全国ツアー開幕二日目の11月15日(土)梅芸を観劇。
レット・バトラーは、全国ツアー初参加、初主演の紅 ゆずる、スカーレット・オハラは注目株の若手男役の礼 真琴。
今回の全国ツアー版のストーリーは昨年(2013年)の宙組の『風と共に去りぬ』バトラー編を踏襲しており、宙組『風共』をヘビロテした身としてストーリー展開は頭の中に入っている。関心の方向としては、星組子がどのような『風共』を創り上げているか、という所にあった。
で、
良く出来ていた。
星組子は一定の水準の舞台を必ず創り上げてくる。鍛えられている。
それぞれ自分の役を消化し、自分の個性で役を輝かせていた。
だけれど、…これはお気楽な観客の欲張りで我が侭なつぶやきなのだけれど…
「紅ゆずるのパワーはこの程度のものではないはず」という思いが消えない。
全国ツアーの直前に調不良で演劇人祭へのゲスト出演を取りやめている。 そのせい?それともツアー2日目だから?
紅ゆずるは、無頼漢だが、義に厚く情に脆いレット・バトラーをきちんとこなしていた。野生の悍馬のような礼 真琴のスカーレットとの釣り合いも良く、気品を備えた天寿 光希のベル・ワットリングとも馴染んでいた。そう、”無難にこなしている”ように見えた。私の気のせい??
紅ゆずるは、涼紫央の後を継いで星組2番手スターになってから、常に柚希 礼音の側にいて、トップスターを支える役割を果たしてきた。
なので、来年6月の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』CATCH ME IF YOU CANの主演で、どれだけ紅ゆずるにしかだせない輝きを見せてくれるのか、今からとても楽しみにしている。一人でセンターに立つ恐ろしさを、単なる観客には想像もつかないプレッシャーを、跳ね返して輝いてくれると信じている。
華形 ひかるのアシュレ・ウィルクスにはハッとさせられた。感想を書いていないけれど、花組の中日劇場公演でのド・ブロイ元帥も良くて、変なキャラの役でも華形 ひかるがやると説得力が出てくるんだよね。おそろしい。
音波 みのりのメラニー・ハミルトンも素敵だった。
これから星組は全力をあげて柚希 礼音と夢咲ねねを送り出すんだろうな。同時退団は、音花ゆり、鶴美 舞夕、海 隼人、逢月 あかりの皆さん。敬愛するベテラン娘役達の中で、一花様に続いて、音花ゆり様も退団か。鶴美 舞夕のダンス、最近ではカポエイラの切れの良かったこと。
年の瀬になんだか感傷に浸ってしまった。来年の星組も楽しみだよね。
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■主演・・・紅 ゆずる
『風と共に去りぬ』
原作/マーガレット・ミッチェル
脚本・演出/植田 紳爾
演出/谷 正純
[解 説]
今なお世界中で多くの人に愛されているベストセラー小説であり、映画版の大ヒットでも有名な名作「風と共に去りぬ」を、宝塚歌劇がミュージカル化したのが1977年。南北戦争を舞台に繰り広げられるドラマティックでスケールの大きい舞台は好評を頂き、以来、これまでに幾度も再演を重ねてきました。公演回数1341回、観客動員数299万4千人を誇る宝塚歌劇の代表作の一つです。この大作を、紅ゆずるを中心とした星組選抜メンバーにより、全国ツアーにて上演いたします。
- レット・バトラー 紅 ゆずる
- スカーレット・オハラ 礼 真琴
- アシュレ・ウィルクス 華形 ひかる
- メラニー・ハミルトン 音波 みのり