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『Bouquet de TAKARAZUKA』の七海ひろき。
『ロマンス!!(Romance)』では、紅さん、琴ちゃんと”三個いち”感がありましたが、今回は独立した!専科から特出してくれた89期同期のかちゃ(凪七瑠海)とシンメで踊っている場面(プロローグ、スパニッシュ)やかちゃ、琴ちゃん、かいちゃんの並び(中詰め)もあったけれど、持ち味が異なるため、それぞれ独立した場面を持たせてもらっていた。嬉しい。
『アパシュの男』。
パリの下町で観光客達が「これこそ、This is パリ!」と歓声を上げるアパシュの男女の恋の火遊び。
アパシュの男(七海ひろき)は、二人のアパシュの女(音波みのり、愛水せれな)を相手に求愛し、ゆったりしたテンポの伴奏に乗せて、3人で踊る。ゆったりだけれど、振付が格闘技系なので動作はシャープに、でもゆったり。目で追いやすい。音波・愛水に両側から仕掛けられて受ける。2人をホールドしているだけなのに、真剣な顔つきのかいちゃん。うんうん好い顔カッコいい。ここは、音波嬢の二の腕と太ももの筋肉が確認できる場面でもあります。
2人にしなだれかかられるアパシュの男。
愛水アパシュの女をリフトする七海アパシュの男。
そして・・・わざとらしい程に気合いの入ったウインクに投げキッス。
効果音かと思うほどのリップ音。
色っぽい色っぽいのかな。色気ダダ漏れっていうのが望ましいのかな。だろうな。
(個人的には↓
- →エンシュツクサイ(⌒▽⌒;)(いつから私はピュアではなくなってしまったのだろう)
- →スマヌ(;´・з・)ダマッテる。(素直に喜べよ的なセルフツッコミ)
どうやら、七海アパシュの男は愛水アパシュの女を選んだらしい。したら、音波アパシュの女に刺されてしまった。
倒れるアパシュの男。
観光中のマダム(万里 柚美)が「かわいそうに~」と叫んで走り寄り、写真を撮る。あれ。
「ディスイズ パリ!」
アパシュの男は起き上がり、
満面の笑みで「皆様、ようこそ、パリへ!」
「写真代を頂きます。お一人様5フランです」。
(⌒▽⌒;)は間違ってなかったらしい、と思った瞬間でした。
「ディスイズ パリ!」だよ、「ディスイズ パリ!」
おまえはそういうやつだっ。←注:演出です演出。
通貨単位が「フラン」なことをふくめて演出です演出。
個人的にはお色気ダダ漏れよりも、花夢幻の赤薔薇のように、匂い香り、自然と流れ出でる色香が好みなんですよ。かいちゃんのショースター性というのも、花夢幻の場面はシンプルなだけにわかりやすかった。アパシュの男のショースター性というのは、3人で踊る場面は導入部で、アパシュの男が、マダムから笑顔で5フランをせしめて、手の甲に口づけし、トンヅラを決めるところにあると思う。いかにオチを美しく決めるか、その一瞬のために、アパシュの男女は恋の火遊びを踊る。
「ショースター」の定義というものがあるのか、私は知らないけれど、個人的に本当に個人的には、ショーで「自分の場を作ることができる」、「観る者を惹きつけることができる」です(自分の場というのは存在感と言ってもいいのかもしれない)。
そのために容姿でもスタイルでもダンスでも歌でも武器があるほうがいい。新公主演で大舞台の真ん中を経験するのは、自分の場を作る技術や度胸、自信を身につける早道なのは確かだし、音声は音響によって劇場の片隅の席にも届く。歌唱力があるということは、とても強い。
花無幻における七海ひろきのショースター性というのは、その中性的な美しさ、華やかさ。備わった演技性。ダンスと歌唱力は公演を重ねる毎に進化していて、それらが融合して生み出す空気感が場を支配する。
タカラヅカでの「美しさ」というのは総合力だと思うのです。容姿端麗=顔や姿が整っているというのは、宝塚音楽学校の応募要件なので、基本的にタカラジェンヌは容姿端麗。それを土台に積み重ねていくのが、男役芸の美しさ、娘(女)役芸の美しさ。
花無幻では黒薔薇、赤薔薇、白薔薇、そして薔薇の男と4っの場があり、寄り添い薔薇の花束を作り出していて、それぞれが宝塚歌劇の誇るスターだというのが良く出ていたし、それぞれの凸凹もわかりやすかった。七海ひろきが目指しているところ。そこに向けてショースター性を先鋭化させていったほうが良いのだろうと、今回は強く思いました。2018年は星組生3年目、研16です。