雪組公演『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』を観劇しました。開演2日目の観劇時は、まだ場面と場面の切り替えがワタワタしていて慌ただしかったのですが、4日目の観劇15時公演は、流れがスムーズになっていて、展開が判りやすくなってました。
もう銀橋にあぐらをかいて座り込んだ壮さんがカッコよすぎて、泣けた(笑)。
壮さんとあゆっち、ゆめみさん(麻樹 ゆめみ)、そしてまっつ(未涼 亜希)の4人が一気に退団する公演です。中堅になりつつあった人たちも4人退団。笑顔で卒業(退団)できますように。ファンとしては、それしか言えないね。(_ _。)・・・
『一夢庵風流記 前田慶次』は、故・隆慶一郎氏による同名小説を舞台化したもので、ヅカ版の脚本・演出は、大野拓史氏。まず原作もマンガ化された『花の慶次』も読まずに観劇して、観劇後に原作を読んでみた。文庫解説の秋山駿氏によると、「隆氏が試みたのは、”壮快なる男子の、爽快たる行動を描く”」。
おお、「壮快」「爽快」な男役である壮さんにぴったり。
劇中に頻出する『傾奇者』という言葉については、隆氏ご本人による解説がある。つまり、傾奇者とは、無頼と風流、意地と伊達を併せ持ち、権力に媚びず、強きを挫き、弱きを助ける義侠を重んじる「日本人男児」なのだな。
『かぶき者』はまた『傾き者』、『傾奇者』とも書く。最後の書き方が最も端的に言葉の内容を示しているように思われる。ほかに『傾く(かぶく)』という動詞や、『傾いた(かぶいた)』という形容詞もある。
つまりは異風の姿形を好み、異風な振舞いで人を驚かすのを愛することを『傾く』と言ったのである。『一夢庵風流記 前田慶次』(隆慶一郎 新潮文庫)p.9
「傾奇(かぶき)」者は、「歌舞伎」に通じ、粋な風流人を指す。壮一帆演じる前田慶次は、豪奢で艶やかな色彩の着物を着て、荒馬の松風を乗りこなす、まさしく『傾奇者』であった。意地を突っ張り通す、風流典雅の変わり者。脚本は原作の前半1/3くらいのエピソードを中心に脚色・編成されているが、人間関係が入り組んでいて、予習なしに見ると、関係性が判りづらい。予習推奨w→【特設サイト】【人物相関図】
時は、太閤秀吉の治世。小田原城に本拠を置く北条氏を恭順させれば、天下統一が成るという、戦国時代から天下太平の世への過渡期であった。
前田慶次(壮 一帆)の養父である前田利久は、尾張国荒子城主であり、前田利家(奏乃 はると)の兄であった。利久には実子がなく、戦嫌いであったことから、当時の主君であった織田信長(透真かずさ)に疎まれ、利久・慶次親子は荒子城を放逐された。そして尾張荒子の地は前田利家が継いだ。
親子は諸国を放浪し、加賀国の大名となった利家の元に戻って仕官する。だが慶次は、養父・利久の妻の実家の出身で、利家とは血の繋がりがなく、すこぶる相性が悪かった。利久の亡き後、慶次は領地を出て、世捨て人となる覚悟を決める。
舞台はここから始まる。
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2014/04/24
雪組 退団者のお知らせ
- (雪組)壮 一帆 -すでに発表済み-
- 麻樹 ゆめみ
- 未涼 亜希
- 愛加 あゆ -すでに発表済み-
- 白渚 すず
- 大澄 れい
- 天舞音 さら
- 寿春 花果
2014年8月31日(雪組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団