ちょっと明るい兆しのニュース。新型コロナウイルスの封じ込めに成功したと言われている台湾とニュージランドで、感染予防策による制限が緩和されたそうです。
両国とも厳格な出入国制限や基本的な感染予防策(手洗い、咳エチケットなど)は継続し、COVID-19に対しては現状の警戒態勢を維持するそうですが、イベントにおける身体的距離の確保(Social Distancing, Physical Distancing)などは解除されるとのこと。Social Distancingは必須ではなくなるものの、引き続き推奨されるそうです。
他所の国のことながら、嬉しい。同じ島国でも人口や高齢化率、社会制度や医療提供体制は異なるので単純な比較はできないですが、懐かしい日常への道のりに、先ゆく目標があるというのは嬉しいことですよね。
台湾もニュージーランドもロックダウン(都市封鎖)による自己隔離政策を取っていましたが、加えて水際対策(入国制限)が早かったと言われています。
日本はインバウンド消費と東京オリンピック2020開催のために出入国制限が遅くなったのも感染拡大の要因のひとつ。国内での感染拡大、特に首都圏についてはまだ予断を許さないと見ていますが、現在の鎖国状態をどうやって開国していくのか。
専門家会議からも「水際対策の見直しに当たっては、慎重な対応が求められる」と提言(2020年5月29日)され、日本政府は入国規制緩和のためにタイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国と交渉に入ったと報道されています。社会経済活動と防疫を両立させていくために、水際対策は各国の感染拡大の状況を踏まえて慎重に検討されることになるのでしょう。
- (時時刻刻)渡航制限、緩和じわり 感染状況、似た国同士から:朝日新聞デジタル (2020年6月8日)https://www.asahi.com/articles/DA3S14504871.html
- ニュージーランド航空、成田~オークランド線を6月25日運航再開。当面は週1便 – トラベル Watch(2020年6月10日)https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1258020.html
台湾
- 人口:約2,360万人(2020年2月),高齢化率14.56%(2019年)
- 新型コロナウイルス感染者数443人,死者7人
- 2月6日に中国全土からの入国を禁止、3月19 日からはすべての外国人の入国を禁止
ニュージーランド
- 人口:約495万人(2019年3月統計局),高齢化率15.65%(2019年)
- 新型コロナウイルス感染者数1,154人,死者22人
- 3月14日に海外からの入国者に2週間の自己隔離を課し、3月20日に外国人の入国禁止
日本
- 1億2614万4千人(2019年12月),高齢化率27.58%(2019年)
- 新型コロナウイルス感染者数17,306人、死者922人
- 2月1日に中国湖北省からの入国を禁止。3月27日イタリアの全域、ドイツ、フランス等欧州の大部分の入国を禁止、4月3日米国や英国、中国全域等からの入国禁止。
- 【時事メディカル】台湾、暮らし正常化へ=水際対策は継続―新型コロナ (2020/06/07 )https://medical.jiji.com/news/32840
【台北時事】台湾政府は7日、新型コロナウイルスの封じ込めにめどを付けたとして、感染予防の一環として義務付けていたイベントなどの入場制限を解除した。(略)これまでは屋内外のイベントについて、ソーシャルディスタンス(他者との距離)確保のため、前後左右の席を空けるよう義務付けていた。この結果、コンサートや演劇が事実上、上演できない状態が続いていたが、この制限を解除。野球場や映画館の入場制限も撤廃した。
- NZ首相が喜びのダンス、コロナ感染者ゼロ達成で国内の全規制を解除 (2020/06/08 )https://www.afpbb.com/articles/-/3287172
【6月8日 AFP】ニュージーランドは8日、国内の新型コロナウイルス感染者がゼロになったと発表し、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)や集会の制限など、感染拡大対策として課していた国内の全ての規制を解除した。