[Zuka]2013月組ベルばら

1月2日3日と2連ちゃんで、宝塚大劇場:月組『ベルサイユのばら』-オスカルとアンドレ編-を観てきました。

月組トップスターの龍真咲と準トップの明日海りおが、オスカルとアンドレを役替わりで演じ、花組トップの蘭寿とむ、雪組新トップの壮一帆がアンドレ役で特出するという華々しい本演目(トップ達がはんぱなく忙しそう)ですが‥やっぱり『ベルばら』は凄いわと感服いたしました。

ごらんなさいごらんなさいベルサイユ~のば~ら♪

初演から変わらない、ピンクを基調にした、「ごらんなさい小公子小公女」オープニングで始まるのですが、その絢爛豪華で、大振りで、ちょっぴり古き良き時代っていう匂いがする「ベルばら」を観ると、妙に安心するというか、こんな大掛かりで、クサくて、観客の度肝を抜く大芝居はタカラヅカでしかできないよね。

ストーリーは、オスカルとアンドレを中心に、フランス革命前の貴族と平民の対立 を鮮明に描いているのだが、「何度も再演してるし、国民的マンガだから良いだろ」的に、詳細な説明をカット。人物関係の説明があまりなく、一見さんお断りバージョンでした。

今の月組はトップ&準トップコンビが安定していて、オスカルとアンドレ編はぴったり。オスカル@龍 真咲は凛々しく美しく、可憐。オスカルに可憐というのもヘンだが、衛兵隊を指揮するときは凛々しく、厳しさも垣間見せる武官ぶり。アンドレ@明日海りおとの愛を確かめあった後は、アンドレを呼ぶ声は柔らかく弾んでいる。ラストにアンドレとガラスの馬車に乗って歌う場面では、素敵な笑顔で、きらきらした可憐さが際立っていた。乙女である。かわいい。惚れる。

明日海アンドレは、声は良いし、演技は抜群のかっこよさ。人気があるのが良く判る。ただ、オスカルを見守って支えるというより、オスカルにおいて行かれないように、必死でくっついているような青臭さがあった。原作のアンドレは後半から(特に片目を失ってから)、オスカルを見守って付き従うんだけど、でもオスカルが道を誤ればいつでも意見するよ、的な包容力があるのだが、今回のアンドレは、オスカル大好きっこでオスカルへの熱い想いで、周りが見えなくなっている若造感。ブイエ将軍とオスカルの会話に割り込むのはさすがにおかしいだろう。これは龍オスカルとの釣り合いのため?その辺りは不明。

ラストの馬車上で真っ白な軍服を着た2人は壮絶に美しく、目にまぶしい。あとは、新聞記者ベルナール・シャトレ@美弥るりかや衛兵隊アラン・ド・ソワソン@星条海斗の見せ場を盛り込み、「俺たちゃ平民」の存在感を際立たせていた。ロザリー@愛希れいか(トップ娘役)の場面が少なかったんだけど、ソロで美しいソプラノを聴かせてくれました。がんばれ、ちゃぴ!

貴族側の代表格は、近衛隊長 ジェローデル@珠城りょう かな。これは、たまきちのパンパンの丸顔にびっくりした。龍オスカルの横に立つと…。鬘とコスチュームのせい??かなりイマイチでした。

1974年のベルばらの成功は、宝塚歌劇の大きなターニングポイントであり、宝塚歌劇の原点の一つであるということを改めて感じた公演でした。

■月組(2013)
三井住友VISAカード シアター
宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』-オスカルとアンドレ編-
~池田理代子原作「ベルサイユのばら」より~
脚本・演出/植田紳爾 演出/鈴木圭

  • オスカル:龍 真咲
  • ロザリー:愛希 れいか
  • アンドレ:明日海 りお
  • ジェローデル:珠城 りょう
  • アラン:星条 海斗
  • ベルナール:美弥 るりか
  • ジャルジェ将軍:汝鳥 伶
  • ジャルジェ夫人:花瀬 みずか
  • ブイエ将軍:越乃 リュウ
  • マロングラッセ:憧花 ゆりの