原作があるものを舞台化するのも、海外公演をリメイクして舞台化するのも、それはそれで苦労があると思うけれど、まったくの一からの新作というのも、また大変だなぁと思った『白夜の誓い』です。
確か、『ナポレオン』でもそう思ったのだけれど、歴史的な内容が濃密で、展開が速いのを星組がパワーで押し切っていた初見だった。
『白夜の誓い』初見は、グスタフ3世(凰稀 かなめ)と、彼を取り巻くヤコブさん(緒月 遠麻)やテッシンさん(汝鳥 伶)、クランツ大臣(寿 つかさ)のキャラが濃くて、ストーリーというより、場面場面の心理劇のように見ていた。第18場bのオペラ座でグスタフ(凰稀)とアンカーストレム(緒月)が相まみえるラストは、この二人ならではかもしれない。切なさと激しさに息をのむ。
役者は揃っているのだから、物語としてもう一押しあれば、とぶつぶつ思ったりするわけですよ。
宙組パワーの鍵を握るのは、グスタフ3世に敵対していたが王の真摯さに打たれて心を開いたリリホルン(朝夏 まなと)、ソフィア(実咲 凜音)、唯一の庶民(農民)代表のニルス(七海ひろき)であろうか。
週末に2回目を見に行きます。きっとまた初見とは変わってる。