[stage] 『レベッカ』(2)終

映画(映画スクエア>レベッカ)は資産家だが俗っぽいところがあるマキシム(ローレンス・オリヴィエ)と若く美しいが貧しくてちょっと野心のある「わたし」(ジョーン・フォンテイン)と、コワモテの母的なダンヴァース夫人(ジョージ・サンダース)による心理サスペンスなのだが、舞台は見え方が全然違う。

『レベッカ』でヒロインが「わたし」で名前が載っておらず、後半に「ド・ウィンター夫人」と呼称される。原作の小説は未読なのだが、一人称「わたし」の視点で物語が紡がれる形式なのだろう。そのため映画で名前がなく、舞台でもついていない。「わたし」が誰かに名前を尋ねられる場面や呼ばれる場面すら描かれていない。マンダレイのことを知らない「わたし」の視点で何もかもが手探りで始まる。『レベッカ』は「わたし」の物語なのだ。

【げきぴあ】の『レベッカ』インタビュー&レポート

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[stage] 『レベッカ』(1)

ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのコンビによる『レベッカ』は8年ぶり、3度目の日本上演。シアタークリエ開場10周年記念公演だそう。

ダフニ・デュ・モーリエの小説『レベッカ』原作のロマンティック・ミステリー。同小説を原作にヒッチコック監督によるサスペンス映画『レベッカ』(1940年)が制作されている。『エリザベート』・『モーツァルト! 』・『レディ・ベス 』などのクンツェ&リーヴァイの作品にしては物語は小粒に感じて、どちらかというとキャストの歌とお芝居で作品を堪能した。

つらつら書いていたら長くなったので2回に分けました。

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