[Zuka] 2016年星組『LOVE&DREAM』(3)

23日(土)は、梅芸初日でした。

  • 『LOVE&DREAM』は、大劇場での本公演と異なり、みっさまと風ちゃんの楽曲中心のシンプルなレビューでしたが、もともと冠が、「北翔海莉 Dramatic Revue」なので、星組トップコンビのon Stageで当然なのだと思いました。
  • アドリブ・タイムは、「Tレディーズ 北翔アドリブ」しか台本に書いていないという暴露話(by みっさま)もあり、齋藤せんせーのみっさまへの信頼度の高さが判るというものです。別名丸投げとも言いますがね、ええ。
  • 毎回、思うけれど、妃海の風ちゃんは、『レット・イット・ゴー』の毅然とした気迫がこもる歌声が素晴らしい。振付もついているのだけれど、雪山を登りながら魂の解放を宣言をするエルサそのものだった。

で今回は、星組トップコンビを両脇で支えた、まさこさん(十輝いりす)とかいちゃん(七海ひろき)です。

__

個人的には「お芝居の人」である元宙組の二人。

ここのところ年配の男性役やコミカルな役が続く二人。本公演でのソロパートは少ない二人。

まさこさんは、以前に柚希礼音とのトーク(GRAPH掲載)で、歌のレッスンにずっと通っていることを話していた。たぶん(柚希もそうだったけれど)、歌に対する意識が強いのだと思う。別に下手じゃない。音程も合っているし、安定している。ただ地声が高めなので、男役の低音ヴォイスの音域で歌うのが大変なのではないかと思う。

かいちゃんは、『ベルサイユのばら』(2014年宙組)で喉を潰してから顕著に歌が↓↓になった気がする。『the WILD Meets the WILD』(2013年宙組)でのExplosionやBe Alive!は丁寧に歌っていて、そんなに音程を外していない。風共スカーレット(2013年宙組)の「明日になれば」も音程は合っている(しかし『美しき南部』はダメ。緊張しすぎ女声を意識しすぎ)。そして…ちょうどスカステで放映中の『Phoenix宝塚!!』(2015宙組)での銀橋の歌は((;゚Д゚)ギャー!!

まさこさんはお茶会に何回かお邪魔させて頂き、かいちゃんはご贔屓です。そんな二人がショーの中軸というのもあって、緊張しまくりだった東京初日。まさこさんはプリンス役に照れていたし、かいちゃんは声が硬かったけれど、二日目には心配なくなっていた。

__

そして迎えた梅芸初日。

プリンス十輝いりすは、落ち着いて悠然と微笑みながら、プリンセス綺咲 愛里に優しく微笑みかけて、『いつか王子様が』を歌う。『不思議の国のアリス』では長い手足でゆったりとソロダンスを踊り、3組のデュエット・ダンスでは、プリンス妃海風と踊っていた(ほかの組み合わせは十碧 れいや+夢妃 杏瑠、麻央 侑希+綺咲 愛里)。

私は、まさこさんとかいちゃんの『イチャリオバオハナ』、『僕らはひとつ』が大好きなのだが、やはりお芝居の人は、表情や洗練された所作で人を惹きつけることができる。そしてストーリー性があるものに強い。

それから『マグノリアの花』は、まさこさんの声質に合っていて良かった。落ち着いた歌やバラードが合うんだよね。選曲は齋藤せんせーが頭を捻ったんだろうなと思う。

__

そして、七海ひろき。さすがタカラジェンヌ。一定レベルまで上げてきた。音程は安定している事が多く、デュエットの『輝く未来に』は、あんる(夢妃 杏瑠)の歌唱力に助けられていたけれど、ソロの『幸せの鐘が鳴る日』は、心がこもっていて、深かった。

歌は音程が合っていてリズム感が正しいのが本来だけれど、人の心に訴えかける歌声というのは、音程やリズム感が全てではない。この曲が主題歌だった『誰が為に鐘が鳴る』に、かいちゃん自身が出演して曲の背景を知るからこそ出た深さなのではと思った。ちなみに『愛の巡礼』は前半部がかなり低音なので、地声が高いかいちゃんには手強い感じで、後半に入ると余裕が出る。

じゅりちゃん(天彩峰里)との『うたかたの恋』。東京初日は、かいちゃんは満面笑顔で歌っていて、どこの「うたかたの恋」かと思ったけれど、梅芸初日はルドルフとマリーの『うたかたの恋』になっていた。マリーと目を合わせている時は笑顔で、離れると沈鬱な影がよぎる。自分より十数歳年下のマリーを気遣いながら、死を見つめるルドルフ皇子。それでこそ、あの白軍服が似合うと思ったりするわけです。わたし的にですが。

冒頭のセリフ「マリー、来週の月曜日、旅に出よう」がカットされていたので、ワンテンポ間が空き、入るタイミングが難しくなっているので、セリフは欲しかったです、齋藤せんせー。かいちゃんもお芝居の人だから!