7月17日から宝塚歌劇の花組公演が開幕します。無事に幕が上がりますように。
各組から2人ずつ選抜されたタカラジェンヌが、宝塚大劇場花組公演における感染予防対策を実演した動画が、「劇場へご来場いただくお客様へのお願い」として公開されました。
きれいに等間隔で配置された100期から102期の10人。こんな動画で癒やされてる。(^^;ゞ
宝塚大劇場の感染予防対策はきちんとしていますが、手洗いの奨励で幕間のトイレの大行列がどうなるか気になりますね。目・鼻・口を触るときは手を洗うか、ティッシュなどを使いましょう。
宝塚歌劇より、劇場へご来場いただくお客様へのお願い
【宝塚歌劇ホームページ】
1.劇場で舞台クラスターの発生
新宿区に所在する新宿シアターモリエールにて上演されていた舞台『THE★JINRO ―イケメン人狼アイドルは誰だ!!』(ライズコミュニケーション主催)から新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の集団感染(クラスター)が発生した件の続報です。
(ブログのデータが吹っ飛んで書き直しました。泣き言(/_;))
7月12日の深夜、株式会社ライズコミュニケーションから発表があり、出演者16名、スタッフ5名、観客9名の計30名の陽性が判明。6月30日から7月5日の全ての公演で陽性が確認された観客がいるそうです。👉【2020年07月12日】当社主催の舞台における新型コロナウイルスの感染につきまして
13日には観客16名の陽性が判明。保健所から2020年6月30日(火)~7月5日(日)全12公演における全観客(約800人)が濃厚接触者に指定されたそうです。新宿シアターモリエール186席定員の客席数を50%以下に減らして、約800人が観劇したということですね。
12日の午前中に公開されていたスポニチ紙の記事が指摘する以下の感染拡大の要因に対して、主催者側から説明が出ています。👉【2020年07月13日】当社主催の舞台における新型コロナウイルスの感染につきまして
①体調不良の出演者がいながら上演を強行した
②公演中は密閉状態。公演前後は窓を開放し、空調・換気扇等が作動
③8畳ほどの楽屋に出演者の多くが同時に滞在し、密集状態
④一部の出演者が出待ちしたファンに握手やサインをしていた。
- クラスター発生の山本裕典主演舞台、出演者が体調不良でも上演強行…主催者側把握か(7月12日)― スポニチ Sponichi Annex https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/07/12/kiji/20200711s00041000534000c.html
2.運営側と出演者の責務
舞台の主催者・運営者は出演者に健康管理および感染予防策を指導・管理する責務がある時代です。もちろん所属事務所にも指導・管理の責務があるでしょうけれど、上演する公演に関して必要と思われる健康管理および感染予防策は、主催者・運営者が遂行させていく。出演者も感染予防策を学んで実行するのがプロとしての責務でしょう。今回はその認識が運営側も出演者側も甘かったと思います。
出演者がSNSに載せている写真は、終演直後なのでしょうけれどマスクなしに群れて密集していて、ソーシャル・ディスタンス(Social Distancing)の意識は見られない。パンデミック以前だったら何事も起きなかったんでしょうが、パンデミックこわいよパンデミック (;´д`)トホホ…
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の院内感染が多発していますが、感染制御の知識と技術を持つ医療従事者でさえ、どこに潜んでいるか判らないウイルスへの防御は難しいのです。
屋内に不特定多数の人が集まる場所は重点ポイントを逸脱しない感染対策が必要なんだなと思わされました。
①体調不良の出演者がいながら上演を強行した(スポニチ)
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(主催者)「公益社団法人全国公立文化施設協会等の定めるガイドラインに即し、出演者に対し、稽古及び舞台中に37.5度以上の熱が出たり、体調不良を覚えたりした場合には、直ちに制作スタッフに申告していただくようお願いしておりました。」
その結果、2名の出演者から申告があり、「抗体検査の実施の結果、陰性」、「検温の結果がガイドラインの規定の範囲内であった」、「持病に起因すると診断された」ということから出演者と相談の上、出演したようです。
7月5日千秋楽で申告があったのが7月4日と5日だったということです。長い休業が明けて、やっと舞台上演にこぎつけて、せっかくの出演、千秋楽は目前というと降板も言い出しにくい雰囲気があったのでしょうか。パンデミック前までは、「このくらいのことでは休めない」、「怪我や不調を押して最後までやり遂げた」というエピソードが美談として取り上げられていましたが、パンデミック・コロナ渦を機に見直したほうがいいです。
基本的な確認ですが、体調不良とは「いつもと体調が違うな」という本人の感覚です。平熱というのは個人差があります。ガイドラインで規定された37.5度未満であっても、本人が申告してくる程度には体調不良なのです。持病が起因して熱が平熱より上がっていたら体調不良です。
体調不良でもCOVID-19ではなかったら出演を続行してもいいという感覚は見直しましょう。体調不良だったら大事を取って休むという流れを作っていくことが感染拡大防止に繋がります。
それから検査について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にかかっているかどうかを調べる検査は3つあります。PCR検査、抗原検査、抗体検査です。
検査時点での感染(陽性)を調べる検査はPCR検査と抗原検査です。
新型コロナウイルスの抗体検査は、発症から2週間以上経過しないと陽性にならないとされます。発症直後に抗体検査をして陰性だと判明しても、PCR検査では陽性になることがあります。
本件の出演者の方でも「抗体検査キットでの簡易検査は陰性→念の為PCR検査を自費診療で受けて陽性」というケースがありますが、抗体検査で陰性だからと安心して出演したら感染拡大という事態になりかねません。
ただしPCR検査で陰性になってもそれは検査時点で陰性だったというだけです。個人の感染予防(三密回避、マスク、手洗い・手指消毒など)や環境整備は必要です。
歌舞伎業界や相撲業界でも抗体検査を実施しているようです。抗体検査は過去の感染歴(既往)を調べるのには行います。将来的な感染予防にどこまで役立つのか。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体があっても、今後は感染しないと言えるものではないようです。「やった」と言うだけになってしまう検査より、重点ポイントを外さない、有効な感染予防策を取ることが推奨されます。
感染症専門医・忽那先生の記事がわかりやすいです。
👉抗体検査・抗原検査・PCR検査 どう使い分ける?(忽那賢志) – Y!ニュース
続く。