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
ミュージカル 『オーシャンズ11』
OCEAN’S ELEVEN and all related characters and elements are trademarks of and © Warner Bros. Entertainment Inc.(s11)
脚本・演出/小池修一郎

宝塚大劇場公演 公演期間:11月11日(金)~12月13日(火)
東京宝塚劇場公演 公演期間:1月2日(月)~2月5日(日)
  • ダニー・オーシャン:柚希 礼音
  • ソール・ブルーム:未沙 のえる
  • ラスティー・ライアン:涼 紫央
  • ルーベン・ティシュコフ:美城 れん
  • イエン:鶴美 舞夕
  • フランク・カットン:夢乃 聖夏
  • バシャー・ター:壱城 あずさ
  • リビングストン・デル:美弥るりか
  • バージル・モロイ:如月 蓮
  • ターク・モロイ:天寿 光希
  • ライナス・コールドウェル:真風 涼帆
  • リカルド・ニック・スタイン:英真 なおき
  • ポーラ:音波みのり
  • テリー・ベネディクト:紅 ゆずる
  • テス・オーシャン:夢咲 ねね
  • クィーン・ダイアナ:白華 れみ