フレンチ・ミュージカル『ロックオペラ モーツァルト』
The Musical ≪Mozart, l’opera rock≫
Produced by WAM PRODUCTIONS
International Licensing & Booking, G.L.O, Guillaume Lagorce, info@glorganisation.com
潤色・演出/石田 昌也
年明けしちゃいました。『ロックオペラモーツァルト』もまだ覚えてますけど、はや懐かしくなった。タカラヅカニュースの初日映像と千秋楽映像を見直して書いております。
『ロックオペラモーツァルト』を振り返ると思い出すのが、モーツァルト(礼真琴)が酒場で歌う場面で、もし僕が女だったら、こじらせ女子さって歌う場面です。
こじらせ女子!
そんな、なうでやんぐな若者言葉を使われてもわかんないですせんせい。って思って調べてみました、こじらせ女子の特徴。人に甘えるのが苦手、自分に自信がない、自虐キャラ。恋話についていけない恋愛から自分を遠ざける。。。『女子をこじらせて』(雨宮まみ著)
ええっと、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは浪費癖があり、女遊びが好きってサリエリ(凪七瑠海)が歌ってましたよね。宝塚版では女の子に囲まれて楽しそうに踊るくらいですが、仏オリジナルでは手当たり次第に女の子とキスしてましたよ。実はネガティブとか実は自虐グセがあるとかなんでしょうか?
石田先生、なうでやんぐな若者言葉よりストレートな言葉を使ったほうが理解が深まると思うんですけど、どうなんでしょう。そういうとこが石田節なんですけどね!わかってますけどね!
と書きつつ、『ロックオペラモーツァルト』では演出の変更やお衣装の宝塚歌劇仕様(チュールレースをたっぷり使ったドレス)はさすがベテラン演出家のお仕事だなと思いました。脚本はオリジナルよりセリフを増やしてお芝居のウェイトを高くするなど、随所に工夫が感じられました。ただ全般的には素敵な作品なのに、そこをそうしますか??という部分も作ってくれるのが石田流ですね。石田流の味つけがね、個性だなって思います。
モーツァルト一家
桜庭舞が演じるのはモーツァルトの姉であるナンネール。ミュージカル『モーツァルト!!』ではナンネール自身の父との葛藤や結婚などの人生も描かれている大きな役だが、本作では1幕は母アンナ・マリア(万里 柚美)とヴォルフの旅立ちを見送り、2幕ではモーツァルト(礼真琴)とコンスタンツェ(舞空瞳)の結婚に賛成し、父レオポルド(悠真倫)の死の場面で歌うのが主。
仏オリジナル版よりセリフは増えているものの、出番は少なめのナンネールだが、コンスタンツェ(舞空瞳)と結婚したいというヴォルフに怒る父に向かって、この結婚はきっとヴォルフのためになると賛成し、レオポルドの死に際しては、喪服姿で悲哀と慈愛を見せながら、『眠れ、私の天使よ』Dors mon ange と弟ヴォルフのために歌う。
モーツァルトの父レオポルド(悠真倫)は息子ヴォルフガングの天才を見抜き、音楽家モーツァルトとして育て上げた。姉ナンネール(桜庭舞)はそれを知っているからこそ、父の死に際してヴォルフガングを思うのだろう。
本作ではヴォルフを取り巻く女性達がそれぞれ個性的に描かれているが、ナンネールは母アンナ・マリアと共にヴォルフに慈愛を抱き見守る女性像となっており、ヴォルフが家族に愛されていたことを感じさせる。桜庭の見事な歌唱でくっきりとナンネールの姿が印象づいた。
音楽家モーツァルトは、父レオポルドの作品であるとヴォルフガングは任じており、レオポルドに指示によってヴォルフはアロイジア(小桜ほのか)と別れてパリに出立する。
ミュージカル『モーツァルト!!』ではモーツァルトを縛る鎖のような印象を受ける謹厳実直で品行方正なレオポルドだが、本作では悠真倫の個性もあり、やんちゃな息子の将来を心配して遠くから見守る父親像になっている。2019年はまりんさん(悠真)の個性が生かされる役(『パパ・アイ・ラブ・ユー』、『リッツ・ホテルくらいに大きなダイヤモンド』、『ロックオペラモーツァルト』)が続いて、ひそかに悠真倫イヤーでした。
(続く)
2月からの星組大劇場公演の新年の主演はさりお(碧海さりお)とまめちゃん(桜庭舞)。おめでとうございます。さりおくんはダンサーなんですが、お芝居はじっくり見れてない気がします。抜擢おめでとうございます。101期はまっきー(夕陽真輝)やクリスティーナ(颯香凜)も男役として様になってきたなぁと思っていたのですが、研5かな(4月から研6)?。がんばってください。
まめちゃんは別箱で大きな役がついているので、新公ヒロインはどうなのかなと思っていたところでした。おめでとうございます。雪組から星組に組替えなった直後の『Killer Rouge』で美声を披露してくれて安心でした。※ボーカル・カットになったのが残念でならぬ。