[diary] COVID-19パンデミック雑記(41)パンデミックは人類の不幸

ばら/ピース(Peace)かな。

2021年4月25日(日)、東京都、大阪府、兵庫県、京都府を対象として3回目の新型コロナ・ウイルス感染症(COVID-19)緊急事態宣言が発出された。

新型コロナ・ウイルス感染症の流行が始まって1年余。国民は感染を避けるために、生活に必要なサービスや仕事以外の不要不急の外出は控えるようにとされ、劇場やコンサート、スポーツの観覧、旅行、会食や飲み会といった趣味や娯楽、息抜きの活動は制限されている。


2020パンデミックが始まり東京オリ・パラが延期になった

思い起こせば去年の2月は、DP号のCOVID-19 船内感染拡大騒動が起こり、続いて2020年2月(令和2年)2月26日に出された方針により、イベントや公演自粛の嵐が始まった。

(安倍総理)
政府といたしましては、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします。(太字は引用者による)

首相官邸ホームページ>【新型コロナウイルス感染症対策本部(第14回)において令和2年2月26日

世界的に新型コロナウイルス感染症は拡大していき、3月11日にはWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が、「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)と言える」と表明。

この後に何があったか。

3月24日に東京オリンピック・パラリンピックの延期決定が発表された。去年もIOCが土俵際で粘ってたんですね。

2020年3月24日。新型コロナウイルスの感染が世界に拡大する中、東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期が決定。3月30日には2021年夏に延期されることが決まりました。

“コロナショック” 史上初の1年延期決定までの経緯 】| 東京2020オリンピック | NHK (2020年4月20日)

そして3月29日に志村けんさんが新型コロナウイルス感染症で死去。国民的コメディアンと呼ばれた、志村けんさんの訃報に国内は騒然となった。

「志村けんさんでも治らないんだ」。何故か私もそう思った。

新型コロナウイルスに感染し、入院して治療を受けていたコメディアンの志村けんさんが29日夜、新型コロナウイルスによる肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。70歳でした。

コメディアンの志村けんさん死去 新型コロナ感染で肺炎発症) | NHKニュース(2020年3月30日) 

そして2020年4月7日、第1回目の緊急事態宣言が、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に発出。4月16日に全国に拡大された。

5月25日の宣言解除後に、当時の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月29日)において「感染時期のピークは4月1日頃」と分析した。(この分析を根拠に「緊急事態宣言は不要だった、自粛は関係ない」論が巻き起こったこともあったががががそんな論は論外だ)。

3月24日オリンピック延期ショックと3月29日志村けんさん死去ショックの影響は大きかった。多くの人達が外出や行楽を自粛し始めた。


2021パンデミックは人類の不幸。歓喜の歌を歌えるのは来年以降

去年2月当時、私は感染症や医療、公衆衛生に詳しくない素人は退避(STAY HOME)してろという意味合いだと理解したが、ライブエンターテイメント業界には大きな傷を与えた。緊急事態宣言に先駆けて始まったイベント自粛要請は、公演自粛という名の公演休業要請で、仕事をするなということなのに、経済支援は手薄だった。

演劇人が、「自分たちのテリトリーでおとなしくやりたいだけだ」(意訳)という正直な声明をしたら、非難轟々の火だるまになったりして、公演を続けたいという声はしぼんでいった。

知人によると、朝のNHK連続テレビ小説『おちょやん』で、戦時中に芝居や演劇など不謹慎だ!と千代(杉咲花)が警官に怒られた場面があったが、そういう気持ちになったらしい。

新型コロナウイルス感染症の流行が始まってから”不要不急”という言葉が頻繁に使われるようになった。「”不要不急”のものは自粛するように」と。”不要不急”の外出、”不要不急”の仕事、”不要不急”の活動…。

観劇は不要不急じゃないよ!(必死)

そして、その対義語のように使われたのが、”エッセンシャル・ワーカー”という言葉。日本では、”必要不可欠な仕事に従事する人”という意味合いで使われていたが、もとは「人々の生命と財産の保護を行う ”the safety of human life and the protection of property”、そのために働く従事者、労働者”essential employee”」という定義である。

そういえば最近は聞かないね。

去年は緊急事態宣言発出前の4月1日に新規感染者数がピークだった。では、2月26日から始まったイベント自粛の効果、影響はどの程度あったのか。

日本が国防だウイルスとの戦争だって兵站を無視した根性戦略に走ろうとするのは、伝統なのか何なのか。

いろいろ疑問は湧いてくるのだが、「不要不急」に傷ついた業界は再開後にストイックになった。

無観客のライブ配信やオンライン演劇などが行われ、劇場やライブハウスは感染拡大防止のための取り組みをどんどん強化していった。入り口での検温と手指消毒、マスクの着用を義務化し、場内や客席の換気の強化、会話の制限を行い、劇場内や客席で飲食禁止にしたところも多かった。出演者やスタッフは外食や旅行、人との交流を制限し、稽古場ではアクリル板に囲まれてマスクをつけ、定期的に新型コロナ・ウイルス感染鑑別のためのPCR検査を受けていると聞く。

公演関係者の感染が判明すると公演は中止になるため、舞台愛好家たちは戦々恐々としながら自己管理し、劇場に足を運んでいた。

そこに三たび目の緊急事態宣言が出された。

宣言に「社会生活の維持に必要な」、「生活必需」なもの以外は無観客か休業要請という言葉を見出し、ややうんざりした気分になった……ことは事実である。私も一応、日本公衆衛生学会の末端にいるので、変異して感染力と病原性が増した感染症のまん延を放置できないことは理解している。重症者の増加と医療体制のひっ迫・崩壊は恐ろしい。知人・友人や家族に広がるのもいやだ。

だが感染症と餓死(経済崩壊)とどっちがいいのか迫られると困る(やや誇張)。

その緊急事態の真っ只中において政府やIOCは、夏の東京オリンピック・パラリンピックは開催できるという。選手には優先的にワクチンを接種するという。だが来日する選手以外の大会関係者は半減しても9万人になるという。

「私権の制限はできない」と言いながら、国民のストイックさに甘えてないか、それは??

パンデミックがなかったら、東京オリンピック・パラリンピックは多少の批判層や無関心層がいても、大多数に祝福されて賑々しく開催できていた。スポーツの意義やアスリートの責任には全く関係ない。病を克服して晴れ舞台で活躍する姿は私だって見守りたいがががが今は置く。

IOCが土俵際で粘ってるんだったら、寄り切れよ!!

 

パンデミックは人類の不幸。有効性と安全性の高いワクチンは福音である。国内で歓喜の歌を歌えるのは来年以降になるだろう。