[stage] 柚希礼音『REON JACK3』

梅田芸術劇場メインホールで上演中の『REON JACK3』に行ってきました。3階席でまったり観劇(参加するときは参加したよ!)。11月9日(金)13時公演。

REON JACK3

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2015年5月10日に柚希さんが退団してから、ミュージカルは『マタ・ハリ』しか見れてないのですが、『REON JACK』は行くと決めている。

いやー、踊るねえ。

『REON JACK』だけは何としても行こうと思うのは、ガンガンに踊る柚希礼音が見たいからなのだ。『REON JACK3』で歌って踊りまくる柚希礼音を見ることができて何か安心できた。「柚希礼音が舞台にいる」。

柚希は『REON JACK3』のインタビューで、『REON JACK2』後に「少し燃え尽き症候群みたいになってしまった」と話し、その後、ミュージカルの舞台を積み重ね、「役としてではなく、自分自身を表現するコンサートはやはりやりたい」という境地に至ったらしい。

役を通して自分を表現するタイプの表現者もいるが、柚希はコンサートやショーで歌い踊って自分を表現するタイプの表現者なのだ。役を通して自身の中に培ったものをコンサートで昇華し、力に変えていくタイプなのかもしれない。

柚希礼音のマタ・ハリは、神への捧げ物として踊る女で、ピンクのドレスでも隠せない筋肉を露わにして踊る姿から、私はマタ・ハリという人物像を感じ取り、芝居でそれを確認した。時代の荒波をしたたかにタフにそして誠実に生き抜こうとした女スパイ。史実として伝わっている高級娼婦やストリッパーといったマタ・ハリ像や伝説の二重スパイという作られたイメージとは全く異なる、柚希礼音にしか作れないマタ・ハリ像。

(ピンクのドレス姿も素敵で見とれたけれどが、歌い終わって「これじゃREON JACKの気分になられへん」と言って、ドレスの裾をわしゃわしゃ引きずって着替えに行く姿がめっかわだった。)

大貫勇輔さんやSHUN先生、YOSHIEさん、クリスティアン・ロペスさんといったその世界でもトップクラスのダンサー達をサシで相手にして踊る柚希礼音。メインキャストとDANCERSがきれいに揃った規律で踊る群舞。コンテンポラリー、ストリート系、タンゴ、ジャズ、クラッシック。ダンスにも様々な種類があり、踊る表情もテクニックも使う筋肉も異なるものだと学ぶ。そして生バンドの演奏で贅沢三昧。

東京公演と大阪公演の間の1週間のうちにフランスのダンス大会でバトって優勝してきたYOSHIEさんとのトークで、世界最高峰のダンサーYOSHIEと踊る壁の高さとそれでも挑戦する向学心を素直に話す柚希礼音。YOSHIEさんのムーンウォークを見て、『REON JACK3』が終わる頃にはモノにしたいと舞台上で練習し始める姿。YOSHIEさんからは「スタミナ子」と言われているらしいが、どんだけ貪欲なんだかw。

生の舞台は日々変動する繊細な表現芸術である。観客がいて舞台が成立するとは常套句のように使われるが、踊りたい歌いたい表現したいという衝動が表現者のうちに育たないと舞台は作られることすらないのだ。

コンサートというより、秋の芸術鑑賞といった面持ちだったが、柚希礼音がMCでは途端に「ちえちゃん」になって、「さんがいせきーぃ、とおぃー??」とマイクを持って叫ぶ。3階席の観客がお約束のように「とおぉい!!」と返す。いやまぁ、1階席より物理的に遠いのは遠いのですが、それでも届いたんじゃないかな。どれもこれも良かったけれど、柚希礼音作詞の「道」がとっても思いがこもっていた。

『REON JACK』から参加されている世界的なタンゴダンサーのクリスティアン・ロペスさんとのスピーディーなタンゴで、目まぐるしくステップを踏む。大貫さんと裸足で踊るコンテンポラリー、ムーンウォークなんかでめっちゃ足の動きを見てしまった。以前に見た番組でテーピングをしていたけれど、大事にしてね。

台湾公演で紅ゆずる演じる客席案内係の紅子ちゃんが客席の声に敏感に反応できるのは、レオンちゃん仕込みだなぁと思って楽しかった。

さすが宝塚歌劇が誇るレジェンド柚希礼音のREON JACK3 。次があるのかな。何かはやってほしいな。

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(メモ)大貫勇輔さんは『メリー・ポピンズ』のバートがとっても素敵で、優しくてメリー・ポピンズへの敬意と親しみがあふれるバートで、ワクワクしながら拝見した。世界にはすごい人がいっぱいいるねえ。

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【音楽プロデューサー】本間昭光
【ステージング】大村俊介(SHUN)
【振付】大村俊介(SHUN)、辻本知彦、YOSHIE、Cristian&Nao

【出演】
柚希礼音
大貫勇輔、大村俊介(SHUN)、YOSHIE、クリスティアン・ロペス
<DANCERS>
井出恵理子、周平、砂塚健斗、丹羽麻由美、吉岡理土
<BAND MEMBERS>
Violin&Band Master:NAOTO
Drums:楠瀬タクヤ
Bass:二家本亮介
Guitar:山本陽介
Keyboards:野崎泰弘
Manipulator:足立賢明
Chorus:MARU