戦争は、南部の人たちに深い傷を残した。
1幕目の冒頭、アトランタ駅では出征中の友人ウィリー@凛城 きらを迎えにきたジョージ@蓮水 ゆうややルネ@七海 ひろきは、南部魂を信じ、未来は明るいものと信じていた。
それなのに、アトランタの街は北軍の侵攻で焼け野原と化し、ウィリー@凛城は戦傷で杖なしには動けず、ルネ@七海は失明し、メイベル@伶美 うららに支えられて歩く。彼らの描いた未来は脆くも崩れ去った。
南部の貴族文化を守るための礎となったつもりだった彼らの目の前を、北部の人間達との交流を始めたチャーリー@愛月 ひかるやファニー@すみれ乃 麗達が、開放感に浸って通り過ぎていく。南部の人々の価値観や風習は一変し、伝統は顧みられなくなっている。
ジョージ@蓮水やスタンレー@澄輝 さやとは憤る。「あんな奴らのために戦ったんじゃない」。旧世代(Old generation)となってしまった青年達は、希望に満ちあふれていた在りし日の故郷を懐かしんで歌う。
南部が負け、リンカーンの「奴隷解放宣言」によって奴隷制が廃止されたのは、歴史的に見れば、「進歩」であり「必然」である。しかし、負けた側は自分達の主義主張が否定されたわけではなく、「負けたからだ」と思いたいのが、人情というもの。
ミード博士@寿 つかさやエルシング夫人@風羽 玲亜は、バトラー邸のパーティで、北部の人間達と同席することを拒んで帰って行く。この時の寿 つかさの毅然とした態度は、第2幕第7場の白眉。善し悪しや正誤は別にして、”負けた者にも誇りはあるのだ”。
さて、明日から、役替わり(Bパターン)公演ですね。
まぁくん(朝夏 まなと)がまぁくんのスカーレットを見せてくれたように、かいちゃん(七海ひろき)も自分なりに納得したスカーレットを見せてくれると思っています。かなめさんは「自由におやり」とコメントしていたし、あんまり心配はしていないな。大丈夫。
風共考はしつこく続きます。
【呟き】New generationの青年達が薄いピンクやイエローのパステルカラーのお衣装で、Old generationの青年達は紺やカーキのダークカラーのお衣装で見た目からして違う、という…そのキッパリはっきりした違いが、ちょっと悲しかった。