[Zuka] 2014年宙組『SANCTUARY(サンクチュアリ)』

愛ちゃんこと、愛月ひかるさん初主演おめでとうございます。

愛ちゃんの意気込みに、宙組生22名が引っ張られて、勢いのある良い舞台に仕上がった気がします。千秋楽を笑顔で迎えられますように。

宙組バウ公演 9月16日まで。

SANCTUARY ポスター画像
SANCTUARY ポスター画像

フランスに隣接する小国ナヴァールの王子アンリ(愛月ひかる)が、フランス国王の妹である王女マルグリット・ド・ヴァロア(怜美うらら)と結婚し、数多の試練を経て、フランス国王・アンリ4世として即位するまでの物語である。史実を元に、ドラマティックなエンタテイメントに仕上がっている。

16世紀末、権力闘争や宗教戦争によりフランス王家の力は減衰していた。この物語の主人公であるアンリはナヴァールの最後の王にして、ブルボン王朝の最初の王(アンリ4世)となり、王女マルグリット・ド・ヴァロアはヴァロア朝最後の王女となった。本作はフランス王家の栄枯盛衰の物語でもある。

カトリック教会はローマ教皇を最高指導者に抱くキリスト教最大の教派である。カトリック教会に属する国は、王家の婚姻ですらローマ教皇の許可が必要だった。カトリック教会の権限は絶大であり、新興であるプロテスタントを振興する者は邪教徒と呼ばれて迫害されていた。

(余談)ローマ教皇庁から離婚の許可が下りなかったために、カトリック教会から独立して自分がトップの教会(英国聖公会)を作っちゃったのが、ヘンリー8世。エリザベス1世(レディ・ベス)の父王。

フランス国内では、カトリックが、プロテスタントを弾圧し、内乱状態に陥っていた。シャルル9世(秋音 光)の摂政である母后カトリーヌ・ド・メディシス(純矢 ちとせ)は、プロテスタントを信仰するナヴァールの女王ジャンヌ・ダルブレ(花里 まな)の息子アンリと王女マルグリット・ド・ヴァロア(怜美うらら)の結婚による両派の融和策を画策する。だが、それを由としない者がいた。カトリックの強硬派で、ローマ教皇とも親交のある大貴族ギーズ公(凛城 きら)である。ギーズは、マルゴの熱心な信奉者であり、プロテスタント排斥派であった。

アンリとマルゴの婚姻のために、各地からプロテスタントが集まり、シャルル9世の信頼厚いコリニー提督(松風 輝)は秘かにプロテスタント派の蜂起を計画していた。

フランスへ発つ直前に母ジャンヌを亡くし、ナヴァール王となったアンリ、マルゴの結婚に荒れるギーズ、そしてアンリを支配下に置こうとするシャルル9世の弟アンジュー公(春瀬 央季)。様々な思惑が入り混じった結婚式が荘厳に執り行われようとしていた。

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あらすじで終わりそうなのでひと言感想。

愛ちゃん、ノーブルなお衣装の着こなしが見事。結婚式の時の白と赤のマントや、フィナーレの白地に金糸の刺繍のマントがすごく映えていた。立ち回りなどの激しい動きも、隙のない身のこなしで、目を瞠りました。

肩だしドレスばっかり来ていた、うららちゃんも良く似合っていた。
下級生がぐっと引っ張られている感じ。

■主演・・・愛月 ひかる

バウ・ゴシック
『SANCTUARY(サンクチュアリ)』
作・演出/田渕 大輔

[解 説]
16世紀、ヴァロア王朝下のフランス。南仏の小国であるナヴァールの王子・アンリが、キリスト教の二つの教派=カトリックとプロテスタントによる宗教戦争を終息させ、フランス国王・アンリ4世として即位するまでの物語。
アレクサンドル・デュマの小説で知られる彼の妻・マルゴを巡る愛や、盲目的な信仰の中に渦巻く人間の欲望をドラマティックに描く。