[Stage][Zuka] 宝塚歌劇の再開と感染予防対策の徹底

6月15日の花のみち


宝塚大劇場の営業再開ならびに宝塚歌劇公演の今後のスケジュールについて

劇団四季6月8日に公演再開のスケジュールを公表し、宝塚歌劇はいつになるのかと思っていましたが、本日、「宝塚大劇場の公演を7月17日(金)より再開する」との発表がありました。ひとまずおめでたい。歌劇団の取り組みに感謝と敬意を表したいです。

花組 宝塚大劇場公演『はいからさんが通る』について

公演期間:2020年7月17日(金)~ 9月5日(土)
新人公演:8月4日(火)

まずは宝塚大劇場公演から再開。演目は花組『はいからさんが通る』。

柚香光・華優希トップコンビの大劇場お披露目公演です。ようやくですね。柚香光様、華優希様、花組の皆様、おめでとうございます。❤(ӦvӦ。)オ(・。・)メ(・◇・)デ(・△・)ト(・0・)ウ(・ー・)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染予防策のため公演内容の変更や販売座席数の大幅な削減を余儀なくされています。期間が延びたため、公演回数は54公演から64公演と10公演増加しているようですが、座席料金は変更なしでいくんですね。いずれ座席数が回復しても4か月に及ぶ公演中止の損害を取り戻すには厳しい面がある気がします。見守りたいです。

スケジュールの見直しに伴って、中止となる公演の発表もありました。大劇場公演は、一旦リセットして、順番は変わらずに日程のみの変更とし、スケジュール等を仕切り直しするのでしょう。

花組後に、月組公演(106期生初舞台公演)『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』、宙組公演 三井住友カードミュージカル『アナスタシア』と続く予定。大劇場公演は順次ずれ込んで行くことが予想されます。

東京宝塚劇場の営業再開が決定次第、お知らせだそうです。


政府および自治体等による感染拡大予防のための各種ガイドラインに基づき、施設内の感染予防対策を徹底する

宝塚大劇場店舗の感染予防対策について)】告知されていますが、劇場側の細かい段取りが大変だろうと思います。出かけると、あちらこちらで過剰気味にも思える感染予防策が取られていますが、今はまだ手探りで折り合いをつけれる頃合いを探る段階なのでしょう。

私はマスクして無言で座っていられる観客席より舞台上にいるマスク無しの演者のほうを懸念しています。ただ観客も観劇中に近隣の人がマスクなしで咳やくしゃみをしても席から動けない。これは宝塚歌劇だけの話ではないですが、観客はマスクの着用などの新しいマナーも求められることになります。

劇団四季は、公益社団法人全国公立文化施設協会の【劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン ガイドライン 5月25日改訂版(PDF)】に基づいて感染防止策を取り入るとアナウンスしていますが、いまのところ劇場については当該ガイドラインがユニバーサルなのかなと思っています。

小劇場については小劇場協議会からガイドラインが出されており、緊急事態舞台芸術ネットワーク」(JPASN)でも劇場再開に当たっての「ガイドライン」制作中ということです。


座席の間隔を前後左右1席ずつ空けるとともに、最前列の座席販売は見合わせ

宝塚大劇場と東京宝塚劇場は、銀橋を使わなければ、舞台と客席の物理的距離は2メートルは十分にあるのですが、銀橋を使う演出はそのままなんでしょう。SS席の最前列の販売を見合わせるという形になっています。

座席の間隔を前後左右1席ずつ空けることにより、販売座席数は収容定員の約50%。「定員の半分の人数での再開」という政府の指針については、見直しの報道もあります。

西村康稔経済再生相は12日午後の会見で、8月を予定している劇場などでのイベント再開に向けて、人工知能(AI)を活用した飛沫のシミュレーションも使って業界や流体工学の専門家などと検討を行う方針を強調した。政府としては定員の半分の人数での再開を検討していたが、採算面で厳しいとの声が多く、関連業界とともに工夫する構えだ。

「定員の半分」というのは密集を避ける、席の間隔を空けるというのは身体的・物理的距離(Social Distancing)を取るということだと思います。

Social Distancingは、国によって距離が違うと指摘されていて、WHOは最低1メートル推奨だそうです。1メートルで感染リスクが低減するという論文も出てきているので、飛沫のシミュレーションなどの科学的な検証のもとに状況ごとに調整できるようになれば良いなと思います。

パンデミック以前の感染予防策は手洗い・うがいと咳エチケットが中心だった。それだけしかやっていなかったし、それすらも十分に出来てなかったなぁと我が身を振り返って思い至る。

オーケストラピット内での感染予防対策のため、録音演奏

ひとまず録音演奏で再開。オケピ内は狭いから、演奏者同士の間隔を2メートル空けるのは無理ですね。

東京都交響楽団では2日間試演を行い、楽器演奏時の飛沫の拡散状況を調べたそうです。測定結果は近い内に公表されるそうですが、実験を積み重ねて感染予防策の根拠を作っていくしかないんですよね。Twitterで試みを知ったときは感銘を受けました。COVID-19 流行状況が落ち着いてきたから出来る取り組みです。NHKとTBSが取材しているそうですので、番組を楽しみにしています。

宝塚大劇場チケットカウンター、電話受付ならびに各プレイガイドでの販売はなし。宝塚友の会会員先行販売を中心に販売。当日券の販売なし。

チケットカウンターやプレイガイドでは販売せず、宝塚歌劇Webチケットサービスでの宝塚友の会会員先行販売を中心に販売するということは、「公演ごとに、来場者の氏名及び緊急連絡先の把握に努めててください」という ガイドラインに則り、万が一の場合は来場者の追跡を行いやすくする措置も含んでいるのでしょう。生徒の会(私設ファンクラブ)での取次は個人特定が可能ですしね。

入場認証システム対応(IC機能付き)の会員証での入場推奨というのも、紙チケットもぎりによる接触を減らすためですね。QRコードでも入場できるので、会員証カードまたはQRコードだと、素早い入場が可能となります。

当日券の販売はなし。当日券を求めて深夜早朝から正門前に密な列を作っていた光景もしばらくは見られなくなります。あれで当日券が買えると妙な達成感があるのですけどね。

通常の当日B席ならびに立見席は一般前売にて販売するそうです。

なにはともあれ、観劇できるのが楽しみ。チケットが取れますように。「安全」というものは営々とした努力の積み重ねで得られるものなのだなと、こんなときに思い知ります。


「緊急事態舞台芸術ネットワーク」(JPASN)

5月14日に発足した「緊急事態舞台芸術ネットワーク」(JPASN)【公式サイト】。新型コロナウイルスによる演劇界の危機的状況を受けて緊急的に組織されたネットワークです。

発足当初には宝塚歌劇が入っていなかったので気にしていたのですが、6月14日(月)、JPASNの公式Twitter(@j_p_a_s_n)で新たな劇団・団体の加入がアナウンスされ、宝塚歌劇も加わったようです。