昨日、宙組公演を観劇しました(3回目)。手短に感想を書いておきます。
中日を過ぎ、お芝居が進化・深化して、見応えがあった。各キャストのお芝居の表現が深みを増し、テンションのバランスが取れて、間のタイミングが合ってきたので、グッと変わってきた。良かった。
『白夜の誓い』は、スウェーデン王グスタフIII世(凰稀 かなめ)に纏わるエピソードを積み重ねて紡がれている物語だが、個々のキャラクター造形はすごく良いのに、説明不足で物語として繋がりにくいのが難点。エピソードとエピソードのつなぎがぎくしゃくしているのとエピソードの表し方がうまくないのが課題だと思う。
舞台セットは、ロココ調の重厚さとシンプルさを現した宮廷の背景と、控えめな色使いのお衣装はとても素敵。黄味を帯びた照明が、宮廷やオペラ座の場面を柔らかく照らし、穏やかな空間を作り出している。舞台の切り替えが、明るい宮廷→暗転→宮廷→暗転と暗転が多く使われているが、これがグスタフⅢ世の波瀾万丈な人生を現しているような気がした。
ラストで、近衛仕官長のリリホルン(朝夏 まなと)が、亡き王グスタフIII世(凰稀 かなめ)を偲ぶ場面が素晴らしく良いです。
■主演・・・凰稀 かなめ、実咲 凜音
『白夜の誓い ―グスタフIII世、誇り高き王の戦い―』
作・演出/原田 諒
[解 説]
ロココの寵児として、北欧史にその名を残すスウェーデン国王・グスタフIII世の波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。
腐敗した貴族政治からの脱却を図り、内政を改革。ロシアとの戦いでは歴史的な大勝利を収めた名将として知られる一方、民衆を愛し、華やかな北欧文化を開花させたグスタフIII世。権謀術数渦巻く宮廷社会、激動のうねりを見せる18世紀のヨーロッパで、ひたむきに生きた一人の男の愛と友情、そして信念を貫いた勇気ある戦いを、多彩な登場人物を絡ませながら壮大なスケールで謳い上げる一大叙事詩。
グランド・ショー
『PHOENIX 宝塚!! ―蘇る愛―』
作・演出/藤井 大介
[解 説]
100年という壮大な歴史の節目を迎え、次なる年への架け橋となる時期に、“再生”という思いを込めて「PHOENIX」(不死鳥)と名付けられたショー。
宙組トップスター・凰稀かなめをフェニックスに見立て、男役特有の美しさと格好よさを感じさせるシーンで構成した、宝塚歌劇ならではのゴージャスでスペクタクルなグランド・ショー。