[Zuka] 我が名はオスカル-宙組『ベルばら』

宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編』、宝塚大劇場での千秋楽おめでとうございます。

ちーちゃん(蓮水ゆうや)、たらちゃん(愛花ちさき)、れーれ(すみれ乃麗)、こずちゃん(天風いぶき)、りあんちゃん(夢涼りあん)、そして専科の一原けいさん。

ご卒業おめでとうございます。今日一日を充実させてくださいね。

これからも幸多きことお祈り申し上げます。幸せと楽しさをありがとう。東京公演まで、しばしの休養を!

ベルサイユのばら
宙組公演 ベルサイユのばら

31日15時ソワレ 住友VISA貸切。宙組『ベルサイユのばら-オスカル編』のMY楽でした。

凰稀かなめは、骨の髄まで「お芝居の人」である。「型どおり演じる」ではなく、「その役を理解し、解釈し、入魂する」ことに全精力を傾けている。

わたしがすごいなと思ったのは、かなめオスカルの「声の表情」。

A席とか2階で観劇すると、顔の表情を細かく見ることは、オペラグラスでないと無理だが、凰稀かなめは、「声」の表情が豊かで、それに手や肩などのちょっとした仕草、体の動きや身のこなしで、オスカルの感情を表現する。

衛兵隊の隊長に赴任する当日、心配するジェローデルに「自信はない」とオスカルは答える。

凰稀オスカルは、つとめてさらりと言うが、声音にやや自嘲を潜ませる。だがそのもっと奥に、「やってみるだけさ」という決意も感じる。そういう、オスカルの心の動きや悩みを、丁寧に声と仕草で表現していく。

第2幕冒頭の第2場。オスカル(凰稀かなめ)やアンドレ(緒月遠麻)が、衛兵隊が訓練している最中に、パリ進駐の命令が届く。危険なパリ進駐に貴族である隊長が同行するということを疑う衛兵隊の面々。オスカルは、かけがえのない部下、仲間と思っている者達に、正直に心情を訴える。

「私も君たちと共にパリに行く!この私が直接指揮を執る!」

「君たちは疑っているのか?」

「私が貴族だから?」

「止め給え!情けない…私がそんな人間だと…みんなはまだ信じてくれないのか!」

声が揺れ、トーンが上下する。軍服の肩飾りが揺れ、衛兵隊に向き合う。観客には、オスカルの背中から、衛兵隊の隊長として、自分をまだ信じてもらえない悔しさ、悲痛さ、やりようのない怒りを感じ取る。

これは生の舞台を見て欲しい。←東京公演のチケットはソールドアウトです。

最後の場面まで、凰稀オスカルは圧倒的な輝きを放ち、私はずーっと釘付けになっていた。(ほかのキャストも見てるけれど…)

宙組トップスター凰稀かなめの表現者としての力をものすごく感じたMY楽でした。今回はこの辺で。