[diary][Zuka] パンデミック雑記(番外)108期生の入学式

amiyaoさんによる写真ACからの写真


108期生の入学式

5日に、宝塚音楽学校で108期生40人の入学式が行われました。108期生の合格発表は3月27日。入学式は4月17日に行われる予定でしたが、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大防止のために4月7日に緊急事態宣言が発出されて、入学式が延期になったんですね。

5月25日にすべての都道府県において緊急事態宣言が解除になって、ようやく全国から合格者が集まれる状況になり、開催の段取りがつけれたのかなと思います。

108期生の皆様、入学おめでとうございます。2ヶ月近くの休校で例年と異なることもあると思いますが、2年後の初舞台を目指して学校生活を充実させてくださいね。

記事によると例年の入学式から色々変更が行われ、感染予防策が取られたようです。

  • 場所を音高講堂から宝塚大劇場ロビーに変更
  • 天井から換気
  • 校歌の斉唱なし。テープ音源を流す。
  • 壇上にはアクリル板設置
  • 身体的距離を確保した席配置と整列
  • 参列者人数の制限(生徒の保護者は2人まで)
  • 参列者はマスク着用
  • 本科生が入学生に校章をつけるセレモニー中止

入学前に受ける自衛隊での訓練も中止になったようです。これはかわいそう。内容は知らないですが、舞台において集団で統制の取れた動きをするために役立つ訓練なんだろうと推測してます。日程調整できないのでしょうか。

宝塚歌劇は6月末までの公演中止の発表がなされたままですが、宝塚大劇場は京阪神の観光拠点のひとつなので感染予防策をしっかり取るのは重要だと思います。公演が始まったら全国から観劇客が集まってきます。

それから出入国制限はまだ緩和されていませんが、空港検疫でほぼ毎日入国者の陽性報告が出ているので、海外からの観光客や帰国者が増えたら、空港検疫をすり抜けてウイルスが流入することは十分に考えられます。

(欧米の新規感染者がやや減少してきたら、ロシアに続き、中南米が感染爆発を起こしてるので、インバウンドビジネスの先行きが読めない。アメリカの死者は10万人を越えました)。


合唱による感染拡大リスク

校歌斉唱がないのがトピックス的に取り上げられていますが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からいうと、歌を歌うこと、特に歌い手が密集する合唱形式はハイリスク行為になります。

下記に論文によると、合唱練習に参加した61名の中に風邪様症状の者が1名おり、その結果53名のクラスター(集団感染)が発生しています。3名入院、うち2名死亡。

専門家会議の状況分析でも、クラスター感染(集団感染)が生じやすい環境は、換気の悪い密閉空間・人が多く集まる密集場所・間近で会話や発生する密接の「三密」と歌うこと・大声で話すことによる飛沫感染です。

感染拡大防止のために三密の回避、身体的距離の確保、マスクと手洗いと言われていますが、舞台上の歌うフェアリー達にマスクを着用させるわけにもいかないと思います。

密閉を回避するために換気を行うこと。舞台上だけではなくて、カゲ・コーラス室の換気も必要ですよね。ライブ・ハウスやカラオケルームとか防音のために密閉空間に近いから再開が警戒されるんでしょう。ライブやミュージカルは、十分な感染予防対策が必要になります。

「図表2 顔面粘膜への飛沫付着量、飛沫付着数の分布」よると、「(飛沫付着量は)、顔面粘膜には90cm離れれば非常に少なく、120cm離れればほぼゼロになる」そうです。身体的距離を取る場合は最低1メートル、可能ならそれ以上が望ましい。

それと喉が痛い、咳がある、熱っぽいなどの体調不良を感じた場合は医療機関に行く、休養を取れるような環境づくりも大事だと思います。私も経験があるのですが、今、休まなきゃ悪化すると感じる瞬間があったりするんですよね。そういう時に休めることが何かを増悪させないために重要かもしれないと思ったりします。音楽学校は規律が厳しいのが特徴ですが、体調不良時には無理しないで医者に行く、休養を取ることも健康管理のうちだと教えていただけるよう、お願いいたします。


High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020

2020年3月17日、ワシントン州スカジット郡合唱団は、122名の合唱団員のうち、数人が病気になったことを、Skagit County Public Health (SCPH) に報告。3名が、COVID-19を起こすウイルス、SARS-CoV-2 のtest(PCR検査)で陽性であった。他の25人に症状があり、SCPHは合唱団員の名簿を入手し、3月18日調査を開始した。

3月10日の合唱練習に参加した61名のうち、風邪のような症状がある人が1名 (index case)。このうちの確定33名と疑いのある20名の計53名の感染が判明。(secondary attack rates of 53.3% among confirmed cases and 86.7% among all cases). 

53名のうち、3名が入院し (5.7%)、2名が死亡した (3.7%)。

3月10日の練習に参加した61名の合唱団員の中で、年齢の中央値は69歳 (range = 31–83 years)。84%が女性であった。

index case,
33 confirmed and 20 probable cases,
unaffected person

Hamner L, Dubbel P, Capron I, et al. High SARS-CoV-2 Attack Rate Following Exposure at a Choir Practice — Skagit County, Washington, March 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2020;69:606–610. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/69/wr/mm6919e6.htm?s_cid=mm6919e6_w