[Zuka] 1週間前の宙組『モンクリ』2回目(再投稿)

(※3/31 いつもと雰囲気が違うと不評だったので修正しました。)
宙組『モンテ・クリスト伯』2回目の観劇は25日(月)。バタバタしていて、1週間も経ってしまった。

3月16日に見た2日目の舞台よりも、全体が馴染んできていて、落ち着いて滑らかに進んでいた。今回は、19世紀初頭に生きる人たちを見守るハイスクールの演劇部員達に共感として、舞台を観た。

パンフレットに載っている石田昌也(脚本・演出)の言葉によると、『宙組版モンテ・クリストは忠臣蔵とも曾我兄弟ともハムレットとも違い…復讐物語ではあるが「許し」「希望」そしてメルセデス役の実咲凜音との愛の葛藤場面も考慮し、春先ということもあって(ネタばれ削除*)ハッピー・エンドを強調した』とある。演出家の意図としては、「必殺仕事人」の復讐者に共感するのではなく、演劇部員達に共感して観察者として見て欲しいのだと感じた。*引用者による

一緒に行った「宙組版モンクリ」初見の友人は、原作も読み、アニメ巌窟王【→公式WEB】も観ている『モンテ・クリスト伯』好き。観劇後に感想を聞いたら、「すごくがんばってまとめているね」、「あれくらい説明しないと判らないよね」と喜んでいた。心配していたハイスクールの演劇部員達の場面も面白かったそうで、安堵した。

宝塚歌劇が宝塚歌劇たるゆえんを理解している座付き作家の脚本・演出だから、オリジナルであろうが、原作付きであろうが、「タカラヅカ版」と呼べる。「タカラヅカ版」に昇華している作品は、どんな物語であろうと(たとえ復讐ものや不倫ものであろうと、主役が犯罪者であっても)、「清く正しく美しい」作品になっていると思う。

宝塚観劇ベテラン様の観劇録を読み、これを書いているのだが、私が観て違和感を感じる舞台というのは、「宝塚歌劇として成立」してないということなのだと理解した。インターネット時代で、いろんな意見や感想を読むことができるというのはありがたい事だと思う。(もちろん弊害もあるが、それはまた別の話である。)

観劇は本と違って、チケット価格が高いので、リピーターする宝塚歌劇ファン以外の一般の人や初心者には、「良いもの」を見せたい。楽しんでくれると、本当に嬉しい。宝塚歌劇は、前売りがB席3,500円・A席5,500円なので、舞台公演としては安いほうだと思うのだが、それでも映画1,800円(映画の日は1,000円)や本(文庫なら1,000円以下が多い)に比べると倍以上である。しかし、目の前で観る舞台のライブ感は映画とは違う良さがあり、やめられない。

今回、あおきは、ルイジ・ヴァンパ@七海ひろきをオペラグラスで、追ってしまった。野性味があって、義侠心のあるボス(役)という感じにお芝居がこなれてきた。今後が本当に楽しみな役者さんである。

そして、ルイジ・ヴァンパの愉快な子分達のムハマンド@凛城 きら、ハッサン@松風 輝、アリ@星吹 彩翔は、方言(薩摩弁?)で話しているのが話題になっているが、彼らが別人に変装して出て来ても、観客には正体がすぐに判るメリットを発見した。なるほど上手い演出である。

開演直前に客席から拍手が起こって何かと思ったら、星組メンバーがトップコンビちえ・ねねを先頭に、入場行進してきた。星組ご一行様ご観劇。舞台も客席も華やかな日だった。1週間前のことである。