宝塚歌劇105th Anniversary
『タカラヅカスペシャル2019-Beautiful Harmony-』
監修/石田 昌也
構成・演出/中村 一徳、上田 久美子、野口 幸作
12/22 16時公演ライブビューイングでした。宝塚歌劇の年末の風物詩、お祭りなので楽しむの優先であんまり細かいところは見ていないと言い訳を先にしています(パンフレットも入手できてない。パンフは買いました)。
見どころは各組コーナーと柴田侑宏先生追悼コーナーでした。各組コーナーは過去作品のパロディというかオマージュ。見終わった感想を一言でまとめると、先行きに安心材料が沢山見られたのが良かったです。
宙組コーナーに小波乱
演出 上田久美子
音楽 手島 恭子
振付 御織ゆみ乃
今回、ちょっとくらい波乱があってもいいのよって思う部分は、宙組が背負ってくれていました。宙組コーナー演出担当はウエクミ!と聞いて納得しました。おさすがです、上田久美子先生。
桜木みなとのラダメスと星風まどかのアイーダの似合いっぷり(王家に捧げる歌)。新人公演コンビでしたね。真風涼帆のダンディなレット・バトラーとスラリとしてデコルテのきれいな芹香斗亜スカーレット(風と共に去りぬ)。
ここまで。
そして、何かが始まる。
緑のリボンスカーフをウエストで結び、白のわっかのドレスに赤い法被を羽織って、センターでソーラン節を歌う、芹香スカーレット。
わっかのドレスをゆさゆさ振る、芹香スカーレット。
スカーレットの変貌にうろたえる真風バトラー。
芹香さんの目の座りっぷりに妙に感動しました。この人は何か絶対に面白いことをやってくれそうというか。宙組2番手、芹香斗亜。宙組ソーラン節を歌うものは宙組を背負うんですよね?面白いにも意味が色々なあるんですー。
[私はあのスカーレットの白地に緑のリボンスカーフをウェストに巻いた輪っかのドレスを見ると、せり上がってきて、ガチガチの緊張のまま「美しき南部」を調子っぱズレに棒読みで歌い出した七海ひろきさんを思い出します。ちー様(蓮水ゆうや)が優しい顔で見守ってて。それも過去。アーティスト(歌手)デビューおめでとうございます。時々、映像を見返して笑ってますw]。
みんなスターの専科さん
演出 中村 一徳
音楽 手島 恭子
振付 伊賀 裕子
凪七瑠海の蘭陵王(蘭陵王)、華形ひかるの貧ちゃん(Another World)、轟悠理事のチェ・ゲバラ(チェ・ゲバラ)。それぞれがセンターに一人で場面を仕切れるのはさすがでした。
カチャの当たり役・蘭陵王。音くり寿ちゃんの洛妃にそばにいて欲しい気もしましたが、もう一度、蘭陵王姿が見れて嬉しかった。
専科に移動されて水際立った男役ぶりを見せていた華形さんが抜けるのは寂しい。星組公演『眩耀の谷』『Ray』をどうぞよろしくお願いいたします(星担より)。
轟理事は喉の調子が良さげで、そこにホッとしました。どうかケアくださいますよう。星組との『シラノ・ド・ベルジュラック』、楽しみです!!
星組から星蘭ひとみちゃんが組替えになりましたが、専科の皆さんにお芝居等々を学んで活躍して頂きたい。
ルパン三世とロベスピエールの雪組
演出 中村 一徳
音楽 竹内 一宏
振付 伊賀 裕子
組み合わせの謎。彩風咲奈の次元大介がセンターでルパン三世のテーマ(Lupin The Third)を歌い出した時は、咲ちゃんはどうして妙な無茶振りを振られがちなんだろうって思いました(がんばれ、彩風咲奈!ネモ船長!)。彩凪翔のしぶくてかっこいい石川五右衛門と2人のかわいいルパン(朝美絢・綾凰華)。
そして世界をガラリと変えて始まった望海風斗ロベスピエールと真彩希帆マリー・アンヌの『ひかりふる路』。完全に二人の世界でした。充実する雪組。
演目が発表される度に、だいもんはまた死ぬのかハッピーエンドなのかが話題になる雪組公演ですが、寄り添って歌う望海ロベスピエールと真彩マリー・アンヌに幸せを感じました。パロディもこういうパターンは嬉しいですね。
グラフの2020年1月号ポート。雪組は彩風咲奈、彩凪翔、朝美絢、綾凰華の4人だったのですが、どうして縣千が入ってないのかな??出し惜しみ?
見たかったのは花組
演出 野口 幸作
音楽 青木 朝子
振付 鈴懸三由岐
見たかったのは、プレお披露目の花組トップスター・柚香光さんとトップ娘役・華優希ちゃん。『ME AND MY GIRL』のビル柚香光とサリー華優希。かわいい!似合う←語彙喪失。
れいちゃんの礼儀知らずだけれど誠実なビリーと品があって一途なサリー。れいちゃんと華ちゃんのお芝居の相性はとても良さそう。そのまま柚香ビリーと水美舞斗のジョン卿で「愛が世界をまわらせる」に入ったのも素敵でした。
瀬戸かずやの項羽、永久輝せあの劉邦、聖乃あすかの虞美人は花組のアダルト美の担当でしたね。
柚香光が歌うシャルムに新時代のフレッシュさを感じられたのも良かったです。新生・花組おめでとうございます。柚香光・華優希とも歌唱に進歩が見られて、先行きがとっても楽しみになりました。華ちゃんはあと声量とダンスですね。
強いぞ星組
演出 上田久美子
音楽 高橋 恵
振付 御織ゆみ乃
柴田侑宏先生追悼と新生星組による伝統の継承を入れ込んで来た星組。「星組、強いぞイケイケ」って出してくるのが琴ちゃんのいいとこですよね。強くあるために一般人の100倍くらい努力するとこが礼真琴。置いてかないでね。
愛月ひかるルドルフと舞空瞳マリー・ヴェッツェラでの「うたかたの恋」(作/柴田侑宏)。愛ちゃんの大好きな「うたかたの恋」。見てるこちらが感無量。
そして100周年記念の大劇場第1作目『眠らない男・ナポレオン』。白い軍服を着たナポレオン二世の天寿光希。天寿さんは役毎に身にまとう雰囲気をガラリと変えてくる。「嵐のように生きた男」を歌い出す瀬央ゆりあマルモン(本役は紅ゆずる)。星組子が舞台上で大合唱。ジョセフィーヌじゃなくてナポレオンの令嬢でした:有沙瞳。同じくナポレオンの令嬢の音波みのり、小桜ほのか。
そこから階段上に礼真琴のアントニオ・デ・オダリスが登場してのソロ(柚希礼音・夢咲ねね退団公演『黒豹の如く』:作/柴田侑宏)。北翔海莉・妃海風退団公演だった『桜華に舞え!』のプロローグで総踊り。笑い要素がいっこもなくてひたすら突き刺さる流れでした。
よいタカスペ2019でした。今年もいっぱいお世話になりました。宝塚歌劇。愛と夢と感動をいつもありがとうございます!良いお年を!